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09月27日-一般質問-03号

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  1. 新潟県議会 2018-09-27
    09月27日-一般質問-03号


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    最終取得日: 2023-06-14
    平成30年  9月定例会 本会議平成30年9月27日(木曜日)  議事日程 第3号    午前10時 開議第1 県政に対する一般質問   ―――――――――――――――――本日の会議に付した案件 日程第1 県政に対する一般質問(尾身孝昭君、上杉知之君、小島隆君、小島晋君、皆川雄二君、青柳正司君)   ――――――――☆――――――――出席議員(51名)          石坂  浩 君  斎京 四郎 君  中村 康司 君  松原 良道 君          笠原 義宗 君  高橋 直揮 君  宮崎 悦男 君  青柳 正司 君          矢野  学 君  石塚  健 君  横尾 幸秀 君  皆川 雄二 君          小林 一大 君  冨樫 一成 君  佐藤 卓之 君  楡井 辰雄 君          小島  隆 君  佐藤  純 君  桜井 甚一 君  西川 洋吉 君          岩村 良一 君  沢野  修 君  金谷 国彦 君  早川 吉秀 君          尾身 孝昭 君  柄沢 正三 君  中野  洸 君  小野 峯生 君          帆苅 謙治 君  渡辺 惇夫 君  石井  修 君  三富 佳一 君          星野伊佐夫 君  藤田 博史 君  佐藤 伸広 君  小島  晋 君          秋山三枝子 君  高倉  栄 君  上杉 知之 君  大渕  健 君          長部  登 君  小山 芳元 君  安沢 峰子 君  志田 邦男 君          渋谷 明治 君  青木太一郎 君  佐藤 浩雄 君  片野  猛 君          小島 義徳 君  佐藤 久雄 君  重川 隆広 君   ―――――――――――――――――議員以外の出席者 知事            花角 英世 君 副知事           高井 盛雄 君 副知事           溝口  洋 君 副知事           益田  浩 君 知事政策局長        笠鳥 公一 君 総務管理部長        佐久間寛道 君 県民生活・環境部長     本間由美子 君 防災局長          熊倉  健 君 福祉保健部長        藤山 育郎 君 産業労働観光部長      橋本 一浩 君 農林水産部長        山田 治之 君 農地部長          緒方 和之 君 土木部長          中田 一男 君 交通政策局長        水口 幸司 君 会計管理者兼出納局長    山田富美子 君 病院局長          岡  俊幸 君 企業局長          稲荷 善之 君 教育長           池田 幸博 君 人事委員会事務局長     関原  貢 君 警察本部長         花岡 和道 君 監査委員事務局長      髙橋 和已 君   ――――――――☆―――――――― △午前10時開議 ○議長(沢野修君) これより本日の会議を開きます。   ――――――――☆―――――――― △日程第1 県政に対する一般質問 ○議長(沢野修君) 日程第1、県政に対する一般質問を行います。 順次、発言を許します。 まず、尾身孝昭君の発言を許します。尾身孝昭君。   〔尾身孝昭君登壇〕(拍手) ◆尾身孝昭君 おはようございます。全国で相次いで大きな災害が発生しておりますが、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。 それでは、通告に従いまして、質問させていただきます。 まず初めに、少子化対策・子育て支援についてお伺いいたします。 先ごろ発表された人口動態統計を見ても、本県の人口減少、少子高齢化の状況は、他県と比べて厳しい現状にあると痛感せざるを得ません。少子高齢化は、地域の活力の衰退や、さまざまなインフラや県民サービスの低下につながり、次世代に対し、よりその痛み、影響が顕在化するものであり、本県の状況と今後の予測並びに知事が課題と捉える少子高齢化、人口減少がもたらす影響についての認識をお伺いいたします。 少子化は、我が国全体の課題であり、国においては、子育て安心プランを初めとした総合的な子育て支援対策が進められています。 子供を産み育てたいと思う人にとって、自分たちが暮らす地域における子育て環境の充実は重要であり、地域と都市部における課題は、異なるものもあると認識していますが、そこで特に県として現在力を入れている地域ごとの課題に対応した少子化対策、子育て支援の取り組みがあるのか伺うとともに、昨今の社会情勢の変化を踏まえ、今後、子育て世帯の支援を進めていく上で、課題と捉えているものは何があるのかお伺いいたします。 核家族化や地域コミュニティーの衰退など、社会環境の変化や親の離婚など、家庭の事情により子育てに関して困難な状況に置かれている家庭があることも事実であり、経済的な困難、虐待など、さまざまな理由で特別な援助を必要とする子供たちも多くおり、平成29年度に全国の児童相談所で対応した児童虐待相談件数は13万件を超えて過去最多となり、本県においても前年度より313件増の2,158件で、4年連続で最多を更新したとのことであります。 ことし3月には、東京都目黒区で5歳の女の子が両親から虐待を受けて亡くなるという痛ましい事件が起きており、児童相談所の体制強化や関係機関との連携強化は喫緊の課題となっています。 国は、7月に児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策を決定し、その中で2022年までに児童相談所の児童福祉司を2,000人ふやす計画を打ち出していますが、本県における児童相談所の体制についての知事の認識と、今後の体制強化に向けた取り組みの方針をお伺いいたします。 一昨年の児童福祉法の改正で、家庭で適切な養育を受けられない場合の代替養育は、里親など家庭と同様の環境での養育が原則であることが明確にされ、また、昨年取りまとめられた新しい社会的養育ビジョンでは、家庭養育原則を実現するための里親委託の推進など、社会的養育体制の充実を図ることが提言されています。 今後、児童福祉法や新しい社会的養育ビジョンに示された社会的養育体制の充実に向けて、県はどのように取り組むお考えなのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、地域医療の確保についてお伺いいたします。 県民が安心して住みなれた地域で暮らし続けるためには、医師の確保は喫緊の課題であり、本県の人口当たりの医師数は、全国平均に比べ低い水準にとどまってはいるものの、確実に増加しており、また、医師を初め、地域の医療関係者の献身的な努力により地域医療は支えられているものと理解しております。 県は、これまで医師の確保を県政の最重要課題の一つと位置づけ、臨床研修医や専攻医の確保、県外医師の誘致、勤務環境の整備などに積極的に取り組むほか、全国的な医師の地域偏在の解消など、県のみでは解決できない課題については、国に対し、制度改正を要望するなど、でき得る限りの対策に努めてきたと承知しているところであります。 そのような中、今年度、県内で臨床研修を行っている研修医は、過去最高となる127人となり、平成16年度からの新たな臨床研修制度開始以来、一時期低迷はしたものの、県と県内臨床研修病院が協力した取り組みを行うことにより、傾向としては上昇基調にありますが、年度により増減もあることから、今回の成果に一喜一憂することなく、引き続き着実な成果を出すことを期待するところであります。 ところで、今回、研修医の数は、過去最高となったわけでありますが、これは例年以上に地元の新潟大学医学生が県内の臨床研修病院を研修先に選んだことが大きな要因であるとお聞きしたところであります。 これまで魚沼地域では、新潟大学医学科5年生全員が長年、小出病院を起点に地域医療実習を行い、魚沼基幹病院開院後は、基幹病院でも実習を行うほか、地域住民にも接するなど、特色あるプログラムの実習を経験することにより、学生からは県内に定着し、地域医療を志す大きなきっかけになったとの声も聞いております。 これまでも県として、新潟大学医学生に対する働きかけを行ってきたものとは思いますが、やはり常に身近にいて、学生指導に当たっている教員からの熱心な意識啓発も有効であることから、県と新潟大学が協力し、学生に対し、地域医療に従事することの魅力や、やりがいなどを継続して伝えていくことが必要と考えます。 医師数の増加を図るためには、医師の県内定着に直接つながる臨床研修医の確保は極めて重要であり、そのために、まずは一人でも多くの新潟大学医学生に県内で臨床研修を行っていただくことが効果的であることから、新潟大学と一層連携を強化すべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 先般、東京医科大学入試における女性差別という事実が明るみとなり、社会からの大きな批判を浴びたところですが、この問題は、離職率の高さなどから、医療関係者の中には、女子学生がふえることに対する根強い抵抗感があること、また、勤務状況を初めとした医療現場の苛酷な労働環境という課題を浮き彫りにしたものであります。 能力と意欲のある医師志望の女子受験生が、不当に排除されることがあってはならないことはもちろんのことですが、安心して出産・育児ができる環境や復職後のキャリアプランなど、女性医師が働きやすい環境を整えていくことが、今後の医師確保においても重要だと考えます。 県においても、医師確保に向け、勤務環境の整備に積極的に取り組んできたとは思いますが、特に女性医師への支援などの具体的な取り組みについてお伺いいたします。 県内においては、特定診療科の医師不足により、手術や分娩が行えないなどの直接的な影響は生じていないと認識しておりますが、医師の身体的・心理的な負担増の影響が懸念されるところであります。 県では、これまで相次ぐ県内病院での産科の休止や精神科医師の大量退職などに緊急的に対応するため、これらの診療科の医師を目指す医学生や臨床研修医に対する奨学金制度を創設したと承知しているところであります。 本県では、特定の診療科に限らず、全ての診療科において、全国に比べ医師不足の状況にあるため、まずは特定の診療科にかかわらず、医師の総数自体をふやす取り組みや、総合診療医を育成していくことが重要との声がある一方で、生まれ育ったふるさとで子供を産み育てたい、住みなれた地域で治療を受けたいという地域住民の切実な願いも感じているところであります。 多くの診療科で医師が不足する中、県では特定診療科の医師確保に取り組んできたとは思いますが、これまでの具体的な取り組みや実績についてお伺いいたします。 次に、中条第二病院についてであります。 昭和27年に厚生連中条病院として運営が開始され、昭和42年には精神病棟を建設し、平成28年の旧中条病院との機能統合を経て現在に至っております。 当病院は、十日町・中魚沼地域で唯一の精神科医療を担う施設として、長年の間、地域住民の健康・安心を支えてきたものであり、また、将来的な病棟の新築計画も厚生連の組織内部で承認されていたところであります。 しかし、先般、経営主体である厚生連から中条第二病院の病棟整理の方針が示されました。患者さんや家族の皆様を初め、地域の多くの関係者からは、余りに唐突であり、また、今後の展望が不透明であるなど、大きな不安や困惑が広がっております。 厚生連では、病棟整理は、今後の人口減少等による全体患者数が減少する中、精神新薬など医療の進歩による統合失調症患者の減少や、医療体制改革における地域移行に伴い、特に入院患者数の減少が進み、事業運営における収支改善が将来的にも見込めないことが要因であるとの説明を行っております。 一方、中条第二病院の現状は、これまで精神保健指定医師数3名での運営であったところ、医師事情により9月からは2名体制となり、現場では宿日直体制の維持など、過大な医師負担が生じていることが推察されます。 こうした中で、厚生連として新たな精神科医師の確保ができなかったこと、その努力が不足していたことが病棟整理の大きな要因であると私は考えております。 県においては、厚生連と協議の上、平成28年度から、中条第二病院の事業損失額に対して、新たな制度を創設し一定の財政負担を行い、運営の継続を支援してきたところですが、十日町・中魚沼地域で唯一の精神科医療を提供する中条第二病院の役割に対する県の所見を伺うとともに、あわせて厚生連に対する今後の県の対応方針についてお伺いいたします。 次に、知事が目指す観光の将来像についてお伺いいたします。 知事は、県民だよりの知事メッセージの中で、新潟県の将来像として、多くの皆様が新潟に住んでいることを誇りに思い、多くの国内外の方々が新潟に魅力を感じ、訪ねてきていただける住んでよし、訪れてよしの新潟県を目指すと言われています。先般、公表された平成29年の観光入り込み客統計では7,247万8,000人で、前年比マイナス2.3%と平成28年に続く減少傾向にあり、本県の観光は厳しい現状にある一方、インバウンドについては、平成29年の観光庁の宿泊旅行統計調査によると31万5,400人泊で、前年比プラス18.1%と、全国平均のプラス14.8%を上回る好調とのことで、明るい兆しとは思いますが、一部の報道では、隣県に比べて伸び率が鈍いとの指摘もあり、まだまだ取り組む余地といいますか、伸び代はあるものと感じています。 こうした厳しい環境の中、知事が将来像として掲げる訪れてよしの実現に向けては、今後どのように観光振興に取り組んでいくお考えなのかお伺いいたします。 私の地域、越後妻有では2000年に始まった大地の芸術祭、アートトリエンナーレがことし第7回目を迎え、回を重ねるごとに県内外から多くの観光客が訪れており、ことしは台湾や香港などアジア諸国に加え、欧米などからも多くの外国人が訪れ、清津峡渓谷トンネルのアート付近は渋滞が生じるなど、大きな反響がありました。 中山間地域、里山を活性化するというこのプロジェクトが好調である背景には、芸術作品はもとより、県内外の方々が地域の生活に実際に触れ、雪国の暮らしを体感できること及び地域住民との交流により、その温かさやたくましさに共感を覚え、地域に愛着を感じることが大きな魅力の一つになっているのではないかと思います。 また、過疎化が進む中でも、地元の方々を初め、高齢者の皆様も非常に生き生きと訪問者をもてなしており、地域の誇りも醸成され、これが発信力を増している要因の一つでもありますが、知事の訪れてよしの将来像に向けた一つのヒントになるのではないでしょうか。 知事が言う訪れてよしの新潟県の実現に向けては、交流人口の増加による地域経済の波及効果とともに、こうした観光客と地域住民との交流を通じた地域活性化も重要と考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、スポーツによる地域活性化についてお伺いいたします。 9月2日にジャカルタ・アジア競技大会が日本人の大活躍で閉幕しました。県内関係では、アルビレックス新潟の原選手が出場した男子サッカーが銀メダルを、レディースの阪口選手が出場した女子サッカーが金メダルを獲得し、県民も大変盛り上がりました。 また、同日、30回の節目を迎えた佐渡国際トライアスロン大会が、海外からの参加者を含め、2,000人以上の参加者を得て開催されました。 スポーツ選手の活躍により、県民は元気をもらい、また、スポーツイベントの開催で地域も元気をもらうという効果も出ております。 本県には、ほかにも県都を駆け抜ける新潟シティマラソンや、山あり谷ありのウルトラマラソンのえちご・くびき野100kmマラソンなど、全国的に認知度が高く、多くの参加者が集まる大会が県内各地で開催されています。 こうした大会の開催は、地域を元気にするとともに、地域の魅力を発信することにもつながっており、そのようなスポーツの力を使って、十日町市では平成25年にスポーツ事業によって交流人口の拡大や地域活性化を図ることを目的とした十日町市スポーツコミッションを設立し、雪などの地域資源を活用したスポーツを通じ、交流人口拡大や地域活性化を図っているところであります。 本県には、海や山、雪といった豊かな自然など、そういった地域資源を活用して、スポーツイベント開催などによる地域の魅力発信や、交流人口の拡大により地域活性化を図るべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 2016年に湯沢町苗場で開催されたアルペンスキーワールドカップで前走した本県ジュニア選手が、世界的な舞台に立った感動から、全国で活躍し、世界を目指していますが、一方で、選手の中には高校・大学時代に活躍したものの、卒業後に本県で競技を継続することが困難な状況もあると伺っています。 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を2年後に控え、スポーツへの関心がより一層高まっている中、駅伝・マラソンなど自身の限界に挑戦するアスリートや、そのひたむきさに触れることは、「する」「みる」「ささえる」スポーツ参画人口の拡大とともに、トップアスリートの活力にもつながってまいります。 本県選手の活躍は、県民に元気・勇気・感動を与え、スポーツを振興し、そのスポーツの振興が地域を元気にするという好循環につながっているものと考えますが、これからの本県スポーツの競技力向上の方向性について、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、建設産業の活性化と道路整備についてお伺いいたします。 首都圏では、2020年の東京オリンピックパラリンピックに向けた各種インフラ整備や都市開発などによる建設ラッシュもあり、好景気と聞いており、上場企業の年間平均給与は、建設業が全業種中トップになったとの新聞報道がありました。 しかし、県内建設業は、国土交通省の取りまとめた建設総合統計年度報によると、県内の公共・民間を含めた建設投資額は、平成8年度の約2兆3,000億円をピークに急激に減少し、平成29年度には約1兆600億円となっており、県内の建設投資はピーク時の半分以下の水準となっている一方、県内の建設業許可業者数は、平成11年度の1万2,619社をピークに緩やかに減少し、平成29年度末では9,843社と2割程度の減となっています。 県内の建設業は、県内総生産の6.4%を占めるとともに、県内就業者数の9.9%を占めており、これは全国と比べても高い割合であり、本県建設業は、地域の基幹産業として経済と雇用を支える重要な役割を果たしていますが、県内の建設業は、依然として厳しい経営環境に置かれているのが現実であります。 8月23日の新潟日報の報道によると、新潟県建設業協会が平成29年度会員企業に行った調査では、50歳以上の従業員の割合が46.7%と半数近くに上っており、40代は25.9%でしたが、30代は15.1%、29歳以下は12.2%と若年層が少なくなっており、新卒者の求人数と実際の就業者数との差は年々広がる傾向にあるとの結果になっています。 建設業界では、若い世代の就業者をふやそうと、現場見学会の開催や建設業の魅力を伝えるPR、若者を呼び込むため労働条件の改善など、人材確保に積極的に取り組んでいると聞いております。 そのような中、建設業界は高齢化が進行しており、将来の担い手の確保・育成が必要と考えますが、県としてどのように取り組んでいくお考えなのかお伺いいたします。 また、全国各地では今年度に入り、大阪府北部を震源とした地震、西日本を中心とした7月の豪雨災害、台風21号による暴風雨・高潮災害や北海道胆振東部地震と想定外、数十年に1度と言われるような災害が全国各地で頻発し、大災害はいつ、どこでも起こり得るものと再認識したところであり、頻発・激甚化する災害に備えた県土の整備が必要であります。 建設業は、社会資本の整備や維持管理を担うとともに、頻発する災害への対応や、全国有数の豪雪地帯である本県においては冬期間の除雪など、地域を支え、県民生活の安全・安心にも貢献する不可欠な産業であり、経済波及効果が大きいという観点からも、民間事業の少ない本県において、公共事業を進めていくことが必要と思いますが、建設業の役割に対する知事の認識を伺うとともに、建設産業をどのように活性化していくお考えなのかお伺いいたします。 また、建設投資の減少による競争の激化などにより、建設企業は極めて厳しい経営環境に置かれてきたため、他産業と比較して収益性が低くなっており、県内の建設業者は厳しい経営状況が続いていると聞いておりますが、経営改善のための取り組みについても、あわせてお伺いいたします。 災害発生の直後から人命救助のため、警察や消防、自衛隊などの皆様が活動するのとあわせ、被災した土木施設等の早期の復旧・復興のために、災害対応や除雪など地域の安全・安心の確保や社会資本の整備などを担い、いざというときに最前線で働いている建設業関係団体の皆様が活動している姿を見るとき、心から敬意と感謝を表する次第であります。 このような中、本県は災害時の初動対応のため、平成8年から建設業関係団体と災害協定を結び、災害発生時には昼夜を問わず、早期の道路啓開や災害調査、復旧作業等に当たってもらうこととしています。 昨今、災害が全国的に頻発している中において、災害発生直後からさまざまな団体組織が県民の安全確保や復旧に速やかに動き出すことは大変望ましいことと考えますが、この災害協定の意義について、知事の御所見をお伺いいたします。 近年、全国のあちこちで頻発している大規模災害の状況を見ていると、災害発生時の人命救助や電気、ガス、水道などのライフラインの復旧、救援物資の輸送等を効率的に行うためには、道路の果たす役割が非常に重要だと感じています。 その一方で、本県の道路関係予算は、平成9年度をピークとし、現在はその約4割にまで落ち込んでいます。 かつて道路の整備は、若き日の田中角栄元総理が中心となってつくり上げた道路特定財源制度により、道路を利用する受益者がその建設、維持管理費用を揮発油税等として負担するという極めて理にかなった枠組みで進められていたものの、残念ながら平成21年度より一般財源化されています。 災害に強い地域づくりには、道路の整備を進めることが必須であり、長期安定的に道路整備及び管理、老朽化対策等が確実に進められるよう、国において道路関係予算に係る新たな財源の創設を検討すべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 本県では、平成16年10月に中越地震が、平成19年7月には中越沖地震が発生し、全国から多岐にわたる温かい御支援を受けたところであり、誰も望まないことではありますが、今後、本県でもあのような大規模地震や集中豪雨による大災害が再び発生する可能性は十分にあると考えます。 本県における大災害に備える上で、隣接各県と相互にスムーズな助け合いができるよう準備を進めておく意味からも、隣接する5つの県と連絡する高速道路や幹線国道、また、それらを補完する道路をしっかりと整備し、つなげていくことが重要と考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 上越魚沼地域振興快速道路は、北陸自動車道上越インターチェンジと関越自動車道六日町インターチェンジとを結び、完成すれば県内の広域道路ネットワークの一翼を担い、大規模災害時に大きな力を発揮するものと考えますが、一方で、いわゆる生活道路とは異なり、地域経済に大きなイノベーションを創出する道路にもなり得ると考えられます。 例えば政府の進める地方創生の一つの鍵である観光の活性化にも大きく寄与する道路と考えられ、先週まで越後妻有地域で開催されていた大地の芸術祭のような観光を通じた地域づくりの取り組みと、社会資本政策としての上越魚沼地域振興快速道路の整備が連動することによって、多くの人が訪れる活気ある地域づくりに寄与するものと考えられますが、上越魚沼地域振興快速道路の重要性について知事の御所見を伺うとともに、整備効果についてもお伺いいたします。 上越魚沼地域振興快速道路については、昨年11月に八箇峠道路の6.6キロメートル区間が供用し、特に冬期間における通行の安全性が飛躍的に高まったことに対し、地域住民も大変喜んでいます。また、今年度中には上越三和道路の一部も供用を予定していると聞いており、関係機関の皆様の御尽力に感謝しております。 また、今年度の国土交通省北陸地方整備局の当初予算概要を見ますと、上越魚沼地域振興快速道路の八箇峠インターチェンジから十日町市街地に向かう十日町道路について、直轄による権限代行実施の検討を行うための調査費が予算づけされておりますが、上越魚沼地域振興快速道路のさらなる整備促進に向け、十日町道路の事業化に向けた取り組みについてお伺いいたします。 平成25年の道路法改正等を受け、平成26年7月より道路管理者は全ての橋梁、トンネルなどについて、5年に1度、近接目視で点検を行うことになりました。国土交通省では、国民・道路利用者に対して道路インフラや老朽化対策の現状を周知するため、点検の実施状況や結果などを調査し、道路メンテナンス年報としてまとめ、公表し、県・市町村等と連携して計画的なメンテナンスを実施していくこととしています。 また、平成26年度から始まった道路施設の法定点検が平成30年度末で一巡することを踏まえ、道路施設の老朽化対策を着実に実施していくとしております。ついては、県が管理する道路施設の老朽化対策に対する知事の御所見をお伺いいたします。 子供や高齢者などは、交通手段が徒歩となるため、県民にとって身近な道路施設である歩道整備の要望は依然多く、安全・安心を確保するという観点からも、歩道整備を一層積極的に進める必要があると考えます。特に長野県からの玄関口でもあります国道117号線については、本県と長野県を結ぶ重要な幹線道路であるため、1日の交通量が1万5,000台を超える区間もあり、大型車交通量も2,500台を超えていることから、歩行者が安全・安心に通行できるよう歩道整備が必要であると考えますが、県管理道路における歩道の整備方針について知事の御所見を伺うとともに、国道117号線の整備状況をお伺いし、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 尾身議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、本県の少子高齢化の状況や今後への影響等についてでありますが、本県は、15歳未満の年少人口と65歳以上の老年人口の割合が逆転した時期が全国よりも早く、全国を上回るペースで少子高齢化が進んでおります。 国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、年少人口割合の低下と老年人口割合の上昇は今後も続き、人口自体も平成27年の約230万人から、およそ30年後には4分の3以下の約170万人となり、15歳から64歳までのいわゆる生産年齢人口の割合が50%を割り込むと見込まれております。 少子高齢化に伴う人口減少は、日々の暮らしの中で直接痛みを与えることなく徐々に地域社会の活力を奪うなど、将来、我々の日常生活に深刻な影響をもたらすことになるものと認識しております。 次に、地域の課題に対応した子育て支援についてでありますが、議員御指摘のとおり、子育て支援における課題やニーズは、地域により異なるものと認識しており、基本的には、地域の住民により身近な存在である市町村が、地域の実情に応じて取り組む施策に対し、支援をしております。 こうしたことに加え、核家族化や地域コミュニティーの衰退などの社会情勢の変化も踏まえ、地域で活動している団体などを新たな子育ての担い手として育成する取り組みに力を入れているところであります。 また、女性の社会進出の増加や家族の形態の多様化等を背景に、子育て支援に対するニーズは今後も増加、多様化していくと考えられます。このため、子育て支援にかかわる人材の確保、育成を進めるとともに、企業などに対する働きかけを強めるなど、社会全体で子育てを支える体制づくりに努めてまいりたいと思います。 次に、児童相談所の体制についての認識と今後の体制強化についてでありますが、県では、児童虐待相談件数の増加等を踏まえ、児童福祉司について順次増員し、現状では法に定める基準を満たす配置となっております。 しかしながら、全国では深刻な事件も発生しており、また、子育てニーズの多様化などを背景に、対応する相談は今後も増加や複雑・困難化が見込まれる中で、引き続き、体制強化に取り組んでいく必要があると認識しております。 このため、児童福祉司等専門職の大幅な増員を打ち出している国の計画への対応とあわせ、研修等による職員の専門性の一層の向上などに取り組み、痛ましい事件が起きないよう、対応力を強化していきたいと考えております。 次に、社会的養育体制の充実に向けた取り組みについてでありますが、本県では、これまでも家庭で適切な養育を受けられない子供たちに対し、家庭と同様の環境である里親家庭での養育を優先した支援に努めており、平成29年3月末時点の里親委託率は42.4%と、全国で最も高くなっております。 しかしながら、児童福祉法等で示された充実した社会的養育体制の実現に向けては、さらに里親を増加させることと同時に、里親家庭で質の高い養育が行われる必要があります。 そのためには、里親制度への県民の理解を深める取り組みとあわせて、里親が安心して養育に当たれるよう、研修や児童相談所による支援などの取り組みを充実してまいりたいと考えております。 次に、地域医療の確保についてお答えします。 まず、新潟大学との連携についてでありますが、議員御指摘のとおり、臨床研修医を確保するためには、大学と連携することが重要であると考えております。県では、新潟大学と連携し、地域枠を設定しているほか、全学生を対象に、地域医療実習を通して新潟の地域医療を担う気概を醸成する講座を設置しております。 さらに、昨年度より、大学、医師会との共催により、医学生に対する地域医療の魅力を伝えるセミナーを開催するなど、連携を強化してきたところであります。引き続き、新潟大学と連携し、臨床研修医の確保に取り組んでまいります。 次に、中条第二病院についてでありますが、中条第二病院は、十日町・津南地域における唯一の精神科医療を提供する公的病院として、公益性の高い医療サービスを担っていただいているものと認識しています。 このため、県としては、厚生連に対し、引き続き病院の存続に向け、最大限の努力を続けるよう要請したところであります。 なお、厚生連においては、診療所化に向けて、現在、入院患者の転院調整が行われていると聞いておりますが、これらの対応については、患者や家族など関係者の理解と信頼が何よりも大事だと考えております。 いずれにいたしましても、県としては、十日町・津南地域における精神科医療の安定的な供給に向け、医師の配置も含めた厚生連の今後の経営展望等をお聞きしながら、引き続き可能な支援を検討してまいります。 次に、観光の将来像についてお答えします。 まず、観光振興の取り組みについてでありますが、本県には、自然、食文化、産業など多くの宝がありますが、アピールポイントの絞り込みやストーリー性が弱く、観光振興に生かし切れていない現状にあり、観光客数の底上げにつながっていないものと考えております。 今後は、本県が誇る食文化を中心としてアピールポイントの明確化を図り、市町村、関係事業者などとともに体験型やストーリー性のある観光資源として磨き上げを進め、他県と差別化できる新潟ブランドの構築に取り組む中で、国の内外から多くの方々が新潟の魅力を感じ、訪ねていただける訪れてよしの新潟県を目指したいと思っています。 次に、観光における地域活性化の取り組みについてですが、議員御指摘のとおり、近年、観光形態が消費型から体験・交流型に変化する中で、住民との交流や日常生活に触れる体験などが観光の魅力を高める上で重要となっております。 県内では、大地の芸術祭はもとより、燕三条の工場の祭典や、食を楽しみながら温泉街を散策するONSEN・ガストロノミーなどが注目を集めており、今後こうしたニーズは高まっていくものと考えております。 県といたしましては、芸術、文化、産業など地域資源を活用したコンテンツを磨き上げ、地域の魅力を高めることで交流人口の拡大に努めるとともに、交流を通じた地域の活性化や、住民が誇りを持って地域の魅力を発信する機運を醸成し、活力ある新潟を目指してまいりたいと思います。 次に、スポーツによる地域活性化についてお答えします。 まず、スポーツイベントを通じた地域の魅力発信や交流人口の拡大についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県の有する海、山、雪などの豊かな自然や大型スタジアムなどを活用し、スポーツイベントを開催することは、地域の魅力発信や交流人口の拡大、地域活性化を図っていく上で大変重要であると考えております。 県では、2020年2月にアルペンスキーワールドカップにいがた湯沢苗場大会を開催するため、先日、実行委員会を立ち上げました。こうした世界規模のスポーツイベントでは、外国からの誘客も期待されることから、関係機関との連携を強化し、今後ともスポーツイベントの開催誘致に取り組むことで、交流人口の拡大につなげてまいります。 次に、競技力向上の方向性についてですが、本県では、オリンピックなどの世界で活躍できるトップアスリートの育成や、国体等の全国大会で多数の入賞者を輩出できる競技力の養成を目指しており、ジュニア選手の育成・強化が重要な課題であると認識しております。 ジュニア選手には、年齢に応じた適切な技術指導や意識啓発、世界レベルのトップアスリートの技術を間近で体験する経験などが必要であると考えております。 このため、日本体育大学など競技力向上に実績のある県内外の大学との連携やアルペンスキーワールドカップの開催誘致などに取り組んできたところであります。今後も新潟から世界へ羽ばたくジュニア選手の育成・強化に向けた取り組みを一層推進してまいります。 次に、建設産業の活性化と道路整備についてお答えします。 まず、建設産業の役割と活性化についてでありますが、議員御指摘のとおり、建設産業は、社会資本の整備等を通じて地域発展の基盤づくりを担うとともに、除雪や災害対応など、地域の安全・安心を守るために重要な役割を担っているものと認識しております。 建設産業がこの役割を将来にわたって安定的・持続的に担っていくことが重要であり、そのため、施工時期の平準化やICTの活用拡大などによる生産性向上への取り組みなどにより収益力にすぐれた企業を育成するほか、持続的経営の体制づくりや建設産業への理解向上に向けた取り組みを着実に推進してまいります。 次に、建設産業の経営改善の取り組みについてですが、建設産業がその役割を安定的・持続的に果たしていくためには、安定的な利益の確保と収益性の改善が必要であると考えております。 そのため、建設産業が適正な利益を得られるよう、低入札対策や地元優先発注などを推進するほか、新分野進出や本業における新技術の開発による経営多角化などへの支援など、収益力にすぐれた企業の育成に引き続き積極的に取り組んでまいります。 次に、建設産業の人材確保・育成への取り組みについてですが、地域の建設産業が安定的・持続的にその役割を果たしていくためには、その技術・技能を維持・継承することが必要であり、将来を担う人材の確保・育成が重要と考えております。 県といたしましては、就業者の処遇改善に資するよう、若手・女性就業者の資格取得のための支援や、賃金水準の維持・向上、休日の確保などにつながる取り組みを行っております。 また、建設産業への理解促進を図るため、建設業関係団体が行うPR動画の制作などへの支援や、中高生等に対する現場見学会などを行っているところであり、今後とも将来を担う人材の確保・育成に向けた取り組みを積極的に進めてまいります。 次に、災害協定の意義についてでありますが、災害発生時に県と連携して建設業関係団体が実施する速やかな被災状況調査や障害物の除去などは、災害からの早期復旧につながるものであり、県民生活の安全・安心を確保する上で、大変意義深いものと認識しております。 災害協定を締結していただいている関係団体の皆様には、大変感謝申し上げるところであり、今後とも建設業関係団体の理解を得ながら、官民が連携して迅速な災害対応に努めていきたいと考えております。 次に、道路関係予算に係る新たな財源の創設についてですが、議員御指摘のとおり、災害に強い地域づくりを確実に進めるためには、長期安定的に道路整備等を確実に進めることが必須であると認識しております。 県といたしましては、先月、国に対して新潟県の社会資本整備における特別要望を実施し、必要な道路予算を確実に確保することが重要であると訴えたところであり、今後も必要な道路関係予算の確保に努めてまいります。 なお、新たな財源の創設につきましては、国政レベルで議論を経た上で結論を出していく必要があると考えております。 次に、隣接各県と連絡する道路の整備についてでありますが、本県における大規模災害時には、救命救急活動や物資の輸送で道路が大きな役割を果たすことから、隣接各県と連絡する高速道路などの道路ネットワークが重要であると認識しております。 このことから、高速道路のミッシングリンクの解消や暫定2車線区間の4車線化及び県境をまたぐ幹線道路等において、交通上支障となっている箇所の解消に向け、引き続き関係機関と連携して取り組んでまいります。 次に、上越魚沼地域振興快速道路の重要性と整備効果についてでありますが、本道路は、北陸自動車道と関越自動車道を連結し、上越、魚沼両地域を結ぶ高速交通ネットワークを形成するという点からも、国土計画上、重要な道路であると認識しております。 県といたしましては、上越魚沼地域振興快速道路が早期に全線供用されるよう、引き続き国と連携して取り組んでまいります。 なお、整備効果については、土木部長から答弁いたします。 次に、道路の老朽化対策についてでありますが、本県の道路施設は、高度経済成長期に集中的に整備されたものが多く、今後、建設から50年以上が経過する施設は、加速度的にふえていくと見込まれており、道路施設を初めとするインフラの急速な老朽化は、大きな問題であると認識しております。 県といたしましては、県民が安全・安心に暮らせるよう、定期的な点検等によりインフラ施設の健全度を把握するとともに、必要な予算を確保し、計画的かつ効率的な維持管理や補修、更新を継続してまいります。 次に、県管理道路における歩道の整備方針についてでありますが、議員御指摘のとおり、交通量が多く、歩行者が多い箇所において、歩道整備により安全・安心な歩行空間を確保することは重要であると考えております。 県といたしましては、児童等の安全確保を図るため、通学路等の歩道を優先して整備しているところであります。今後も歩道整備を着実に進め、歩行者の安全確保に努めてまいりたいと考えております。 なお、国道117号の整備状況については、土木部長から答弁いたします。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) 2点についてお答えいたします。 まず、女性医師への支援に対する具体的な取り組みについてですが、県では、女性医師にとって働きやすい環境整備に向け、女性医師ネットによる復職支援や相談への対応、短時間勤務制度など女性医師等の勤務環境改善や院内保育を実施する病院に対する支援を行っており、また、女性医師支援センター設置により、これらの事業を包括的かつ機能的に実施をしております。 女性医師が仕事を続けながら、安心して妊娠・出産・育児を行える環境を整備するため、引き続き、医師確保の観点から女性医師の支援に取り組んでまいります。 次に、特定診療科の医師確保の取り組み等についてですが、県では、産科や精神科を目指す臨床研修医等に対する奨学金の貸与を行うことで、各分野に必要とされる医師の確保を図っており、これまでの貸与実績は、産科が2人、精神科が10人となっております。 また、分娩手当等の支給など、産科医等の処遇改善を実施する病院に対する支援により、産科医等の確保を図っており、平成29年度は31施設に対して支援しております。引き続き、特定診療科の医師確保に取り組んでまいります。   〔土木部長中田一男君登壇〕 ◎土木部長(中田一男君) 3点についてお答えいたします。 上越魚沼地域振興快速道路の整備効果についてですが、本道路が北陸自動車道と関越自動車道を結ぶ地域高規格道路として整備され、利便性が向上し、多くの人々が訪れることにより、観光が振興し、活気ある地域づくりにつながる効果があるものと考えております。 また、安全で円滑な物流の確保、冬季の交通障害の解消、命の道として第3次救急医療施設への搬送時間の短縮等の効果もあり、上越、魚沼両地域における産業振興、交流人口の拡大及び安全・安心の確保などに寄与するものと考えております。 次に、十日町道路の事業化に向けた取り組みについてですが、十日町道路は、昨年度、部分供用した八箇峠道路の十日町側に続く道路であり、県が昨年度ルート帯を決定したことを踏まえ、今年度は、国により直轄権限代行実施の検討を行うための調査が行われているところです。 県といたしましては、十日町道路の事業化に向け、今後も国と連携して必要な調査を着実に進めるとともに、直轄権限代行により早期事業化がされますよう、引き続き地元市町と連携して国に働きかけてまいります。 次に、国道117号の歩道整備状況についてですが、県が管理する道路延長約53.7キロメートルのうち、約44.9キロメートルについて歩道が整備されております。 また、現在、十日町市で4カ所、小千谷市で2カ所の計6カ所において歩道を整備しているところです。 ○議長(沢野修君) 尾身孝昭君の質問は終わりました。 次に、上杉知之君の発言を許します。上杉知之君。   〔上杉知之君登壇〕(拍手) ◆上杉知之君 未来にいがたの上杉知之です。通告に従い、順次、質問いたします。 知事は、6月定例会の所信表明において、「新潟県の将来像として、多くの県民の皆様が、新潟に住んでいることを誇りに思い、これからも住み続けたいと思える新潟県、そして、多くの国内外の方々が新潟に魅力を感じ、訪ねてきていただける新潟県、そうした住んでよし、訪れてよしの新潟県を目指してまいりたい」と発言されていますが、きょうは、それぞれの将来像について、もう少し具体的なイメージをお伺いしたいと思います。 初めに、住んでよしの新潟県です。 私自身は、新潟県に生まれてよかったと心底思っています。御飯はおいしいし、お酒はうまいし、海も山も近く、通勤電車に何時間も揺られることもない。ただ、若い人の中には遊ぶところがないと言ったり、高齢の方は毎年の雪かきがつらいと言ったり、住んでよしと思っていない県民がいるのも事実であります。 そこで、まず知事御自身は、現在の新潟県の住みよさ、住みにくさをどのように御認識されているかお伺いするとともに、さらに住んでよしとするため、具体的に何から取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、U・Iターン促進の取り組みについて伺います。 U・Iターンの促進には、第1に働く場の確保が重要ですが、それと同時に、新潟らしいライフスタイル、すなわち住んでよしの新潟暮らしの魅力を発信することが重要と考えます。 先日、産業経済委員会の視察で、首都圏でアプリ開発を手がける若い経営者の方にお話を伺う機会がございました。その方によりますと、今の若いIT技術者は、働く環境と生活の質をとても重視しており、通勤に時間がかからず、ゆとりのあるライフスタイルを好むということでございました。また、御自身もいつかは新潟に本社を移して戻ってきたいというお話でございました。 また、富山県に本社機能を移転したある企業では、富山で生活をすることが社員の幸せになると社長が考えられ、富山への移転を決意したというお話も伺ったことがあります。 このようにU・Iターン促進の取り組みには、ライフスタイルの魅力をいかに伝えていくかが重要なポイントになると考えますが、新潟暮らしのどのような魅力をどのように発信していくのか、知事の御所見をお伺いいたします。 人口減少問題については、知事も一朝一夕には解決できない構造的な問題であり、その対策に特効薬はなく、より効果的な施策を積み重ねていくしかないとされています。 社会減対策は、地域間のパイの奪い合いにすぎず、日本全体で見れば、問題の解決にはつながりません。自然減対策、特に子供を産み育てる支援にこそ力を入れるべきと考えます。子育てのしやすさは、住んでよしの指標にもなり、結果して社会減対策にもつながります。 私たち未来にいがたでは、この夏の会派視察で、和歌山県の子育て支援の取り組みについて調査をいたしました。和歌山県では、理想どおりの子供数を持たない理由として、子育て等にお金がかかり過ぎるを挙げる割合が最も高いとの調査結果から、紀州っ子いっぱいサポート事業として、保育料の助成や在宅育児の支援などに積極的に取り組んでいます。 さらに、先行する鳥取県三朝町では、在宅育児支援に取り組んだ結果、合計特殊出生率が上昇しているとのお話もお伺いしました。 このように人口減少問題への対策については、さまざまな施策の中でも、とりわけ子育て支援の充実が有効と考えますが、本県における子育て支援の今後の方針について、知事の御所見をお伺いいたします。 子育て支援と順序が逆になりましたが、子供を産み育てる前のパートナー選びの問題があります。県では、これまで「あなたの婚活」応援プロジェクトとして、出会いの場の創出に力を入れてきました。特に、にいがた出会いサポートセンターにおける婚活マッチングシステム「ハートマッチにいがた」については、コンピューターマッチングとマッチングサポーターによる丁寧なフォローにより、開設から2年を経過し、少しずつ成果が出ているものと承知しております。ただ、まだまだ期待する成果には物足りないのではないかという厳しい意見があるのも事実です。 そこで、にいがた出会いサポートセンターにおける婚活マッチングシステム「ハートマッチにいがた」の取り組みについて、これまでの成果と課題をお伺いいたします。 また、婚活支援の取り組みを今後どのように展開していくのか、知事の御所見をお伺いいたします。 住んでよしの新潟県をつくる上で、県人口の3分の1が暮らす新潟市の魅力を高めることは、とても重要です。 先ごろ開催された新潟県・新潟市調整会議においては、新潟県の拠点性向上に資する新潟市の都市機能向上に向けた県市の取組について協議されました。新潟駅周辺整備や万代島再開発あるいは鳥屋野潟湖岸堤整備などは、新潟市の魅力を高め、住んでよしの新潟県づくりを牽引する事業とも言えます。ぜひとも新潟市と連携をし、積極的に取り組んでいただきたいと思います。 そこで、新潟市の都市機能向上について、現状をどのように認識されているか伺うとともに、今後、県が果たすべき役割は何か、知事の御所見をお伺いいたします。 続いて、訪れてよしの新潟県についてお伺いします。 知事には、かつて副知事時代に、当時の民主党系地方自治体議員の研修会においでいただき、新潟県の拠点性について御講演を賜りました。その中で、新潟にはよいものがたくさんあるが、新潟といえばこれというとがったものがない、新潟のとがったものを磨いていく必要があるとお話しされたと記憶をしております。 訪れてよしの新潟県、特に観光においては、新潟県にはすばらしい名所や行事、味覚など、資源は豊富にあるにもかかわらず、その魅力を伝え切れていないように思います。まさにとがったものを磨いていく必要があると考えます。 それには、まず現状を分析し、磨くものは一つ一つの観光資源なのか、そこにかかわる人なのか、情報の発信の仕方なのか、さらには何をもって訪れてよしとするのかを明確にすることが必要と考えます。 そこで、知事になられた今、本県の観光について現状をどのように認識されているかお伺いするとともに、訪れてよしの新潟の実現に向け、何を目標とし、どのような取り組みを進めていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。 これまで本県では、観光分野を中心に「うまさぎっしり新潟」というキャッチコピーを使用してきました。ただ、このうまさぎっしりは、よいものはたくさんあるのに、とがったものがない本県の状況をあらわしていると思っています。訪れてよしの新潟県を目指し、とがったものを磨いていく中で、いつまでも、ぎっしりでは本県の魅力が伝わらないのではと考えます。 そこで、「うまさぎっしり新潟」というキャッチコピーを初めとする本県の観光政策の見直しの必要性について、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、インバウンドについてお伺いいたします。 外国人旅行者の誘客は、今や全国の自治体がしのぎを削る熾烈な地域間競争の状況にあると言っても過言ではありません。観光庁が発表した宿泊旅行統計調査によりますと、平成29年における本県の外国人宿泊者数の伸び率は、前年比18.1%増ですが、富山県29.4%増、群馬県36.0%増、福島県65.2%増、山形県33.6%増など、周辺各県より低くなっているのが実態です。 この現状をどのように分析されているかお伺いするとともに、分析を踏まえてどのように対処していくのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、新潟県に訪れていただくための交通手段についてです。 本県の観光振興にとって重要なルートであり、早期開業が期待される北陸新幹線の大阪延伸について、これまでフリーゲージトレインの導入が検討されてきましたが、走行試験中のたび重なるトラブル等により、このたび事実上断念することが公表されました。 知事は、所信表明の中で、日本海国土軸の形成を図るため、北陸・上越の両新幹線の連結に向けて取り組むとともに、日本海側を縦断し、上・中・下越を一体的に結ぶ羽越新幹線計画の実現に向けて、整備促進に向けた取り組みを進めてまいりますとされていましたが、フリーゲージトレインの導入断念が、北陸新幹線の大阪延伸や日本海縦貫高速鉄道交通体系の構築に与える影響をどのように考えているのか、知事の御所見をお伺いいたします。 知事は、新潟空港の利便性の向上につながる軌道系アクセス整備に向けた機運を高めてまいりますと、新潟空港への新幹線乗り入れについて、改めて検討する意向を示されております。 新潟空港への新幹線乗り入れについては、概算の建設費用に関する調査報告が示され、新潟空港アクセス改善協議会による新潟空港アクセス改善の基本的考え方において、期待される効果についても検討がされています。 しかしながら、これまでの議論では、建設費が高いのか安いのか、やる気があるのかないのかといった点に議論がとどまり、費用対効果の視点が置き去りにされてきたように感じております。新潟県の拠点化にとって、あるいは新潟県民の生活の向上にとって、費用以上の効果があるのかどうかが最大の論点だと考えます。 新潟空港への新幹線乗り入れについて、改めて検討するのであれば、期待される効果に関する議論と、その詳細な検証を進める必要があると考えますが、この問題に今後どのように取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いいたします。 来年、国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭が本県で開催されます。本県に伝わる多くの伝統芸能や活発な障害者アート活動などをアピールする絶好の機会であり、再来年に開催される東京オリンピックパラリンピックに伴う観光客の受け入れにもつながる可能性を持つ重要なイベントであります。本県の持てる力を総動員して、万全の体制で臨まなければなりません。 いよいよ開催まで残り1年となり、準備作業もスピードアップしなければならないと考えます。来年の今ごろ、県内のどこで、どのようなイベントを展開するのか。そこには、どのような人がかかわるのか。そして、それには幾ら予算がかかるのか。アート作品とお客様をもてなす体制をつくり上げるには、それなりの時間とお金がかかります。現場は、既に走り始めています。 国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭の本県開催まで残り1年となって、準備作業のスピードアップと予算の確保が必要と考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、知事が所信表明で示された2つの実現目標についてお伺いをいたします。 初めに、安全に安心して暮らせる新潟県についてです。 知事は、防災・減災対策が喫緊の課題であり、もう一段スピードアップさせるとされており、今定例会の提案理由説明においても、この課題を冒頭に挙げられていました。豪雨災害に対しても、抜本的な治水対策や土砂災害対策の推進と予算拡充を国と与党に対し、要望されたとのことであります。 私も防災・減災対策の推進には、とても賛同するところでありますが、治水・土砂災害のハード対策については、限られた予算の中では思うように進められないのが現状と認識しております。事前対応型の対策の強化に向けて、2019年度予算編成の中でどのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 7月の西日本豪雨災害などの教訓として、住民の防災意識の向上と避難情報の伝達方法などが課題として浮き彫りになっています。今回、住民の多くは、気象庁や自治体から避難情報が発表されても、自分だけは大丈夫だろうという考えから、結果として多くの犠牲者が出ることになりました。 また、大きな被害を受けた箇所は、ハザードマップで危険と指摘されていた範囲とぴったり重なっていたということです。 事前にある程度の被害想定ができていたとしても、住民の防災意識が低ければ、大きな被害を防ぐことはできません。また、避難情報の伝達方法にもまだまだ課題が残っております。 そこで、防災・減災対策にはハード対策のみならず、住民の防災意識の向上や避難情報の伝達方法などのソフト対策も重要と考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働問題についてお伺いをいたします。 知事は、柏崎刈羽原子力発電所については、引き続き3つの検証を進めていくとし、検証結果が示されない限り、原発再稼働の議論は始めることはできないという姿勢を堅持されています。 さらに、「検証の結果については、広く県民の皆様と情報共有するとともに、評価をいただき、その上で、リーダーとして責任を持って、結論の全体像を県民の皆様にお示しします」とされています。 私は、日ごろから県民の皆様に原発が抱える問題点について関心を持っていただき、結論の全体像をより深く理解していただくためにも、検証の過程から広く情報公開をし、共有していくべきと考えております。 県民との情報共有は、検証の結果のみならず、過程から共有すべきと考えておりますが、知事の御所見をお伺いいたします。 知事は、再稼働については、県民に信を問うことも含め、県民の意思を確認するプロセスが必要とされていますが、私は、原発の再稼働問題に争点を限定した知事選は好ましくないと考えております。知事の職務は多岐にわたっており、それらを総合した評価の上で知事は選ばれるべきであり、また、仮に知事選で信を問うとしても、再稼働問題に対する純粋な意思確認にはなり得ないと考えます。 また、住民投票にも少なからず課題があります。巻原発に関する旧巻町の住民投票の例では、町民が長年にわたり原発の問題に向き合い、深く理解した上での住民投票だったことに意味があります。それでも町を二分する騒ぎとなり、少なからず町民の間に感情的なしこりが生まれたことも否めません。 本来、エネルギー政策には国が全責任を負うべきであり、立地自治体の同意という国の責任逃れの結果、県民が感情的な争いに巻き込まれることがあってはならないと思います。 県民の意思を確認するプロセスについては、検証の過程から情報を共有した上で、原発が抱えるさまざまな課題に関する県民の理解度を定期的に調査をし、理解が深まった段階で知事が最終的に決断する手順もあるかと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 柏崎刈羽原発の周辺住民に対する民間の調査によりますと、原発事故の際、屋内退避することになっている原発から半径5から30キロメートル圏の住民の3分の1が、国の指示が出る前に避難を開始すると回答していることが公表されました。 国の指針では、半径5キロメートル圏の住民が先に避難することになっていますが、目の前で避難する人を見ながら、あなたは屋内にとどまっていてくださいと言われても、納得がいかないのは当然であります。 県は、安全な避難方法についての検証を行っていますが、この調査結果は、避難計画を策定する上で、住民の感情も考慮しなければならないことを示していると思います。 柏崎刈羽原発の安全対策については、住民が納得する避難計画の策定が急務であり、避難訓練も繰り返し実施していく中で避難計画の実効性を高めていく必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、活力ある新潟の実現についてお伺いをいたします。 知事は、所信表明で、「本県には、時代の荒波を乗り越え、100年を超える歴史を刻んできた企業が数多くあります。そうした土壌を持つ新潟県であればこそ、起業・創業に挑戦する方、事業拡大への挑戦など意欲ある中小企業や商店街、新たに農業に挑戦する方、まちおこし・地域づくりに取り組む方など、新潟でチャレンジする人を応援しながら、活力ある新潟県を目指すとともに、魅力ある多様な雇用の場を創出してまいりたい」と述べられています。 対して、米山前知事は、イノベーションにチャレンジする人や企業をふやしていくことが重要、そのため、経営の安定化に意を用いつつ、意欲ある企業の新たな取り組みを後押しすることにより、稼ぐ企業が一社でも多く輩出される環境を整え、そして働く方々が豊かになれるよう全力を挙げて取り組むとされていました。 産業政策については、これまでの政策の連続性を保つとともに、また一方では、効果検証をしっかり行うべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 産業の活性化について、さきの発言を比較しても、起業・創業や事業拡大への支援という点では、米山前知事時代の取り組みと大きな違いはないものと考えます。 これまでの取り組みより踏み込む点があるとすれば何かお伺いするとともに、起業・創業や事業拡大を支援した結果、県内経済全体に対し、どのような波及効果があると想定しているのか、知事の御所見をお伺いいたします。 泉田元知事は、みずからの産業政策を金の卵を産む鶏を育てると表現され、米山前知事は、さまざまな鳥がそれぞれの特徴と環境に応じて、金の卵はもとより、さまざまなよりよい卵を産む環境を丁寧につくっていくとされていました。 どのような理念を持って本県の産業政策を構築していくのか、知事の産業政策のイメージを一言であらわすとすれば、どのようなキャッチコピーになるのか、知事の御所見をお伺いいたします。もちろん鶏でなくても構いません。 次に、新潟ブランドを活用した地域経済の活性化についてお伺いをいたします。 知事は、本県の多様な農産品のブランド力を高め、国内外に浸透させていくことが必要であるとし、また、食品・清酒、金属・機械、繊維などの多様で高い競争力を持つ地域産業について、新潟ブランドとして国内販路の開拓や海外展開を支援していくとされています。このことは、さきの新潟のとがったものを磨いていくとの発言からつながる思いと受けとめております。 ブランド力の向上には、確かな技術力とともに、発信力の強化が重要であり、これまでの本県の弱みは発信力にあったものと私は認識しております。 そこで、新潟ブランドを活用した地域経済の活性化について、今後、農業や地域産業を初めとするそれぞれの分野について、どのようにしてブランド力を向上させ、国内外へ売り込んでいくおつもりか、知事の御所見をお伺いいたします。 この項の最後に、企業誘致の取り組みについてお伺いします。 これまで本県では、企業誘致に関するさまざまな優遇策を講じ、また、担当各課の熱心なセールス活動のたまものとして、件数については他県をしのぐ成績をおさめてきたと承知をしております。 しかしながら、地方創生のかなめとされていました本社機能の移転については、思うように進んでいないのではないかと感じております。支店や工場では、経済状況の変化によっては撤退による反動も懸念されるところです。安定した雇用や地域経済の底上げには、やはり本社機能の移転こそが期待されるところです。 そこで、初めに本社機能移転を初め、企業誘致における昨今の動向をどのように分析するかお伺いします。 また、企業誘致については、本県の産業特性に適した業種にターゲットを絞るなど、新しい視点も必要になると考えますが、今後の企業誘致の取り組み方針について、知事の御所見をお伺いいたします。 続いて、教育問題についてお伺いをいたします。 元気で活力のある新潟県を実現するためには、次代を担う子供たちの教育が重要と考えます。子供たちが伸び伸びと学ぶことができる教育環境を整えることが住んでよしにもつながり、若い世代の県外流出に歯どめをかけ、さらにはU・Iターンにも影響してくると考えます。 しかしながら、現在、教育現場には、さまざまな課題が山積しております。教育環境の改善は、教育委員会のみならず、知事部局、警察本部、さらには市町村、地域、PTAなどが連携して取り組む必要がある喫緊の課題と考えます。 初めに、知事は本県の教育現場を取り巻く課題をどのように認識されているかお伺いするとともに、知事として本県の教育をどのように特徴づけていく考えか、御所見をお伺いいたします。 本県では、いじめが原因と考えられる高校生の自殺が相次いでおります。県立高校の1年生が平成28年11月に自殺した案件について、第三者委員会、新潟県いじめ防止対策等に関する委員会第3号案件調査報告書によりますと、いじめ被害の相談を受けながら、必要かつ適切な措置を実施することができなかった学校及び県教委の責任を指摘するとともに、緊急事態と認識するよう求めています。 第三者委員会に緊急事態とまで言われるこの現状をどのように認識をされているのか。また、第三者委員会による事細かな提言がありますが、今後、教育委員会としてどのように対応していくのか、教育長の御所見をお伺いいたします。 子供たちの学校生活において、部活動が占める割合もかなり大きく、身体的・精神的に発達段階にある子供たちに大きな影響を及ぼします。 このたび、運動部活動実態調査及び運動部活動在り方検討委員会の議論を経て、中学校においては週当たり2日以上の休養日を設けることを原則とするなどの内容を盛り込んだ新潟県部活動の在り方に係る方針が示されました。 この方針については、2月定例会の一般質問において、全県横並びで実行しなければ実効性が保てないのではないかと懸念をお伝えしたところです。しかし、既に一部の市町村で対応が分かれ、保護者や子供たちに戸惑いが広がっているように見受けられます。 部活動の在り方に関する現状の認識と今後の取り組み方針について、教育長の御所見をお伺いいたします。 今夏の猛暑を受け、国や市町村では、学校へのクーラー設置の動きが加速しております。県立高校へのクーラー設置については、昨日の代表質問において、設置費用、維持管理費の問題があり、国や他県の動向を見ながら対応を検討するとの御答弁でありました。大変残念な答弁だと思っております。 学校現場では、子供たちの学習環境を少しでも改善しようということで、教職員を含むPTAがお金を出し合ってクーラーを設置し、管理しているのであります。 本県の子供たちの教育環境を思う気持ちがあれば、県庁や出先機関の冷房費を自費で賄い、学校に回すくらいの気概があってもいいのではないでしょうか。国や他県の動向ではなく、我が県の教育にかける熱意の問題ではないかと考えます。 高校を初め、県立学校施設へのクーラー設置についてどのような方針で臨むのか、教育長の御所見、また、御決意を改めてお伺いするところであります。 最後に、教職員の働き方改革について伺います。 学校教育の現場において、子供たちに最も大きな影響を与えるのは教職員との関係であります。いじめの問題も、部活動の問題も、教職員が児童生徒とどれだけ真剣に向き合えるかによって問題は深刻化することもあり、また、解決につながることもあると考えます。しかしながら、現在、教職員の多くは多忙をきわめ、児童生徒に向き合う時間的余裕がないのが実態であります。 教職員の多忙化解消については、これまでタイムカードによる出退勤時刻の管理などに取り組んでこられたことを承知しておりますが、それだけでは仕事を家に持ち帰るなどの隠れた残業を減らすことはできません。問題は、児童生徒のためという教職員の皆様の正義感ゆえの働き過ぎが問題であり、この現場の意識改革が最大の課題と考えます。 教職員の長時間労働対策の取り組み状況と今後の方針について、教育長の御所見をお伺いいたします。 子供たちにとって一生の思い出となる学校生活は、あっという間の期間であります。私たちが検討を重ねている間に、子供たちは学校を巣立っていきます。ぜひともスピード感を持って課題に対処していただけるようお願いを申し上げて、私の一般質問を終えたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 上杉議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、新潟県の住みよさと住んでよしとするための取り組みについてでありますが、住みよさについては、生活環境全体にかかわることであり、人それぞれで感じ方が異なると思います。私としては、本県の豊かな自然、恵まれた食文化や住環境、整備された交通網に加え、温かな新潟の県民性などが、住みよさを感じる要因になっているのではないかと考えています。 今後、より多くの方々から住みよいと感じていただき、住み続けていただくためには、自然災害に強い県土づくりや、健康で生き生きと暮らせる環境、働きやすく魅力ある多様な雇用の場、中山間地域における生活環境などをさらに充実することが必要ではないかと考えております。 そのため、これまでよりも一段加速した防災・減災対策や、健康寿命が全国トップクラスの健康立県の実現、県民が誇りを持って語れる新潟ブランドの構築など、安全に安心して暮らせる新潟県、地域経済が元気な活力のある新潟県に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。 次に、新潟暮らしの魅力発信についてでありますが、本県で暮らす魅力は、四季がはっきりとした自然や多様な生活・食の文化、豊富な温泉、各種歴史的遺産など、恵まれたさまざまな地域資源を思い思いに楽しめる上に、各地域に根差した仕事がある中で、都市部から農山漁村まで幅広く暮らしぶりも選択できるなど、多種多様であると考えております。 U・Iターンの促進については、これらの魅力をいかに情報の受け手の関心や意向にかなうように効果的に発信するかが重要であると考えております。 このため、これまでもインターネットの活用などによるきめ細かな情報の幅広い発信のほか、地場産業やアウトドアなど、毎回テーマを変えての小規模セミナーから市町村や団体と連携しての大規模フェアまで、都心における各種イベントの開催、都内相談窓口での的確な情報提供などに努めており、今後とも移住者増につながるよう、工夫を重ねながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。 次に、子育て支援の今後の方針についてでありますが、議員御指摘のとおり、子育て中の人やこれから子育てをしようとする人たちが安心して子供を産み育てやすい環境の充実を図っていくことは、重要と認識しております。 このため、市町村が地域の実情に合わせて取り組む施策や、地域で活動する団体・民間事業者等の取り組み促進など、多様なサービスの提供につながる重層的な支援を進め、社会全体で子育てを応援する機運の醸成に努めてまいりたいと思います。 次に、婚活支援の今後の取り組みについてでありますが、人口減少の大きな要因の一つである出生数の減少は、未婚化・晩婚化の進展がその背景となっていることから、結婚に対する支援は、人口減少対策として取り組むべき課題と認識しております。 県としましては、結婚を希望する人がその願いをかなえられるよう、市町村や民間事業者・経済団体等が連携・協働して実施するイベント等の開催に対する支援や、1対1の個別マッチングシステムの運営により、今後とも多様な出会いの場の創出を進めてまいります。 加えて、今年度から大学等でライフデザインセミナーを開催しており、こうした取り組みを通じて、若者が結婚や子育てと向き合うきっかけづくりの場の提供にも努めてまいりたいと考えております。 なお、「ハートマッチにいがた」の成果と課題については、福祉保健部長から答弁いたします。 次に、新潟市の都市機能向上に係る現状認識と今後の県の役割についてでありますが、7月に新潟県・新潟市調整会議を開催し、新たに策定した新潟市の都市デザインに基づき、新潟駅を中心とした都市機能の充実について、連携して取り組んでいくことを確認したところです。 新潟駅を含む新潟市の中心部は、本県の顔であると同時に玄関口でもあり、その魅力向上や利便性の向上は、本県の拠点性向上にも大きく寄与することから、平成35年度の新潟駅の連続立体交差事業等の完成を一つの契機として、都市としての魅力をさらに高めていく必要があると考えております。 今後も、それぞれの役割分担を踏まえながら、新潟西港の魅力創出と活性化などについては、県が主体となって事業推進を図るとともに、全体としても統一感のあるまちづくりを市と連携して進めてまいりたいと考えております。 次に、訪れてよしの新潟県についてお答えします。 まず、本県観光の現状認識と取り組みについてですが、本県には、自然や食文化、産業など多くの宝がありますが、個々に魅力を発信してきたことで、アピールポイントの明確性やストーリー性が弱く、観光振興に生かし切れていない現状にあるものと認識しております。 訪れてよしの新潟県の実現に向けては、キラーコンテンツを絞り込み、発信することで、新潟と聞けば食べ物がおいしく、人々の暮らしや文化も上質で豊かであるなどのブランドイメージを確立していくことが重要と考えております。 県では、来年秋のデスティネーションキャンペーンに向け、本県が誇る食文化を中心に、市町村、民間事業者などと一体となって観光コンテンツの創出・磨き上げを進めております。こうした機会も契機としながら、他県と差別化できる新潟ブランドを構築してまいります。 次に、観光政策の見直しの必要性についてでありますが、「うまさぎっしり新潟」は、本県の食の豊かさに加え、ものづくりの「匠さ」、おもてなしの「上手さ」をアピールするキャッチコピーとして一定の認知度がある一方で、多くの魅力をアピールすることでキラーコンテンツや新潟のブランドイメージが弱い現状にあることも事実であります。 このため、デスティネーションキャンペーンに向けては、新たに日本海美食旅、ガストロノミーをテーマとして、コンテンツの絞り込みやストーリー性のある観光資源の磨き上げに取り組んでいるところであります。 キャッチコピーを初めとした観光政策については、こうした取り組みの効果検証や関係者、旅行者の声なども踏まえながら、より効果が発揮できるよう柔軟に検討してまいりたいと考えております。 次に、平成29年の本県外国人宿泊者数の現状分析と今後の対応についてでありますが、議員御指摘のとおり、外国人宿泊者数の伸び率は18.1%と、全国平均の14.8%を上回ったものの、福島県は65.2%、群馬県は36.0%となるなど、本県を上回っております。 その要因としては、本県には他県に劣らず美しい自然、豊かな食文化、特色ある産業など多くの地域資源があるものの、現状はそれらが必ずしも生かされていないことが挙げられます。 そのため、本県が誇る食文化を中心に、地域に根差した文化・イベント、その他の地域資源とも組み合わせ、ストーリー性のある観光資源として磨き上げることで、他県と差別化できる新潟のブランドイメージを確立してまいります。 また、先般、韓国や中国へのトップセールスを行いましたが、今後とも積極的に実施するなど、観光プロモーションや情報発信を強化しながら、東アジア・東南アジアを中心に新潟のブランドイメージの浸透を図ってまいります。 加えて、航空路や鉄道等のネットワークの充実や、海外クルーズ船のさらなる誘致などに取り組み、海外からの旅行者の拡大を図ってまいります。 次に、フリーゲージトレインの導入断念による影響についてでありますが、北陸新幹線の大阪延伸に関しては、敦賀駅で新幹線と在来線との乗りかえが必要となることで利便性の低下は生じるものの、延伸自体への影響はほとんど生じないものと考えております。 また、日本海縦貫高速鉄道交通体系の構築に関しては、フル規格の羽越新幹線の実現には時間がかかることから、暫定的な構築手法としての導入が期待されていたものでありますが、残念ながら今回の断念により、選択肢が狭まったものと認識しております。 次に、新潟空港への新幹線の乗り入れ構想についてでありますが、現時点では、どのような検討を行うにせよ、首都圏空港の容量拡大施策による地方空港への影響や、今後のインバウンドの動向等に代表されるような不確実性のある前提条件を考慮しなくてはならないことから、検討の熟度がなかなか高まっていかないという問題があると感じております。 いずれにいたしましても、軌道系アクセスの整備は、空港の活性化やまちづくり、ひいては本県の拠点性の向上につながる効果的な手段の一つであることから、議員御指摘の費用と効果の観点も踏まえた上で、関係者との意見交換等を行いながら、さらに継続して考えてまいります。 あわせて、現在進めている既存路線の拡充や新規路線誘致、2次交通の整備などの短中期的に実行可能な取り組みにより、着実に航空利用者をふやすことで、できる限り早期に軌道系アクセスの本格的な検討を開始できるよう努めてまいりたいと思います。 次に、国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭開催に向けた準備状況などについてでありますが、議員御指摘のとおり、この文化祭の開催は、本県の文化をアピールする絶好の機会と考えております。 県では、これまで開幕500日前イベントや県内イベントでの巡回キャラバン、ホームページ等でPRに取り組んできたところであり、引き続き300日前イベントやカウントダウンボードの設置など、開催に向け、機運醸成を図ってまいります。 事業の具体化に当たっては、国や市町村と緊密に連携しながら、調整を進めているところであります。県や市町村、経済団体等で構成する県実行委員会で作成した実施計画案が、国実行委員会で承認されたことから、今まで以上にスピード感を持って準備に取り組んでまいります。 また、予算についても、事業内容を精査するとともに、企業などからの協賛もお願いしながら、必要額を適切に確保してまいります。 次に、安全に安心して暮らせる新潟県についてお答えします。 まず、治水・土砂災害のハード対策についてでありますが、近年、全国各地で数十年に1度と言われるような豪雨災害が頻発し、多くの人命と財産が奪われるなど、甚大な被害が生じております。 このような状況を踏まえ、防災・減災対策のもう一段の加速などが必要と考えており、先月、国などに対し、ハード・ソフト対策をあわせた抜本的な治水・土砂災害対策の推進と、そのための別枠での予算措置などについて要望したところであります。 県といたしましては、今後も機会を捉えて国等へ要望し、国の補助制度などを最大限に活用しながら、効果的なハード対策をソフト対策と一体的に進めてまいりたいと考えております。 次に、防災・減災対策についてでありますが、議員御指摘のとおり、西日本豪雨などの教訓として、住民の防災意識の向上や避難情報の確実な伝達などのソフト対策も重要であると考えております。 県といたしましては、災害時の情報伝達や住民避難等に関する対策を住民目線で見直すなど、市町村や関係機関と連携し、防災・減災対策に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、3つの検証に関する県民との情報共有についてでありますが、議員御指摘のとおり、検証内容について、県民の皆様と情報共有することは重要であると考えております。そのため、各検証委員会は原則公開で行うとともに、資料や議事録はホームページに掲載し、広く県民の皆様に周知しております。 次に、再稼働問題についてでありますが、原発事故に関する3つの検証の結果が示されない限り、原発再稼働の議論を始めることはできないと考えております。 県民の皆様の意思の確認については、まず、検証結果を広く県民の皆様と情報共有し、その上で、リーダーとして責任を持って、結論の全体像を県民の皆様にお示しします。そして、その結論を受け入れていただけるかどうかについて、県民の皆様の意思を確認するプロセスが必要であると考えております。 議員御提案の方法も、一つの方法とは思いますが、私は、現時点で決めているわけではありませんけれども、信を問う方法が最も責任が明確で、重い方法であると考えております。 次に、避難計画についてでありますが、議員御指摘のとおり、訓練を実施し、その中で明らかになった課題の解決に取り組み、その結果を適宜計画へ反映することを繰り返すことによって実効性を高めてまいりたいと考えております。 次に、元気で活力のある新潟県についてお答えします。 まず、産業政策の連続性と効果検証についてでありますが、経営規模が小さく、下請取引等を主流とする企業が多く、十分な付加価値や利益が得にくい産業構造や、開業率が全国水準よりも低いことなど、本県産業の構造的な課題に対し、長期的・継続的に取り組むことは重要と考えております。 一方で、経済社会環境の変化とともに、企業のニーズや経営課題も絶えず変化しており、それらに適切に対応できるよう、随時、県の施策も見直しながら精度を上げていくことも重要です。 そのため、毎年度、効果検証をしっかりと行いながら、その都度、必要な施策を実施することで、本県経済の活性化を図ってまいりたいと考えております。 次に、起業・創業や事業拡大への挑戦の支援強化などについてでありますが、これまで本県産業の高付加価値化に向けてさまざまな取り組みを進める中で、国内外でトップシェアを持つなど競争力のある企業が数多く育っている一方で、開業率が全国低位にあり、1人当たり県民所得も全国平均を下回っている現状にあります。 そのことを踏まえ、さらにあらゆる方々が挑戦しやすい環境づくりを進め、一歩踏み出す人や企業をふやしながら、稼ぐ企業を一社でも多くしていくことが必要と考えております。 そのため、経済界や金融機関、高等教育機関、市町村などと一層連携を深めることにより、挑戦する方を地域全体で応援する体制にするとともに、知恵を出し合いながら、ニーズに沿った産業政策を実施してまいりたいと考えております。 そうした中で、起業・創業がふえていくことは、地域で必要とする物やサービスの提供が維持・充実することで活力の向上につながるとともに、成長性のある新たなビジネスでの起業により、魅力ある雇用の場の創出と県民所得の向上につながるものと考えております。 次に、産業政策に関するキャッチコピーについてでありますが、産業政策の範囲は多岐にわたっており、一言で言いあらわすことは難しいと考えております。 その上で、私が考える産業政策を簡潔に言いあらわすならば、新潟をあらゆる方々が挑戦できる地にするとともに、新潟ブランドを国の内外に積極的に発信して新潟に人を呼び込むことにより、地域経済の活性化につなげるということだと考えています。 そうした中で、人と企業が集まり、誰もがやりがいや充実感を感じながら働くことができる、元気で活力のある新潟県を実現してまいりたいと考えております。 次に、農産品や地域産業のブランド力向上による販路開拓についてでありますが、本県にはトップブランドとして広く認知されている新潟米や、国の内外でのトップシェアや独自技術により高い競争力を持つ産地・企業が数多くあります。 これらを新潟の魅力である豊かな食文化や美しい自然などとともに効果的に発信し、本県の産地イメージを確立することにより、国内外への販路開拓につなげていきたいと考えております。 このため、農産品については、食味・品質を重視した生産を基本としつつ、需要に応じた安定供給体制を構築するとともに、流通事業者などと連携した首都圏での情報発信や国内外での宣伝・商談会の開催等に取り組んでまいります。 また、新潟清酒、金属製品、織物等の地場産品については、首都圏等での認知度向上に取り組むとともに、企業等が行う新商品開発や国内外の見本市への出展などを支援してまいりたいと考えております。 次に、今後の企業誘致の取り組み方針などについてでありますが、本県の企業立地は、国内景気の回復基調を反映し、着実に進んでいる一方、本社機能移転は厳しい状況にあり、また、人口流出が課題となる中、高い付加価値と良質な雇用を創出し、若者などにも魅力ある企業の誘致に一層取り組む必要があると考えております。 そのため、昨年度策定した地域未来投資促進法に基づく県基本計画において、高い技術を有する地域産業や豊富な天然資源など、本県の特徴を活用した11の産業分野を定め、重点的に誘致を働きかけるとともに、今年度、本社機能移転に対する県独自の優遇制度を創設し、支援策を強化したところであります。 本県といたしましては、県のすぐれた事業環境をアピールするとともに、各種支援策を活用しながら、積極的な誘致活動を展開してまいりたいと考えております。 なお、企業誘致の動向については、産業労働観光部長から答弁いたします。 次に、教育問題についてお答えします。 本県の教育現場を取り巻く課題等についてでありますが、議員御指摘のとおり、子供は地域の宝であり、教育は本県の未来をつくることにほかならず、そのために必要な資質・能力を確実に育成することが重要であると考えております。 本県の教育現場においては、重大事案が続発するいじめ問題への対応や、通学路を初めとする学校安全の確保、また、教育格差や特別な教育的ニーズのある児童生徒への対応、さらには教職員の多忙化の解消などの課題があると認識しております。 このため、安全・安心に学べる学校づくりを基盤とした、いじめ・自殺防止対策、子供や家庭の状況に応じたきめ細かな支援や多様な学びの場の整備などに重点的に取り組んでまいります。 また、通学路における見守り体制の強化や、教職員が児童生徒としっかり向き合える環境整備など、学校・地域・家庭が連携しながら、ともに子供を育む体制を整備してまいりたいと思います。 私といたしましては、これらを通して児童生徒一人一人が夢や希望を持って粘り強く挑戦し、未来を切り開いていけるたくましい人づくりを推進したいと考えております。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) お答えいたします。 1対1の婚活マッチングシステム「ハートマッチにいがた」の成果と課題についてですが、平成28年10月の運用開始からこれまでに約2,100人の会員に対し、1,100件以上のマッチングを行っております。昨年度末の成婚数は5組でしたが、一定の交際期間を経て、現時点で16組の成婚報告をいただいております。 課題としては、会員の7割近くを男性が占めていることから、女性会員の増加が必要と考えております。このため、女性比率が高い業界等との連携や、成婚者の声を紹介するなど、より具体的な情報の発信にも取り組んでいるところです。   〔産業労働観光部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働観光部長(橋本一浩君) お答えいたします。 企業誘致の動向についてですが、平成30年6月時点における東京23区から地方への本社機能移転の実績は、本県においては1件、全国でも20件にとどまっている状況であります。 本社機能の移転が進まない背景として、企業からは、首都圏での取引関係の維持や人材確保、移転費用の増加等が課題であると聞いております。 一方で、本県の工場立地件数は、平成29年は34件、全国順位は9位と、近年は同程度の水準を維持しており、東港工業地帯や中部産業団地の分譲が完了するなど、県営産業団地等の分譲も進んでおります。 総じて、景気回復に伴う需要拡大に対応するための新規立地や、省力化など生産設備増強等への投資が着実に進んでいるものと考えております。   〔教育長池田幸博君登壇〕 ◎教育長(池田幸博君) 4点についてお答えいたします。 いじめ問題の現状の認識と今後の対応についてですが、議員御指摘のとおり、今月、教育委員会に提出された報告書の指摘や提言、児童生徒にかかわるいじめ重大事態や自殺事案の発生を踏まえ、現状を緊急事態と認識をしております。 県教育委員会といたしましては、学校いじめ対策組織の点検、見直しと教職員の意識改革、生徒、保護者と一体となったいじめ対策の強化などを喫緊の課題と捉え、先日開催した臨時校長会で、全県立学校にいじめ対策総点検の早急な実施を指示したところです。 今後、この総点検を踏まえて、全県立学校のいじめ対策の見直し、改善を行うとともに、各種教育プログラムの作成・活用などを進め、学校、保護者、教育委員会が一体となって、いじめから生徒を徹底して守る体制の再構築に努めてまいります。 次に、部活動の在り方に関する現状の認識と今後の取り組み方針についてですが、現時点で各市町村の設置する学校に係る部活動の方針の策定状況は、30市町村中15市町村で策定済みであり、残りの市町村につきましても今年度中の策定に向け、取り組んでいるところです。 各市町村が策定した部活動の方針は、生徒のバランスのとれた健全な成長の確保や教員のワーク・ライフ・バランスの実現等に配慮し、休養日の設定や活動時間など、県の示した基準と同程度もしくはそれ以上となっております。 市町村教育委員会への調査からは、大会日程との関係で週休日の活動が求められるケースや、各学校により部活動の活動状況や活動実績などがさまざまであり、保護者との合意形成が難しいことなど、方針どおりの実施に課題があると認識をしております。 今後、こうした課題を踏まえながら、年間部活動計画のモデルパターンの作成や、競技団体等に対し、大会数の日程の見直しを働きかけるなど、部活動方針に沿った効果的な部活動の推進を図ってまいります。 次に、県立学校へのクーラーの設置の方針についてですが、高等学校については、これまで静穏な環境の確保や室温管理、周辺住民への配慮が必要な保健室、情報処理室、音楽教室などに設置してきたところです。 一方で現在、普通教室にクーラーが設置されていない学校が13校あり、猛暑時における生徒の健康に配慮する観点から、通常授業にも活用できる多目的教室など特別教室等についても、各学校の実態に応じて整備してまいりたいと考えております。 また、特別支援学校につきましては、児童生徒の健康に配慮しながら、障害の程度に応じて単独学級での授業が展開できるよう、必要な教室の整備を各学校の実態に応じて進めてまいります。 次に、教職員の長時間労働対策の取り組み状況と今後の方針についてですが、議員御指摘のとおり、業務時間の削減は、教職員一人一人がタイムマネジメントを意識しながら業務改善を行うことは重要であると考えております。 このため、県教育委員会では、時間外勤務1割以上の削減等を目標に、業務改善と意識改革を促す取り組みを進めており、全体として長時間勤務者の割合は減少してきております。また、小学校大規模校を中心に配置したスクール・サポート・スタッフについては、教員の事務負担の軽減が図られているとの報告もあります。 あわせて、部活動指導員を中学校、高校47校に配置したほか、現在、県立高校ではモデル校4校においてタイムカードの導入や留守番電話の設置などを実施しており、今後その効果について検証してまいります。 さらに、市町村教育委員会等と働き方改革検討協議会を開催し、研修制度の見直しや教員の配置のあり方に加えて、統合型校務支援システムの導入・有効活用などについても検討しているところです。今後も市町村教育委員会と多忙化解消に向けた課題等を共有しながら、より実効性のある具体的な取り組みを一体となって推進していきたいと考えております。   〔上杉知之君登壇〕 ◆上杉知之君 1点だけ再質問をさせていただきたいと思います。 安全に安心して暮らせる新潟県について、防災・減災対策のスピードアップに関してであります。 知事が政府与党に対して、別枠での予算要望をされたということは、非常にいいことだと思うのですけれども、これは結局、国の予算頼みのところもありまして、これが実現すればいいのですけれども、現状の県土木部の予算の中でも精いっぱい復旧並びに減災対策に取り組んでいるところだと思うのですが、これを、さらに防災・減災対策を予防的な観点で進めるということは、何かしらの予算の組み替え等が必要になってくるのかなというふうに思っております。 今、県の予算の中でやりくりをするとすれば、どのような方策があるのかなと気になったところでございますので、お考えがあればお伺いしたいと思います。   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 防災・減災対策について、一段と加速をさせて、高いレベルで取り組んでいく必要があるという認識は、るる申し上げてきたとおりであり、そのとおりなのですけれども、これをどういう形で実現していくか。財政も大変厳しい状況が出てきておりますので、来年度予算の編成の中で工夫をしてまいりたい。現時点では以上であります。 ○議長(沢野修君) 上杉知之君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。  午前11時55分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後1時 開議 ○副議長(岩村良一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、小島隆君の発言を許します。小島隆君。   〔小島隆君登壇〕(拍手) ◆小島隆君 自由民主党の小島でございます。順次、質問させていただきます。 昨日、三越閉店というニュースが飛び込んでまいりました。まことに残念なことであります。大和の閉店に始まって北光社、それからラフォーレの撤退ということで、新潟の中心市街地は目を覆うばかりであります。どうしてこうなったのかと、なぜこうなったのか、本当に思います。やはり篠田市政16年のあり方について、この機に問い直して、その評価をするということが大変重要ではないかと思います。 そこで、まず知事に篠田市政の16年間を振り返り、さまざまな評価がありますけれども、新潟市政についての知事の評価をお伺いしたいと思います。 三越が撤退するのは、まことに残念でありますけれども、三越が撤退したまちでも、その跡地について工夫、アイデアで活性化した事例もあります。鹿児島のマルヤガーデンズ、小林百貨店と同じように地元の丸屋というデパートが撤退した後、三越が入り、その後2009年に三越が撤退してしまいました。そのマルヤガーデンズには、名前が変わっていますけれども、コンセプトや業態を変えて、今や当時をしのぐにぎわいを見せている、そういう事例もあります。 したがって、三越がなくなったことは残念でありますけれども、これをピンチをチャンスと変えて、この新潟のまちづくりをどうしていくか、これからの重要な課題であると思います。 それについては、10月に新潟市長選挙が行われます。したがって、この新潟中心市街地だけではありませんけれども、こうした問題、これまでの課題について、どう評価して取り組むかということが、恐らく各候補にとっても重要な問題提起になると思います。 知事は、8月下旬の記者会見において、新潟市長選への対応を聞かれ、しばらくは動静を見守りたいと発言されていますが、その後、各候補の主張も新聞等を通じ、報道されています。 今後どのような論点を踏まえ、いずれかの候補者の支援を決められるのか、知事のお考えをお伺いいたします。 現在、知事は、篠田市長と県・市調整会議を通じ、本県の拠点性向上や新潟市のまちづくりについて議論し、良好な関係のもとに連携した取り組みを進めていると理解しています。また、知事は、25日の所信表明でも、市と共同で策定した都市デザインの具体化など、新潟駅を中心とした都市機能の充実について、県と市が連携して取り組んでいくと述べておられます。 新潟市長選後に新たな市長がかじをとる新潟市との連携にどう対応していくのか、知事の姿勢をお伺いいたします。 新潟州構想については、当初の県と市の合併という制度的な問題提起から、県と市の間の二重行政に関する具体的な課題解決へと議論が移りました。その後も県・市調整会議等の場を活用し、議論を深めてきたと思いますが、今後は、どのような方針で協議を継続していくのか、あるいは継続しないのか、知事の所見をお伺いいたします。 新潟空港の軌道系アクセスについて、新幹線乗り入れは県の担当すべきことで、モノレールなど主として市民のためのアクセスであれば新潟市が主体的に整備すべきというのが、泉田知事時代の県の考えでありました。軌道系アクセスを議論する場合、新潟空港への軌道系アクセスによる利便性向上は、県と新潟市の共通の目的であると考えます。 したがって、この議論には県と新潟市がともに加わり、共通の事業として協働して進めるべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 新潟市長選の論点の一つになっているBRTは、導入から3年が経過しました。導入後、新潟市内のバス交通がどのように変化したと考えるか伺うとともに、BRT導入に係る市民の評価はさまざまでありますが、BRTの効果について、知事の所見をお伺いいたします。 BRT導入時は、中央区内に現在のBRTの路線を延長して、新潟駅を通過して弁天橋を通り、ビッグスワンスタジアム、新潟市民病院、女池インターを経て県庁、千歳大橋から白山駅という環状線が計画の俎上に上がりました。 また、交通システムとしては、BRTのほかにLRT、路面電車あるいはモノレールが候補に挙がりましたが、結果、費用面、それから道路状況などから、新潟市はBRT導入を決断したというふうに理解しています。篠田市長の当時の説明によれば、新潟駅の高架化が完成したときには、BRTからLRTへの移行も検討するとのことでありました。 今後は、車社会からの転換、車に頼らず、老人も観光客も交通難民であります。観光客も簡便にわかりやすく移動でき、環境や健康にも優しい公共交通を本格的に導入することによって、よりコンパクトなまちづくりを積極的に検討していくべきと考えます。 新潟市においても、現行のBRTにこだわることなく、当初検討したように、LRTやモノレールの導入等についても再検討すべきと考えますが、県としての交通政策的な観点から、知事の所見をお伺いいたします。 7月下旬の記者会見において、記者から中心市街地の再開発に関するイメージを問われ、知事は持論として、朱鷺メッセとピア万代をもっと人の動線がスムーズに動くよう工夫ができないかと発言されたと承知しています。知事のイメージを具体化する場合、どのような取り組みが必要になると考えておられるのか、知事の所見をお伺いいたします。 県では、新潟西港万代島地区のにぎわい創出のビジョンの策定のため、国の補助制度を活用して調査・検討を行うと仄聞しています。今後は、新潟西港・水辺まちづくり協議会等の意見も踏まえ、年度内にビジョンを策定する予定とのことですが、現在の調査・検討の進捗状況についてお伺いいたします。 6月定例会において、交通渋滞による経済損失を問われ、土木部長は、年間約6万人に相当する労働力が交通渋滞によって失われていると答弁されました。特に新潟市は人口も多く、国道8号、116号、403号を初め、交通渋滞が慢性化しています。 近隣市町村からの出入りの人口も考えれば、県内全域への産業・経済への影響も大きいため、渋滞緩和のための新潟中央環状道路の整備を初め、新潟市をめぐる道路の整備方針について、しっかりと県もかかわりながら進めるべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 新潟駅の新幹線・在来線同一ホームがことしの4月15日に完成し、供用が開始されました。これにより鉄道利用の利便性が向上し、本県の拠点性向上につながるものと考えます。一方で、一部の関係者からは、乗りかえ利便性は向上するが、乗客が単に通過してしまうだけといった指摘もあります。同一ホーム乗りかえの効果と課題について、知事の所見をお伺いいたします。 新潟駅の高架化は、それ自体が目的ではなく、高架化によってどのようなまちづくりをするのかが重要であると考えます。高架化及び新潟駅の完成に伴う道路網の整備やまちづくりの方向性について伺うとともに、新潟駅を中心とした周辺開発の可能性について、知事の所見をお伺いいたします。 新潟駅は、高架化に伴い、空港、佐渡航路や観光地などとつながるバスや鉄道など、また、新潟市域内での交通網を含めた交通の重要な結節点となります。新潟駅の高架化により、新しい新潟駅が果たす交通の結節点としての機能や役割について、知事の所見をお伺いいたします。 鳥屋野潟南部開発に係ることしの2月定例会での議論で、当時の知事からは、まちづくりの主体である市などの意向を踏まえ、暮らしやすさや利便性の向上、本県の拠点性向上に資するよりよい計画となるよう、3者、県と市と亀田郷土地改良区ですけれども、3者で議論していくとの答弁がありました。議論の状況を伺うとともに、同地区の開発の方向性に関する知事の考えをお伺いいたします。 次に、新潟空港の活性化について伺います。 空港の活性化については、活性化とは何かと、そのあり方といいますか、その方向性が変わりつつある、あるいは変わらねばならないと考えています。 つい最近ですが、伊丹空港を利用しましたけれども、一緒に同行した女性陣が伊丹であれがうまい、土産に何を買って帰るというような、単に飛行機に乗る施設ではなく、ショッピングや飲食を楽しむ場所として、空港をエンターテインメントの場として楽しんでいるように感じました。もちろん空港に限りません。東京駅を初め、主なJR、私鉄の駅でも、まさに小さなテーマパークのようであります。 駅や空港が、単に輸送拠点から人々がそこでの滞在をエンジョイできる場所に変わりつつある。言いかえれば、そういうふうに変わり得た交通拠点がにぎわっている、活性化しているのではないかと感じています。 翻って新潟空港です。新潟空港の活性化を議論するときに、新潟空港も単に飛行機に乗りおりするところからエンターテインメントの拠点としての将来のあり方を模索する日が来ているように思えます。 軌道系アクセスが議論になっていますけれども、こうした観点から、空港が単なる通過拠点ではなく、そこで過ごすことを楽しめる場所になるという発想の転換も必要な時期に来ているのではないでしょうか。 6月定例会の新潟空港の民営化に関する質問で、知事は、民営化について引き続き調査・研究を進め、その結果、可能性が確認できれば検討協議会等を立ち上げ、本格的な検討に移行したいと答弁されました。民営化について、慎重に検討していかれるということと思われますが、民営化の第1号である仙台空港のケースでは、宮城県が検討会議を立ち上げるなど、イニシアチブをとって検討を進めたと聞いています。 まず、県が新潟空港の民営化を目指す意思を固め、ディベロッパーなどから積極的に意見を求め、検討することもできると思いますが、知事の所見をお伺いいたします。 さて、今春から運航を開始したLCCですが、最近も搭乗率は好調に推移していると聞いています。 まず、ピーチ・アビエーション株式会社によるこれまでの搭乗実績、搭乗者の傾向についてお伺いいたします。 県は、就航に伴って2次交通の充実に努めてきましたけれども、その整備状況や目的先の県内での各観光地への影響についてお伺いするとともに、今後のLCCの新たな就航の可能性についても、あわせてお伺いいたします。 LCCが新規就航を考える上で最も重視するのは、採算性であると聞きました。LCCのさらなる誘致については、利用者の需要や将来に向けた地域のポテンシャルはもちろんのこと、空港でのコスト軽減も重要な視点であることから、貨物・給油等の地上支援業務、いわゆるハンドリング経費や空港ビルに支払われる空港施設使用料等の軽減が必要と言われています。 そうした受け入れ体制の利点を打ち出して他空港との差別化ができれば、LCC誘致に有効であると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 ことしの7月に、A滑走路の安全対策工事の実施に対する地元意向を調査する県主催の会議が開催されたということであります。これによると、A滑走路はヘリの離着陸は多いが、航空機は年数回しか利用がなく、B滑走路で代替可能できる。また、ビジネスジェットの受け入れや航空関連などの産業誘致など、A滑走路や周辺用地を活用した活性化構想があることから、A滑走路の存続を望む意見は余りなかったと聞きました。 11月にも対策工事に対する地元の意向を取りまとめ、管理する国へ伝えるとのことですが、知事は、A滑走路の今後のあり方についてどのように考えているか、所見をお伺いいたします。 万が一A滑走路が廃止され、その場合でもB滑走路への誘導路としての機能は残す必要があるかと思いますけれども、廃止されれば不要な用地が広がり、これまでの周辺地とあわせて新たな産業用地あるいは商業用地としての活用も考えられるかもしれません。慎重に検討する必要があるかとは思いますが、一方で、大胆な考え方もまた必要かと思います。積極的な検討を望みたいと思います。 佐渡空港の2,000メートル化が計画されてから随分たちますが、地権者の同意が得られず、実現への道のりは厳しいと認識しています。現在の滑走路長では、就航できる機材が搭乗者数の少ないものに限定されるため、運航収支等の観点から就航を決断する航空会社も少ないと考えられます。 こうした中で、つい最近ですが、航空機メーカーのATR社、これはフランスのエアバス社の子会社ですが、この会社がターボプロップ機で、つまりプロペラ機ですけれども、滑走路の長さが800メートルで離着陸ができ、約40名が搭乗可能な飛行機を現在開発していると聞きました。 もしこのタイプの飛行機が開発され、こうした機材の導入を県が後押しすれば、新規就航を目指す航空会社を発掘することができるかもしれません。そうなれば、佐渡の空港滑走路延長問題に風穴があき、佐渡航空路の再開にも活路を見出せるかもしれません。 佐渡空港問題の解決、さらには佐渡航空路再開に向けたATR機導入の可能性について、知事の所見をお伺いいたします。 また、こうした小型機は、かつてあった仙台便の復活のみならず、金沢などの近距離空港への就航の可能性を広げることになるとも考えられます。新潟空港の活性化につながることは間違いありません。 また、このサイズであれば、ロシア極東への定期便の復活にも寄与するかもしれません。夢は膨らむわけですから、県によるATR機の積極的な後押しを期待したいと思います。 次に、ロシアとの経済交流について伺います。 私自身は、ウラジオストク、ハバロフスクに初めて訪れたのは28年前であります。まだソ連からロシアに変わったころで、ウラジオストクは閉鎖都市でありました。 28年の間、何回か訪問しましたけれども、結局のところ、ロシアとの交流は、友好、教育、観光などの限られた範囲でしか交流は進みませんでした。とりわけ経済交流は、ERINAが両都市とのビジネス交流協議会を立ち上げ、経済交流を促進しようとしましたけれども、思うような成果が上がりませんでした。 そんな中、APECウラジオストク開催を機に、プーチン大統領による極東開発に力が注がれるようになり、呼応して安倍総理がロシアへの経済援助を8項目から成る具体的な目標を掲げて、ロシアとの経済協力を強化したのは御案内のとおりであります。毎年9月にウラジオストクで開催される東方経済フォーラムには、安倍総理が連続して3年参加され、プーチン大統領とも現地で会談を重ねています。 こうした情勢のもと、本家本元である新潟もおくれをとるわけにはいきません。数年前から有志でロシアとの交流を進めてまいりました。特に、経済交流に力点を置いてきたわけでありますけれども、そんな中で、やっと一つの成果が生まれることになりました。 それは、ことしの5月、ロシア極東地域から牧草を輸入するための衛生条件が2カ国間で合意されたことであります。昨年の1月に参議院の予算委員会で片山さつき議員が質問されて、このことを問いました。当時の世耕経済産業大臣、それから当時の山本農林水産大臣が、新潟がこうした取り組みをしてくれることは大歓迎であって、政府としても全面的に協力するという答弁がありました。 その後、こうした国の協力もあって、この合意がなされたわけであります。ただ、まだなされたといっても、現地で加熱消毒等を行う施設の設置など、幾つかの条件が残っています。 今後、ロシアからの牧草輸入実現のためには、県としても何らかの支援が必要と考えますけれども、知事の所見をお伺いいたします。 具体的な県の支援についてでありますけれども、両国の合意の中の条件の一つに、現地で口蹄疫が発生していない証明などが必要になりますけれども、これは現地の沿海州政府あるいはロシア政府そのものが発行するわけで、こうしたロシア行政当局のスムーズな事務処理などの協力について、県としてもぜひ積極的に働きかけていただきたいと思っています。 牧草をきっかけに極東ロシアとの経済交流を深化させるため、さらに県の積極的な協力をできればお願いしたいと考えています。 ことし11月に、ウラジオストクで本県も参加する日本文化紹介イベントが開催予定と聞いていますが、このイベントの概要を問うとともに、この機に知事がロシアを訪問されたらと考えます。知事のロシア訪問の可能性について、知事のお考えを伺いたいと思います。 さて、日本海横断航路事業は頓挫してしまいましたが、ロシアからの牧草輸入が実現して取引量がふえてくれば、牧草がベースカーゴになる可能性があります。この点については、昨年2月定例会での連合委員会でも、その数値について紹介させていただきました。新潟県への牧草の輸入は年間2万トンでありますけれども、もし全量がロシアから輸入されるとなると、量的には20フィートコンテナ、3,000本に相当します。 牧草のみならず、木材チップですとか、コーンサイレージなど新たな輸入品目がふえてくれば、県が船を購入しなくても、民間事業者による横断航路の開設が行われる可能性があると思いますので、知事の所見をお伺いいたします。 次に、環日本海経済研究所と北東アジア国際観光フォーラムについて伺います。 ERINAについては、もう説明の必要もないと思いますけれども、ことしで創設25周年を迎えるそうであります。10月には、記念のシンポジウムがあるというふうに伺っております。私も創設当時からERINAの主催する国際会議、北東アジア経済会議イン新潟に参加させていただきました。 また、ERINAがこれまで世界に対して発表されてきた研究論文も大変多彩で、世界中あるいは北東アジアから、あるいは県外から揺るぎない名声と評価を得てきたところであります。 私の過去の議会質問においても、関連して幾つかERINAに関して質問させていただきました。その研究対象の中で、観光問題の取り扱いについては、ERINAは比較的消極的であったということを指摘したことがあります。 大分、年月もたちまして、この前の東京で行われたERINAの主催するシンポジウムでは、今の代表理事が基調講演され、その中でERINAが取り組むべき課題として、一番に北東アジアでの観光協力を取り上げておられました。 今後は、ERINAとして本県の重要課題である観光問題を、北東アジア地域との交流を踏まえ、専門機関としてどのように調査・研究、情報発信をしていくつもりか、所見をお伺いいたします。 13年前ですけれども、私が県の職員だったときに、観光のセールスで大連、ソウルを訪問させていただきました。現地の双方の駐在事務所にもお邪魔して協力いただきましたけれども、当時は、どちらの事務所も観光は事務所に課せられたミッションではないと、こう言われて驚いたことがあります。 一方、ERINAでも先ほど申し上げたとおり、環日本海経済研究所という日本名ですけれども、経済研究所なのですが、観光は経済ではないと、学問ではないというような風潮があったような気がします。 私は今、北東アジア国際観光フォーラムという北東アジア各国での観光交流を深めるための国際会議に携わっています。頭文字をとってイフナットと呼んでいますが、このフォーラムは、ERINAが観光に対して消極的な雰囲気の中で、それでもERINAの人脈をベースにしながら、ERINAからスピンアウトした形で、新潟を中心とした観光関係者の中で生まれたフォーラムでした。 これまでこのIFNATは、北東アジアの中国、韓国、ロシア、モンゴル、そして日本と持ち回りで開催され、ことしは8月に大分で13回目を開催したところです。 このIFNATは、これまで県、ERINAから一定の協力をいただいてまいりましたけれども、今後は、ERINAが観光問題に取り組むと同時に、こうした民間による国際観光ネットワークをさらに広げていくために、県は一層の支援を行っていただきたいと願っているわけでありますけれども、知事の所見をお伺いいたします。 最後に、県政の諸課題について、ランダムに2問お伺いいたします。 初めに、子供病院に関して伺います。 がんを含む小児難病などを患う子供を対象に、高度医療、専門的な医療を提供する子供病院は、本県において未整備となっています。 平成28年2月定例会で、子供病院に関する質問がありました。この質問に対して、地域の限られた医療資源を有効活用するには、小児医療分野における深刻な医師不足なわけですけれども、その地域の病院などが機能を分担し役割を果たしていくことが重要で、まずはその地域における合意形成が必要との答弁がありました。 しかし、がんなどの難病を患う子供やその親にとって、子供病院のような専門医療施設は心強いわけで、安心して子育てできる環境整備を早期に望む県民の声は多いと考えます。子供病院の整備について、知事の所見をお伺いいたします。 最後に、県内における経済活性化の一手段として、キャッシュレス化推進に関して伺います。 政府においては、日本再興戦略を初め、さまざまな場でキャッシュレス推進の方針が打ち出されていて、本年の4月には、経済産業省でキャッシュレス・ビジョンも示されたところです。 キャッシュレス推進は、実店舗等の無人省力化、不透明な現金資産の見える化、流動性の向上などのほか、支払いデータの利活用による消費の利便性向上や消費の活性化等、さまざまなメリットが期待されています。 一方、県内での現在の実態を見ると、キャッシュレスの現状を示す一つの指標である小売業におけるクレジットカード決済比率を見ると、本県は16位であり、必ずしも進んでいるとは言えない状況です。県内でキャッシュレス化を今後進めていくことは、県内消費を拡大させ、県内経済の活性化につながると考えています。 もちろんキャッシュレスは決済手段でしかないため、単に推進することを目的とするのではなく、あくまで県内消費の拡大、県内経済の活性化につなげていく仕組みづくりが重要であると思われます。 具体的には、キャッシュレス化の一つの仕組みとして、県内店舗等で優遇が受けられる電子マネーを地域で流通させ、そこから得られる消費者行動や消費パターン、サービスの利用頻度などをビッグデータとして分析、活用し、こうしたことで新たな商品開発やビジネスの創出につなげることができれば、県内経済の活性化に有効と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 世界の急速なキャッシュレス化の中で、日本は大きく立ちおくれており、これが生活利便性の改善機会を失うという側面だけではありません。新たなIT産業革命の嵐の中で、アマゾンや中国のアリペイ、日本のソフトバンクに金融機関までが入り乱れてデータ獲得競争を行う中で、これを傍観していては、新潟県の経済活動の情報が他国資本、他県資本に食い荒らされる危機でもあります。 また、電子決済から得られるデータは、マーケティングに使われるだけではありません。例えば交通系のりゅーとカードなどに電子マネー機能を持たせれば、人々の移動データや消費データを蓄積・分析することによって機能的・効率的なバス交通網が再編でき、地域の交通問題の解決にも効果を発揮することができるのではないでしょうか。あるいは個人の所在地データとして活用すれば、災害時の救援に役立てることができるかもしれません。 さらに、インバウンド活性化の観点からは、得られるデータを分析することによって海外観光客の嗜好がわかり、また、新潟観光コンテンツの改善につながり、リピーターをふやすことに貢献するかもしれません。 県としては、今後はキャッシュレス化の推進について、県内経済の活性化のみならず、交通問題解決、災害時の救援などにまで視野を広げてしっかり取り組んでいただくよう要望して、私の一般質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕
    ◎知事(花角英世君) 小島隆議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、篠田市長による新潟市政の評価についてでありますが、篠田市長は、本州日本海側初の政令指定都市誕生に力を尽くされ、その初代市長として、地域のさらなる発展のための基礎を築かれました。 また、サミットやAPECの大臣会合など、ハイレベルな国際会議の開催による国際都市としての知名度向上、公共交通網の再編による持続可能な公共交通の推進、特区の活用等による農業の高付加価値化など、政令指定都市・新潟の発展に取り組んでこられたものと考えております。 その一方で、市の拠点性の向上、中心市街地の活性化や行財政改革などは道半ばであると市長御自身もおっしゃっており、今後の課題として次期市長に引き継がれるものと考えております。 次に、新潟市長選での論点と候補者の支援についてでありますが、篠田市長も今後の課題として挙げられている市の拠点性の向上や中心市街地の活性化に向けた政策については、市民の関心事の一つになるのではないかと考えておりますが、知事の立場から市長選における論点等を表明することは適切ではないと思いますので、控えさせていただきます。 また、市長選における候補者の支援については、現時点で何も決めておりません。 次に、市長選後の新潟市との連携についてでありますが、新潟市は、県内人口の約3分の1以上を占める県内唯一の政令指定都市であり、空港や港など、さまざまなインフラが集積する本県の顔でもあります。 市長選後においても、新たな市長と積極的に対話を図り、県・市の間のさまざまな課題について、県民・市民のために協力して取り組むとともに、新潟県全体の発展に向けて連携を一層強化してまいりたいと考えております。 次に、県・市調整会議の今後の方向性についてでありますが、この会議では、これまでの二重行政などの課題解決に加え、昨年からは、より発展的な政策連携についても議論の対象とすることとし、現在、新潟市の都市機能の向上をテーマとして取り組んでいるところであります。 今後も、法定の会議の本来の目的である二重行政の解消や役割分担の明確化などのための協議の場とすることはもちろん、県全体の活性化にかかわるテーマで、市と連携して取り組むことが必要なテーマについての協議の場としても積極的に活用してまいりたいと考えております。 次に、新潟空港への軌道系アクセス整備に係る県と新潟市の協働についてでありますが、軌道系アクセスの整備は、空港の利便性向上や活性化はもとより、まちづくり、ひいては本県の拠点性の向上につながる効果的な手段の一つであると考えており、その整備によりもたらされる効果は、議員御指摘のとおり、県と新潟市の共通の目的にもなり得るものと考えています。 そのため、軌道系アクセスの議論については、これまでもさまざまな会議において、新潟市とともに議論を進めてきたところであり、今後も、県と市の役割分担も踏まえつつ、可能な限り連携を図りながら、空港アクセスの改善に取り組んでまいりたいと考えています。 次に、BRT導入による新潟市内のバス交通の変化などについてでありますが、BRTは、新潟市が検討委員会での議論を踏まえて導入決定したものでありますが、公共交通への誘導策としては、一定の効果があったものと受けとめております。 利用者の方からは、乗りかえが生じて不便になったなどの声がある一方で、運用2年目の利用状況は対前年比で増加に転じ、また、郊外路線の増便や新設も進むなど、プラス面での変化も生じているものと認識しています。 次に、LRT導入等の再検討についてでありますが、LRTやモノレールなどの導入については、都市内交通に関する検討課題であることから、一義的には新潟市において、BRT導入後の需要の動向なども踏まえ、検討いただくべきものと考えております。 なお、市における新たな交通システムの導入検討の際、市の検討委員会において、LRTやモノレールは、事業採算性や公的負担額の観点から、さらなる需要を確保することが必要との指摘があり、当面はBRTの早期導入を目指すとともに、その後の環境の変化を踏まえ、LRTへの移行など、次のステップについて判断するという提言がなされたと承知しています。 次に、朱鷺メッセとピア万代との動線確保についてでありますが、両施設を周遊できることは、万代島地区のさらなるにぎわい創出につながるものと考えています。 現在、万代島地区の将来ビジョン策定に取り組んでおり、この中で、両施設間をスムーズに移動できるような方策についても検討してまいりたいと思います。 検討に当たっては、多くの関係者もおられることから、丁寧に進めていくことが必要であると考えており、まちづくりの主体となる新潟市と協働で、知恵を出し合いながら、さまざまな可能性について検討してまいりたいと思います。 次に、新潟市をめぐる道路の整備方針に対する県のかかわりについてでありますが、新潟市は、県都として本県の拠点性の向上に大きな影響力を持つことから、国・県・市が連携して新潟市内の道路についてかかわっていくことが重要であると考えています。 県といたしましては、現在、国や新潟市などとともに新潟県幹線道路協議会において、新潟市内の道路も含めた県内の広域道路ネットワークの強化などについて議論を進めているところであり、本県の拠点性の向上に向け、連携して取り組んでまいりたいと考えております。 次に、新潟駅同一ホーム乗りかえの効果と課題についてでありますが、上越新幹線と特急「いなほ」の乗りかえ時間が短縮するなど、新潟駅から県北地域、山形、秋田へのアクセス利便性が向上することで交流人口が拡大するとともに、上越新幹線の利用増も期待されるなど、議員御指摘のとおり、本県の拠点性が向上するものと考えております。 一方で、アクセス利便性の向上に伴い、多様な選択肢が生まれる中、いかに本県に立ち寄っていただくかも課題であり、本県の魅力をさらに高めていく必要があります。 県といたしましては、新潟ブランドの磨き上げに取り組むとともに、新潟県・庄内エリアデスティネーションキャンペーンにおいて、同一ホーム乗りかえを活用した周遊ルートの発信に取り組むなど、交流人口の拡大につなげてまいりたいと思います。 次に、新潟駅の高架化に伴うまちづくりの方向性などについてでありますが、新潟駅周辺整備事業は、新潟市が事業主体となって進めており、高架化により道路網や広場の整備を進めることで、鉄道横断部の交通混雑の緩和と鉄道を挟む南北市街地の一体化が図られ、都市機能の集積が進展していくものと考えております。 また、高架駅が第1期開業した現在において、新潟駅周辺では、大規模な賃貸マンションが完成、駅前オフィスビルの一部で全面建てかえが進むなどしており、今後も駅周辺の土地の有効利用や高度利用の促進が期待されます。 次に、高架化に伴う新しい新潟駅の機能や役割についてでありますが、高架駅全面開業及び高架下交通広場の供用開始に伴う鉄道とバスの接続の改善などにより、新潟駅を中心とした交通環境は大きな転換期を迎えることになり、空港へのリムジンバスによるアクセスの改善が期待されるなど、県内外との交通の結節点として、新潟駅の機能や役割は、大きく向上するものと考えております。 高架駅全面開業を契機とした同市の拠点性の向上に向けては、現在、新潟市のにいがた交通戦略プラン検討委員会において、県も参加して新たな交通戦略プランの検討が行われているところであります。 県といたしましては、こうした機会も活用し、広域的な観点から、新潟駅の一層の機能向上に向けて、新潟市に協力してまいりたいと考えております。 次に、鳥屋野潟南部開発計画における開発の方向性などについてでありますが、鳥屋野潟南部地区は、豊かな自然を残す鳥屋野潟に隣接し、新潟駅や高速道路からのアクセスもよいことから、新たな都市機能の誘導を図る上で重要な場所であると認識しており、これまでも県、新潟市及び亀田郷土地改良区の3者で計画的な開発の誘導に努めてまいりました。 この計画は、まちづくりの主体である新潟市から意向が示された上で議論するものと考えますが、現在、新潟市が開発の方向性を検討している段階です。県といたしましては、新潟市の意向を踏まえた上で、開発に伴う効果や課題を整理しながら、よりよい計画となるよう3者でしっかりと議論してまいります。 次に、新潟空港の活性化についてお答えします。 まず、新潟空港の民営化に向けた検討についてでありますが、昨年度、県がイニシアチブをとって、新潟商工会議所とも連携を図りながら、新潟空港整備推進協議会に勉強会を設置し、仙台空港など先行する他空港や国などからの情報収集に努めてまいりました。 しかしながら、国が公表した平成29年度の空港別収支によれば、新潟空港は依然として大幅な赤字であり、民営化の方針を打ち出すには、引き続き情報収集を行うとともに、新潟空港の魅力を高める何らかの知恵が必要であると考えております。 今後、議員御提案のように、ディベロッパーなどから意見を求めるとともに、民営化した他空港が運営権者となり得る民間事業者の関心を高めるため、収益確保につながる工夫をどのように行ったのか、あるいはどのような点をセールスポイントとしたのかといった点などについても研究してまいりたいと考えております。 その上で、可能性が確認できれば、外部有識者による検討協議会などを立ち上げて、本格的な検討に移行してまいりたいと考えております。 次に、空港施設使用料等の軽減によるLCC誘致についてでありますが、議員御指摘のとおり、LCC誘致に向けては、航空会社の負担軽減は重要であり、その支援内容によっては誘致活動が有利になるものと認識しておりますが、最近では、地方空港における路線誘致のための航空会社に対する支援競争が激しくなっているものと認識しております。 県といたしましては、航空会社にとっては安定運航に至るまでの経費負担が大きな課題であることから、昨年7月に認定された訪日誘客支援空港への国の支援メニューを活用して、着陸料やハンドリング経費あるいは空港施設使用料等の減免を行うとともに、利用促進に向けた広報活動にかかわる経費等の支援を行っております。 いずれにいたしましても、費用と効果の観点にも配慮しつつ、各空港会社のニーズに応じた支援を今後も進めてまいります。 次に、新潟空港のA滑走路の今後のあり方についてでありますが、県主催の新潟空港RESA対応検討会議においては、議員御指摘のとおり、A滑走路については、地元負担があるRESA対策工事を実施せずに廃止し、空港活性化のために有効活用すべきとの意見が多くあったものの、当該用地の具体的な有効活用の方策が決まらないまま廃止してもよいのかとの意見もありました。 仮に廃止した場合の当該用地の活用方策は、新潟市や地元経済界等の意向を踏まえて検討する必要がありますが、現時点ではビジネスジェットの受け入れや航空関連等の産業誘致などのアイデアはあるものの、具体的な提案には至っておりません。 可能であれば、空港の活性化等のため、当該用地の有効活用を図りたいと考えておりますが、こうした状況の中でA滑走路のあり方はどうあるべきか、同検討会議の議論等も踏まえながら、検討してまいりたいと考えております。 次に、佐渡航空路再開に向けたATR機導入の可能性についてでありますが、現在の滑走路長890メートルでも離着陸は可能で、かつ、従来機よりも搭乗人数の多い機材が新たに開発されることは、航空会社の佐渡航空路開設の検討が促進されるものと期待しております。 議員御指摘の機材については、先日、担当部局がATR社から開発の検討状況等の説明を受けたところでありますが、今後は、同社と導入に必要な経費や設備等の情報交換をさらに進めるとともに、航空会社とも導入可能性についての意見交換を行っていく必要があると考えております。 いずれにいたしましても、佐渡・新潟線の再開は、島民の安全・安心の確保はもとより、佐渡の観光振興や新潟空港の活性化にも資することから、地元佐渡市と連携しながら、可能な限り早期の運航再開を目指してまいりたいと考えております。 次に、ロシアとの経済交流についてお答えします。 まず、ロシア極東からの牧草輸入についてでありますが、ことし5月に衛生条件について2国間で合意され、輸入可能となったことから、国際的に競争力のある価格で供給されれば、ロシアが牧草の供給元となる可能性があり、また、県内の畜産農家の経営改善にも寄与することが期待されるものと考えております。 一方で、牧草の輸入については、加熱消毒等の施設の設置のほか、日ロの輸入・輸出企業の間では、牧草の品質・量や価格を協議するなどの課題があるものと認識しております。 まずは、企業間でこれらの課題の解決に向けた取り組みがしっかりなされていくことが前提ではありますけれども、そうした取り組みの進展を踏まえながら、県としても輸入が円滑に実現するよう、必要に応じてロシア側地方政府との各種調整や、利用に伴う技術指導等の支援を行ってまいりたいと考えております。 次に、ロシアへの訪問についてでありますが、11月の在ウラジオストク日本国総領事館主催のジャパン・フェスティバルについては、本県としても県産品のPRを行うこととしておりますが、今回は、秋田県と沖縄県を中心に紹介される予定と伺っております。 私自身の訪問については、できるだけ早い時期にと考えておりますけれども、本県は、ハバロフスク地方、沿海地方と、これまで長年の交流を積み重ねてきた歴史もあることから、定期航空路の復活や経済交流の活性化に加え、これらの地方政府との連携をより強化する上で、より効果が期待できるタイミングを見計らいながら、検討してまいりたいと考えております。 なお、イベントの概要については、知事政策局長から答弁いたします。 次に、民間事業者による横断航路の開設可能性についてでありますが、日本海横断航路は本県の特性を生かせる航路であり、外航航路を既に有する船社による運航を模索しているところであります。 ロシアからの牧草等の輸入が実現し、ベースカーゴとなる貨物量が見込まれた場合、船社による航路開設の可能性が高まると考えており、県といたしましては、こうした動向も注視しつつ、他の貨物に関するデータもあわせて船社に提示するなど、航路の開設などに向けて働きかけを行ってまいります。 次に、北東アジア国際観光フォーラムへの開催支援についてでありますが、フォーラムは、民間主体のもと、産学官の連携により、日本、中国、ロシアなど北東アジア5カ国の観光関係者のネットワーク拡大を図る意義のある取り組みです。 県といたしましては、フォーラムへの職員の参加や情報発信などにより、今後とも開催を支援してまいりたいと考えております。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 まず、子供病院の整備についてでありますが、がんなどの難病を患う子供たちが高度・専門的医療を受けられ、家族のサポート機能等も備えた拠点的な病院の存在は重要であると考えておりますが、医師不足が深刻な本県では、その具体化に向けて、高度医療等を担う人材の育成を含め、依然として幾つかの課題があると認識しております。 このため、本県の小児医療体制の構築に向けて、小児医療を専門とする医療関係者などと議論しており、できるところから取り組んでいきたいと考えております。 また、子供病院のような専門医療施設のみで医療は完結しないことから、高度・専門的医療から身近な一般医療まで、それぞれの役割を担う医療機関が連携し、必要となる小児医療を提供する体制の構築が重要であると考えております。 次に、電子マネーの活用による県内経済の活性化についてですが、国が策定した未来投資戦略において、キャッシュレス決済比率を今後10年間で倍増し、4割程度とする目標が掲げられており、これにより現金処理コストの低減や消費者の利便性向上とあわせ、取引データの活用により新たな付加価値の創出につなげることを目指しています。 地域レベルにおいても、地域の金融機関などが中心となった共通決済基盤の構築に向けた取り組みのほか、大手民間事業者による地域貢献の動きなどがあるものと承知しております。 県といたしましては、地域で流通する電子マネーを通じた取り組みは、県内経済の活性化につなげる有効な方策の一つであると認識しており、国の施策や金融機関を含む民間事業者の動向を注視してまいりたいと考えております。   〔知事政策局長笠鳥公一君登壇〕 ◎知事政策局長(笠鳥公一君) 2点についてお答えをさせていただきます。 ロシア極東での日本文化紹介イベントについてでございますけれども、ことし11月17日にウラジオストク市内におきまして、在ウラジオストク日本国総領事館主催によるジャパン・フェスティバルが開催されます。 このフェスティバルは、日本の踊りや伝統文化、食等をウラジオストク市民に紹介する総合的なイベントであり、ことしで4回目を迎えます。今回については、秋田県や沖縄県を中心に紹介される予定と伺っておりますが、本県としてもこの機会を活用して、県産品のPR等を行うこととしております。 なお、出展者は公募により選考したところであり、今回、県内の大学生が中心となってブースを設ける予定としております。 次に、ERINAの観光問題への取り組みについてですが、ERINAは、北東アジア経済圏の形成と発展に向け、各国経済に関する調査研究のほか、海外との人的・経済的交流の一層の促進に取り組んでいるところです。 観光についても、昨年度の北東アジア経済発展国際会議において、北東アジアと我が国の観光交流・インバウンド振興策をテーマとして取り上げたほか、現在、観光を含む人的移動についての実証分析も行っております。 観光は、北東アジア地域の経済発展が進む中で、経済的に大きな比重を占めてくる分野であると考えており、今後もこの分野における研究等が進展するものと期待しております。   〔交通政策局長水口幸司君登壇〕 ◎交通政策局長(水口幸司君) 2点についてお答えいたします。 万代島地区のビジョン策定のための調査・検討の進捗状況についてですが、ビジョンの策定に当たっては、国の支援も得ながら、調査等を実施しております。 これまでに万代島地区などの現況を把握するため、県・市・コンサルタントが合同で現地確認を行うとともに、先日開催された新潟西港・水辺まちづくり協議会において、調査・検討の進め方について説明し、意見を伺ったところです。 今後は、関係者へのヒアリングや意見交換会の開催などを行い、年度内をめどにビジョンを取りまとめたいと考えております。 次に、LCCのこれまでの利用状況等についてですが、まず、LCCの就航開始からの搭乗実績につきましては、目標の75%から80%を上回り、好調に推移しております。 また、搭乗者の傾向につきましては、航空会社からは、20代から30代の女性やアクティブシニア層が目立っていると聞いております。 次に、LCCの就航に伴う2次交通の整備状況につきましては、今年度、県では新たに支援制度を設けたところですが、これまでに瀬波温泉、新潟港佐渡汽船ターミナル、月岡温泉及び弥彦・岩室温泉への4路線が運行を開始しております。 目的先の県内観光地への影響につきましては、LCC就航を契機とした市町村間の観光における広域連携や、2次交通を活用した周遊観光プランの造成など、地域の主体的な取り組みにつながっております。 2次交通の利用実績は、まだ十分とは言えませんが、今後さらなる認知度向上を図り、利用拡大に努めてまいりたいと考えております。 最後に、今後のLCCの新たな就航の可能性につきましては、現在、具体的な新規就航の予定はありませんが、関西国際空港線の増便や新たな国際線の就航に向けて、トップセールスも含めた積極的なプロモーション活動を行うなど、全力で取り組んでまいります。 ○副議長(岩村良一君) 小島隆君の質問は終わりました。 次に、小島晋君の発言を許します。小島晋君。   〔小島晋君登壇〕(拍手) ◆小島晋君 未来にいがたの小島晋です。通告に従い、順次、質問をいたします。 ことしは、特に甚大な自然災害が多く、4月に島根県西部で震度5強、6月に大阪府北部で震度6弱、今月6日には北海道胆振東部地方を震源とする震度7、また、西日本豪雨や台風12号、20号、25年ぶりとなる非常に強い勢力を保ったまま上陸した21号などで多くの方々が亡くなられました。亡くなられた皆様に御冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。 6月に発生した大阪北部地震では、高槻市の小学校のプール沿いのブロック塀が倒れ、登校途中の小学生が下敷きになり、亡くなられました。 倒壊した壁は、もともとあった高さ1.9メートルの壁の上に、目隠し目的でブロックが1.6メートル積み上げられた部分だったため、建築基準法施行令により定められたブロック塀の高さ基準2.2メートル以内をはるかに超えていた上に、設置が求められていた控え壁もなく、さらに防災アドバイザーが壁の危険性を指摘していたにもかかわらず、同市教育委員会は、目視や打音による簡易検査を行い、問題なしと判断していたとし、市長が謝罪いたしました。 ブロック塀が文部科学省による校舎などの耐震調査の対象から外れていたことや、専門家の指摘を受けて点検した職員が建築士などの資格を持っていなかったこと等が問題として挙げられております。 この事故を受け、文部科学省は、全国の学校設置者に対し、敷地内のブロック塀について緊急点検を実施するように要請し、8月10日にはブロック塀等の安全点検等状況調査の結果を公表いたしました。 文部科学省の公表時に、応急対策やブロック塀内部の点検が完了していなかった県内公立学校の、その後の対応状況についてお伺いをいたします。 また、国土交通省も既設のブロック塀のチェックポイントを作成し、県など特定行政庁などに対し、所有者等にチェックポイントに基づいて安全点検を行うよう注意喚起を要請することを通知しております。これらを受け、本県の注意喚起の取り組みについてお伺いをいたします。 公共施設のブロック塀の点検、補修及び撤去については自治体が行っていますが、通学路の民間が所有するブロック塀などは、所有者が点検、改修及び撤去を行うのが基本でありますが、そこには費用がかかるため、手がつけられないという声も上がってきております。 児童生徒が安心して通学できる対応が求められており、本年6月定例会で危険なブロック塀などの撤去や改修を進め、子供たちの通学路の安全確保を求める意見書を全会一致で可決したところであります。 市町村においても、独自に申請に基づき、ブロック塀が建築基準法に違反していないかどうかを無料で診断したり、撤去費用を補助したりする制度を新設して対応を進めています。 児童生徒が安心して通学できることはもちろんですが、地域の学校、公共施設は、災害時には避難所として使用されることを考えれば、通学路イコール避難経路となり、ブロック塀等の倒壊、障害物による避難・緊急車両の通行に支障を来すことが想定をされます。 建築基準法が改正される昭和56年以前の所有者は、高齢化も進んでおり、高額な費用捻出もネックとなっていることから、市町村の助成事業だけではなく、県としても助成事業を行うべきと考えますが、所見を伺います。 また、国においても同様の支援措置を行うよう、全国知事会等を通じ、要請すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 民間のブロック塀等の点検、改修及び撤去は所有者が行い、必要に応じ申請し、自治体の助成を受けるものですが、所有者がそこに居住していない、いわゆる空き家等については、点検等がされないまま放置されるおそれがあります。このような空き家等のブロック塀等の対応について、所見をお伺いいたします。 新聞報道によれば、西日本豪雨によって多くの犠牲者を出した広島県や愛媛県の土砂災害の現場を、行政が事前に危険箇所を示したハザードマップと比較したところ、ほぼ予測どおりで、ハザードマップをめぐっては、川の決壊で大きな被害が出た岡山県倉敷市真備町でも、実際の浸水域とほぼ一致していたことも既に判明。 あらかじめ危険性を把握する手段としての重要性が改めて浮かぶ結果に、専門家は、それぞれハザードマップを確認することで、危険回避に活用してほしいと訴えております。警戒区域を記したハザードマップの作成、周知は平成17年に義務化されて以降、各自治体で取り組みは進みましたが、その存在を知っている住民は少なく、盛り込まれている内容が複雑なことなどから、周知に課題があるとされ、住民も実際に災害が起きない時間が長くなることで、危機意識が薄れてしまう問題もあるとされるとのことであります。 他の防災・危機管理の専門家も、情報とは、発信する側と受け手側が同じレベルになっていないと情報が生きないという原則があり、今回の情報の出し方を見ていると、気象庁は特別警報を出し、必死になって避難を呼びかけていたが、その情報の受け手である住民が情報の意味を正確に理解できていない、災害が起きた後に住民にアンケートをとると、指示と勧告の違いがよくわからないとあり、ギャップが生じているとコメントをしております。 県民の命を守るには、正しい情報が必要ですが、その情報を正しく理解することも必要と考えます。このたびの西日本豪雨に限らず、情報を正しく理解し、迅速な行動をとることができれば防げる被害はあると考えます。 県民に対し、災害・被害情報のさらなる理解促進が必要と考えますが、所見をお伺いするとともに、県として県民の防災意識の向上に向け、今後どのような取り組みが必要と考えるのか、所見をお伺いいたします。 被害を最小限に抑えるには、正しい情報を正しく理解し、迅速な行動をとることが必要でありますが、住民が正しい情報を正しいタイミングで受け取れる体制がなければなりません。災害・避難情報は、市町村が行うことではありますが、市町村によって情報伝達方法が異なり、それにより避難行動に違いが生じていることがあるのかお伺いをいたします。 災害は、必ずしも自宅や居住地にいるときだけ起こるとは限りません。居住地以外の市町村への通勤や通学をしている方や、国内外から来られる観光客など、地理の不案内な地域で災害に遭う場合も大いに想定をされます。県民のみならず、県内にいる全ての命を守る取り組みは重要課題であります。 さきの質問でもいたしましたが、市町村によって情報伝達方法が異なること、災害は複数自治体に被害を及ぼすこと、居住地以外の地域にいた場合、災害情報、避難指示が受け取れないおそれもあることから、県内どこにいても現在地の市町村の災害情報、避難指示等の情報が受け取れる伝達方法が必要と考えますが、所見をお伺いいたします。 災害情報、避難指示等の情報については、どこにいても受け取れる体制が必要であります。防災無線、防災ラジオ等は、聞こえる場所にいれば有効でありますが、整備されている地域が限られていること、防災無線は豪雨時に聞こえない等課題があります。 多くの人に情報を伝える手段として考えられるのが携帯電話であります。総務省の平成29年版情報通信白書では、個人における携帯電話の保有率は83.6%、そのうちスマートフォン56.8%で、携帯電話、スマートフォンともに保有率は前年より2%から3%ふえています。 このことからも携帯電話への情報発信は有効であり、県や市町村でもネットを活用した情報発信を活用している自治体もありますが、発信方法はメールやアプリなど、まちまちであります。災害・避難情報の地域格差はあってはならず、県内どこにいても現在地の災害の状況や避難情報、避難経路、避難場所、安否確認などの情報について、県内市町村共通の情報共有システムが必要と考えます。 具体的には、新潟市は防災アプリを作成し、GPS機能と連動しながら、現在地から被害の状況に応じて一番近い避難所を地図表記するなど、地理が不案内の人にもわかりやすくなっております。北海道胆振東部地震においても、外国人観光客が避難場所がわからなかったとのコメントも報道されております。 災害は、複数の市町村にまたがり、発生することを考えれば、県が新潟市の防災アプリなどを参考にし、統一した防災アプリを作成すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 この質問は、議員になり、初めての一般質問でも行いました。当時の答弁は、県内各市町村の避難指示や避難場所の位置等のマップ情報などを集約した新潟県防災ポータルというホームページを公開し、どなたでもリアルタイムに確認できるようにしているとのことでありましたが、災害情報、避難指示こそ情報をとりに行くのではなく、プッシュ型であるべきであります。それから3年たちましたが、スマートフォンの活用は進んでいないと考え、再度取り上げた次第であります。 私は、平成16年に起きました7.13新潟豪雨で友人を亡くしました。亡くなった友人は、新潟市からその日の仕事先である三条市に行って被災をいたしました。家族への最後の連絡は、これから避難をするというものでした。土地カンがなく、避難場所もわからない中、心細かっただろうし、幼い子供や家族を残して亡くなったことは、さぞ心残りであったろうと思います。二度とこのようなことがないように、防災対策を強く思う次第であります。ぜひ前向きな答弁を期待しております。 総務省の平成29年版情報通信白書によりますと、熊本地震の被災地域における災害情報伝達に役立った手段として、時系列別に情報収集に利用した手段を見ると、発生時から復旧期までの期間を通じ、携帯電話の利用が最も多く、次いで地上波放送、SNSとなっています。また、地上波放送及び行政機関のホームページについては、時間の経過により利用者が増加する傾向が見られ、東日本大震災と比べ、スマートフォンの活用がふえたとあります。 スマートフォンを初め、モバイル端末は、どこにいても情報収集に活用できる反面、停電等により充電に難を来します。今回の北海道胆振東部地震においても、水・食料に次いでモバイル端末の充電器が多くの被災者から求められたとのことであります。 現在において、情報収集にモバイル端末はなくてはならないものであり、災害時の充電についても対応が必要と考えます。具体的には、避難所となる小中高の学校及び公共施設に太陽光発電・蓄電システム、USBなどに対応した充電設備の設置が必要と考えます。情報難民とならないためにも市町村と連携し、県としても対応すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 県内の住宅総数約97万戸のうち、現在、空き家総数は約13万2,000戸、空き家率としては13.6%であります。利用目的のないその他の空き家が約13万2,000戸のうち約7万戸で、県としても人口減少が進み、空き家の増加率は今後、急速に伸びると予測しているとのことであります。 他県においても同様な状況であり、対策として平成27年5月から空き家対策特別措置法が完全施行され、適正な管理をされていない空き家に対して、市町村からの助言、指導、勧告、命令、行政代執行や罰則を科すことが可能となりました。これを受け、県内市町村においても行政代執行で空き家の解体が行われ、実績は4件であります。 報道によれば、空き家の所有者が不明、相続トラブルで解体できない等や、代執行で撤去したものの、解体費用の回収めどが立っていないなどの課題も報じられております。とはいえ、震災などの災害時に倒壊となれば、近隣住宅や避難・緊急車両通行の妨げとなり、県民の安全を最優先させることが重要と考えます。 県内の利用目的のないその他の空き家が約7万戸であれば、放置すれば倒壊のおそれがある戸数は多いと考えますが、県内の放置すれば倒壊のおそれがある特定空家等の軒数を伺うとともに、県民の安心・安全のために市町村に任せるだけではなく、県としてどのように取り組まれるのかお伺いをいたします。 次に、教職員の働き方改革について質問いたします。 本県の教職員数は、公立小中高、計1万2,287名であり、うち常勤講師980名、非常勤講師1,066名、いわゆる非正規率は約17%となっております。県教育委員会では、教職員数は足りているとの認識でありますが、学校現場では教職員の欠員が生じた場合に補充が間に合わず、タイムラグが生ずるなど、その間ほかの教職員の多忙化につながっているというふうに聞いております。 中央教育審議会でも、教員の勤務実態については直ちに改善が必要な差し迫った状況にあるとの認識が示され、取り組みを確実なものとする提言がまとめられ、文部科学大臣に手交されました。 県教育委員会としても第3次アクションプランなど、教員の多忙化解消に向けた取り組みを進めているとは思いますが、教職員数の不足を補うためには学校内で対応するしかなく、長時間勤務や年休の取得にも影響が出ていると聞いております。 県教育委員会として、教職員の欠員のタイムラグが生じるのは何が原因と考えているのかお伺いをいたします。 臨時採用教職員のなり手不足の要因に、労働条件、福利厚生面の低さが原因と考えます。一例として、年休の繰り越しができないことが挙げられます。現在、県立学校臨時職員取扱規程により、原則1カ月の離職期間が設けられており、ほとんどの臨時採用教職員が夏季休業中に離職をしております。その後、再任用され、任用期間は8月末から3月31日までで、年休が10日付与されますが、しかし間をあけずに4月1日から7月末までの任用期間が延長されたとしても、新たに年休が付与されることはなく、臨時採用教職員が4月以降も延長されるかどうかは、ぎりぎりまでわからないこともあり、年度末に年休を使い切ってしまってもよいものなのか、次年度のために残すべきか判断に苦慮していると聞いております。 また、私傷病休暇が無給であることからも年休は非常に貴重であり、現在、臨時採用教職員の年休が繰り越せないのは、全国で本県を含め、3割程度であります。他県の状況や臨時採用教職員の人材確保、労働条件改善のために年休の繰り越しを可能とすることが必要と考えますが、所見をお伺いいたします。 臨時採用教職員の私傷病休暇は、採用期間6カ月以上の場合に限り、10日以内で認められておりますが、その期間は無給扱いとなり、インフルエンザなどに罹患した場合は年休を使い果たし、無給の私傷病休暇を取得することになります。他県の状況は、私傷病休暇が無給なのは北海道くらいで、大多数の県が私傷病休暇が有給となっています。 また、ことしの6月に成立された働き方改革関連法でも、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消が盛り込まれており、福利厚生面でも改善が必要となります。このような状況を考えれば、臨時採用教職員の私傷病休暇の有給制度の導入が必要と考えますが、所見をお伺いいたします。 教職員の働き方改革には、勤務実態の把握は絶対の条件であり、県教育委員会でも第3次多忙化解消アクションプランなどで教職員の勤務時間の把握を行っており、学校によってはタイムカードの導入などで労働時間の管理をしております。教職員組合の調査では、月間の超勤の上限を超えないように退勤のタイムカードを押して時間外勤務をしている実態が見受けられるとのことです。 労働時間の把握は、教職員はもとより、どの職場においても基本であり、誤った運用は是正されなければなりません。再度、教職員一人一人の勤務時間の記録の正確な申告を求めるとともに、管理職へは正確な勤務時間の把握をもとに業務削減やマネジメントを行い、教職員が超勤しないで済む職場環境を整えるよう、さらに指導を行うべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 労働時間の自己申告制には、やはり限度があります。県教育委員会では、本年1月から勤務時間を客観的に記録するシステムを配付し、活用を働きかけたとのことでありますが、市町村教育委員会でどの程度活用されているのか、また、県教育委員会としては、そのデータをどのように活用し、勤務時間の削減、ワーク・ライフ・バランスに生かすべく市町村教育委員会へ助言等行っているのかお伺いをいたします。 次に、教育環境の整備について質問いたします。 本年4月に学校保健安全法が改正され、文部科学省から教室等の環境衛生基準の一部改正について、都道府県知事及び都道府県教育委員会に通知されました。内容の一部には、教室の望ましい温度の基準を17度以上、28度以下に見直しがされました。 ことしの夏は、例年以上の猛暑に見舞われ、県内でも8月に観測史上初めて40度以上を記録いたしました。学校の夏休み期間中とはいえ、部活動や課題作成、夏期講習などで登校する児童生徒もいたものと思います。室内といえども熱中症になるリスクはあり、環境省の熱中症予防サイトによると、暑さ指数が28度を超えると熱中症患者が著しく増加するとのことであります。 現状の公立学校の空調設備状況ですが、文部科学省が3年ごとに調査をしている公立学校施設の空調設備設置状況調査で、平成29年4月時点での県内の設置状況は、小中学校の普通教室で12.9%、高等学校の普通教室で79.8%、特別支援学校の普通教室で49.5%となっています。前回の平成26年度調査より、いずれも設置率は上がっておりますが、小中学校で比べれば、全国平均49.6%に比べ、大きく差が開いております。さらに、県内の市町村においても100%設置から1桁台の設置まで、設置状況に大きな差があるのも現状であります。 さきに述べたとおり、暑い日もある中、教室等の望ましい温度の基準28度以下を超え、学業への支障が懸念されますが、実際に教室内温度が28度を超えたことがあったのかお伺いするとともに、超えた場合はどのような対応を行うのかお伺いをいたします。 文部科学省は、2019年度予算の概算要求に、空調設備の設置やブロック塀の改修補助など、公立学校の施設整備として2,432億円を盛り込みました。これは、猛暑で教室へのエアコン設置を求める声が高まったほか、6月の大阪北部地震でブロック塀倒壊の危険性が指摘されたことに対する措置であります。今年度予算681億円と比べ、3.6倍の大幅増であります。 愛知県豊田市では、7月、校外学習からエアコンのない教室に戻った小1の男児が熱中症で死亡。その後、エアコン設置を希望する自治体がふえており、文部科学省は全てに対応できるように整備費を確保したとありますが、来年の夏前に空調設備を設置するには、市町村初め、県としても早急に準備が必要であり、県教育委員会としてもスケジュールを示すなど支援すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、会計年度任用職員制度について質問いたします。 昨年5月に地方公務員法・地方自治法の一部が改正され、新たに会計年度任用職員という名称で任用され直すことになります。これは、地方の厳しい財政状況が続く中、需要に対応するため、臨時・非常勤職員が増加をしておりますが、任用の制度の趣旨に沿わない運用が見られ、適正な任用が確保されていないことから、改正が行われるというものであります。 2020年4月1日施行に向け、総務省が示しているスケジュールに基づき、それぞれの自治体で検討が開始されていると聞いております。導入に伴い、職員団体との協議や制度の周知期間が必要と考えますが、本県では施行に向け、スケジュールを初め、どのように対応していくのか、所見をお伺いいたします。 次に、交通安全対策等について質問いたします。 平成29年に起きた神奈川県の東名高速道路で追い越し車線に停車していたワゴン車に大型トラックが突っ込み、ワゴン車に乗っていた夫婦が死亡し、子供2人を含む4名が負傷する事故が発生しました。事故の直前にパーキングエリアでトラブルになった男に、あおり運転による進路妨害を受けて停止したことが事故につながったとして、同年10月、この男は自動車運転処罰法違反などの疑いで逮捕されました。 また、本年7月、大阪府堺市において、車がバイクを当て逃げし、バイクの男性を死亡させる事故が発生。車を運転していた男は、自動車運転処罰法違反容疑で逮捕されましたが、後に殺人容疑及び道路交通法違反被疑で再逮捕され、あおり運転で殺意の立証が必要となる殺人罪が適用されるのは極めて異例と報道されました。 大きな社会問題となっているあおり運転ですが、警察庁は、本年1月、危険運転致死傷罪や暴行罪など、あらゆる法令を駆使して取り締まるよう全国の警察に指示したとのことであります。 本県におけるあおり運転等の悪質・危険な運転行為による検挙の状況についてお伺いします。 また、今後、県警として、あおり運転を初めとする悪質・危険な運転行為に対してどのような取り組みを進めていくのかお伺いをいたします。 堺市のケースで、大阪府警の立件の決め手となったのが、死亡事故までの一部始終を記録した容疑者の車載ドライブレコーダーや、別車両のドライブレコーダーとのことであります。 あおり運転事故は、いつ自分も遭遇するかわからない危険運転を証拠として残すためには、ドライブレコーダーの装着が必要であると考えますが、ドライブレコーダーの装着率は、日本自動車連盟のグループ会社の2017年調査では、乗用車へのドライブレコーダー普及率は9.6%、タクシーは79%とのことで、自家用車の装着率は高いとは言えません。自分の身を守る手段として、ドライブレコーダーの装着の啓蒙活動も必要と考えます。 また、ことし新潟市西区で起きた小学2年生の殺人・死体遺棄事件では、容疑者を絞り込む一助になったのがドライブレコーダーで、千葉県柏市で平成26年3月に発生した会社員が刺殺された通り魔事件では、たまたま通りかかったタクシーのドライブレコーダーに事故の瞬間の映像が残っており、犯行の裏づけにつながったと報道されています。 警視庁は、都内のタクシー業界団体と映像の提供についての協定や、名古屋市等の自治体でも犯罪捜査に活用するため、市バスや清掃車に設置しているドライブレコーダーの映像を警察に提供する協定を結ぶなどしております。 これまで検挙されたあおり運転等の例を見れば、事件の立件にはドライブレコーダーの映像が有効と考えますが、ドライブレコーダーを活用した捜査を進めるための取り組みと、これまで活用して事件を検挙した事例についてお伺いをいたします。 警察庁は、昨年3月に75歳以上のドライバーの認知機能検査を強化した改正道路交通法の施行から1年を経て、ことし3月末までの状況を6月に発表いたしました。改正前は、認知症のおそれがあり、かつ、交通違反をした人だけが医師の診断を受けていましたが、改正法では、認知症のおそれがある全ての人が診断を受けることになりました。 ことし3月末までの1年間に210万5,477人が検査を受け、5万7,099人が認知症のおそれがあると判定され、最終的に免許取り消し・停止処分を受けたのは1,892人で、施行前の約3倍に上ったとのことであります。 そこに至るまでに自主返納1万6,115人、免許失効4,517人と、多くの方が車の運転をやめ、その後もその他診断等の手続中の1万3,127人の結果次第では数字がふえるものと考えます。運転免許証の自主返納について、平成29年度は42万3,800件と、前年度の約1.2倍になるなど、ふえています。 本県において、改正道路交通法施行後の更新時の認知機能検査の結果、認知症のおそれがあると判定され、最終的に免許取り消し・停止処分となった件数を伺うとともに、認知症のおそれがあり、診断が必要な高齢者がふえたために、指定医師が足りず検査に時間を要するなど、支障が出ていないかをお伺いします。 また、同期間の運転免許自主返納の件数をお伺いいたします。 地方においては、公共交通機関が脆弱で、通院や買い物等、日常生活に支障を来すので、不安を感じながらも車の運転をやめられないという声も出てきております。 運転免許証を返納しても、不安なく住みなれた地域で継続的に生活できる環境を整備するためにも、デマンド交通の整備、買い物弱者対策など、市町村とさらなる連携強化と県の支援策、スピード化が必要と考えますが、所見をお伺いし、質問を終わります。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 小島晋議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、通学路のブロック塀などの点検、改修及び撤去費用についてでありますが、国は平成31年度予算の概算要求で、大阪北部地震を教訓に、危険なブロック塀等の撤去などを進める自治体に対し、社会資本整備総合交付金を通じた支援を強化するとしています。 県といたしましては、今後も国の動向を注視するとともに、通学路などの民間所有のブロック塀撤去等に対する市町村の取り組み状況を踏まえ、財政支援の必要性について検討してまいりたいと考えております。 また、国に対しては、機会を捉え、必要な財政措置について要望してまいります。 次に、空き家などのブロック塀等への対応についてでありますが、空き家等の対策については、市町村が主体となり、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、空家等対策計画を策定し、所有者等の把握や適切な管理に向けた啓発活動などの取り組みが進められております。 空き家等に附属するブロック塀等の工作物の維持管理は、居住の有無にかかわらず、所有者等が行うことが原則であることから、県といたしましては、空き家等のブロック塀等についても、所有者等において適切な維持管理が行われるよう、市町村の取り組みに対し、情報提供や技術的助言等の支援に努めてまいります。 次に、県民に対する災害・避難情報の理解促進と防災意識の向上についてでありますが、議員御指摘のとおり、県民の皆様に対し、災害・避難情報のさらなる理解促進を図り、迅速な行動をとっていただくことが重要であると考えております。 県といたしましては、災害時の情報伝達や住民避難等に関する対策を住民目線で見直すなど、市町村や関係機関と連携し、防災・減災対策にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。 次に、災害時の避難行動についてですが、市町村ごとに伝達方法が異なることは事実ですが、災害の種類やその大きさ、地域特性など、さまざまな要因が住民の避難行動の違いにつながっているものと考えています。 県といたしましては、住民の皆様が適切な避難行動をとることができるよう、市町村や関係機関と連携し、まずは、議員御指摘の災害時の情報伝達手段や、住民避難等に関する対策を住民目線で見直すなど、防災・減災対策に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、災害時の情報伝達についてでありますが、議員御指摘のとおり、居住者以外の一時滞在者にも災害・避難情報が確実に伝達されることが重要であると考えています。 現在、災害・避難情報は、防災行政無線や緊急速報メールなどで一時滞在者に対しても提供されており、また、外国人の皆様に情報を提供する手段も用意されておりますが、県といたしましては、これらの情報がより確実に伝達されるよう、対策を加速させてまいりたいと考えております。 次に、防災アプリの作成についてでありますが、現在、防災情報に関するアプリは、新潟市やさまざまな団体などから提供されているところであります。 県といたしましては、これらさまざまな情報提供手段も確認し、県民の皆様に災害・避難情報を確実にお届けするために、どのような方法が真に有効なのか、住民目線に立って検討してまいりたいと考えております。 次に、避難所における充電設備の設置についてでありますが、モバイル端末への充電のみならず、避難所運営の観点からも、避難所の電源を確保することは重要であると考えております。 まずは、避難所における非常用発電設備の整備の状況を把握した上で、避難所への電源供給の手段について、市町村とともに発電機の準備や電源車の利用も含めて検討してまいりたいと考えております。 次に、空き家対策に関する県の取り組みについてですが、空き家等の対策については、市町村が主体となり、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、空家等対策計画を策定し、空き家の発生抑制や利活用、撤去等のさまざまな取り組みが進められております。 県では、このような市町村の取り組みを支援するため、国の最新動向や先進事例をまとめた手引きの策定や、空き家の改修にも使える県単事業の創設などを行ってまいりました。今後も、市町村の取り組みが一層進むよう、情報提供や技術的助言等の支援に努めてまいります。 なお、県内の特定空家等の戸数については、土木部長から答弁いたします。 次に、交通安全対策等についてお答えします。 運転免許返納後も住みなれた地域で継続的に生活できる環境の整備についてでありますが、運転を断念した高齢者が地域で安心して生活できるためには、運転にかわる移動手段の確保、買い物環境の向上等により、高齢者の日常生活を支えていくことが重要であると考えております。 県では、市町村が行う高齢者等の移動手段の確保・充実に向けた新しい取り組みへの支援、移動販売等を行う事業者の初期投資への支援などに取り組んでいるところであり、今後とも市町村と連携を密にしながら、運転免許返納後も安心して地域で生活できる環境の整備を進めてまいりたいと考えております。   〔総務管理部長佐久間寛道君登壇〕 ◎総務管理部長(佐久間寛道君) お答えいたします。 会計年度任用職員制度の導入に向けた対応についてですが、これまで臨時・非常勤職員の実態調査を実施し、会計年度任用職員の任用、服務や勤務条件など、新制度への移行に向けた検討を進めてきたところです。 今後、総務省から示されている事務処理マニュアルや、国、他県の状況を踏まえ、必要に応じて職員団体の意見も聞きながら、来年12月を目途に関係規程の整備を行いたいと考えております。 施行に当たっては、十分な周知期間を確保するなど、円滑な制度導入が図られるよう、引き続き検討を進めてまいります。   〔土木部長中田一男君登壇〕 ◎土木部長(中田一男君) 2点お答えいたします。 ブロック塀の安全点検に関する注意喚起の取り組みについてですが、県といたしましては、従前より、ブロック塀等については、パンフレットやホームページで基準に沿った施工や適切な維持管理について、注意喚起を行ってきたところです。 大阪北部地震以降は、さらにテレビ広報や電子媒体を活用した周知のほか、市町村とも連携し、パトロール実施時に所有者等に安全点検を促すチラシの配布や現地での指導を行うなど、注意喚起の取り組みを強化しております。 また、県からの周知依頼により、市町村においてもホームページ、広報紙、町内回覧、地元ラジオなどを活用した注意喚起の取り組みが行われております。 次に、県内の特定空家等の戸数についてですが、特定空家等の認定は市町村が行っており、その判断は市町村に委ねられております。 県内で認定を行っている市町村は、平成30年3月末時点で11市町村あり、認定された特定空家等の合計は494戸となっております。   〔教育長池田幸博君登壇〕 ◎教育長(池田幸博君) お答えいたします。 県内公立学校のブロック塀等の点検結果公表後の対応状況についてですが、外観点検に基づく点検で、安全性に問題があるブロック塀等を有する学校のうち、市町村立学校2校で応急対策が完了しておりませんでしたが、その後、立入禁止看板が設置され、安全対策が講じられております。 また、8月の公表時点で内部点検が完了していなかった県内公立学校97校のうち、76校で点検が完了しており、そのうち57校が建築基準法の基準に不適合であったことから、撤去や修繕などの対策を講じているところです。点検が未了の21校についても早急に内部点検を実施し、必要な対策を行うこととしております。 次に、教職員の欠員補充についてですが、教職員の欠員が生じた場合には、速やかに補充に努めておりますが、教員の大量退職に伴う採用数の増加や民間企業の求人が拡大する中で、講師を確保することが全国的に厳しくなっております。 その中で、年度途中に病気等に伴い、欠員が生じた場合、技術や家庭など特定の教科や、地域によっては人材を確保することが難しく、タイムラグが生じているケースがあると承知しております。 そのため、教育委員会では、採用試験の受験者に臨時職員の希望調査や、ホームページ等による希望者の募集により、候補者の登録の拡大を図っているところですが、今後は、再任用を希望しない退職者に対して、年度途中など短期間の勤務も可能かなども含め、意向調査を実施するなど、人材確保に努めてまいります。 次に、臨時教職員の年休の繰り越しについてですが、年次有給休暇の取り扱いについては、知事部局など他の任命権者との均衡を考慮して定めております。 昨年度、臨時・非常勤職員の適正な任用や勤務条件を確保するため、地方公務員法等の一部が改正されたことなどを踏まえ、現在、他の任命権者と連携して臨時・非常勤職員の制度の改正について検討を進めているところであり、その中で適切に対応してまいります。 次に、臨時教職員の私傷病休暇についてですが、私傷病休暇の取り扱いについても、知事部局など他の任命権者との均衡を考慮して定めております。 今ほどお答えした年休の取り扱いと同様に、他の任命権者と連携して制度改正について検討を進めているところであり、その中で適切に対応してまいります。 次に、教職員の勤務時間の管理等についてですが、勤務時間の管理は、教職員の心身の健康や教育活動の充実のための管理であるという趣旨を徹底するように、5月の教育施策方針説明会で校長及び市町村教育委員会に対して指導したところです。今後も、さまざまな研修等を通して、勤務時間の正確な申告をするよう指導してまいります。 また、各学校の管理職が勤務時間の記録だけではなく、一人一人の教職員の日ごろの勤務状態を丁寧に把握し、長時間勤務している者との面談等を通じて、勤務実態やその要因を分析することによって業務内容の見直しや適正化につなげるなど、適切なマネジメントを実施するよう、市町村教育委員会に対し、会議や通知など、さまざまな機会を通して働きかけてまいります。 次に、勤務時間の管理システムの活用等についてですが、教育委員会が配布したシステムを活用している市町村は9市町村ありますが、その他の市町村でもタイムカードや独自のシステムを導入するなど、これまでの出退校簿から切りかえているところがふえてきております。今後も各市町村の状況を情報提供するなど、より客観的に勤務時間の記録がなされるよう支援していきたいと考えております。 県では、この記録に基づく実態調査の結果から、長時間勤務が継続している職員や長時間勤務者が多い学校を訪問し、長時間勤務是正のための業務の見直しや個々の職員への支援の仕方など、具体的な指導をしております。 また、全ての校長が勤務実態に応じた業務改善や意識改革を推進するとともに、長時間勤務が継続している職員には必ずヒアリングを行い、時間外勤務が80時間を超えている場合は医師との面談を実施するなど、適切な対策を講じるよう市町村教育委員会に通知したところです。 次に、教室内が28度を超えた際の対応についてですが、教室の温度測定をした教育委員会の記録によりますと、6月初旬から9月上旬までの間に室温が28度を超えた日は48日間あり、ほかの地域にも相当数あるものと思われます。 県教育委員会といたしましては、熱中症事故防止の観点からも、気温・湿度などの環境条件に配慮した活動を実施すること、25度から30度のそれほど高くない気温でも湿度などのその他の条件で熱中症が発生する場合があることなどについて注意喚起をし、各学校の事情に応じた適切な対応策を講じるよう市町村教育委員会及び県立学校に対して通知したところです。 各学校におきましては、授業中の小まめな水分補給や冷房設備のある図書館などでの授業の実施、学校行事の延期や午後の授業、放課後の活動の中止などの対応を行ったところです。 次に、市町村立学校の空調設備の設置に対する支援についてですが、市町村立学校の施設整備は、設置者である市町村が計画し、実施しておりますが、県といたしましても、学校の良好な教育環境の整備は重要と考えております。 国は、ことしの猛暑を踏まえた8月に、来年度の空調設備の国庫補助事業に係る追加要望調査を行いましたが、県といたしましても、市町村に対して要望の提出漏れがないよう指導・助言などを行うとともに、補正予算の編成も含め、必要な財源確保を国に要請したところです。引き続き、市町村における空調設備の計画的な整備に資するように国の情報をきめ細かく提供するなど、支援してまいりたいと考えております。   〔警察本部長花岡和道君登壇〕 ◎警察本部長(花岡和道君) いわゆるあおり運転等の悪質・危険な運転行為の検挙状況等についてですが、県警察では、危険運転致死傷罪が規定された平成13年以降、他の車両の進路を妨害するなどの目的で交通事故を起こしたとして、同罪を適用した検挙が2件ございます。 県警察では、これまで運転行為の態様から、車間距離保持義務違反や進路変更禁止違反等により積極的な取り締まりを行ってきたほか、今月21日には、高速道路において、初めて県警ヘリと連携した取り締まりを実施したところであり、今後とも悪質・危険な運転行為に対しては、積極的かつ効果的な取り締まりを推進していく所存でございます。 次に、ドライブレコーダーを活用した捜査の取り組み等についてですが、全国的な例を見てもドライブレコーダーの映像は、事件・事故捜査に大いに有効であると認められることから、本県では、平成25年に新潟県ハイヤー・タクシー協会及び新潟県トラック協会と協定を締結し、事件発生時にドライブレコーダーの映像を早期に収集できる体制を確立しているところであります。 また、ドライブレコーダーを活用して検挙した事例についてですが、ドライブレコーダーの映像は、客観証拠の有効な資料として、容疑車両の割り出しや事実認定などに大きな成果を発揮しており、これまでも多くのひき逃げ事件や危険運転致死傷罪などを検挙しているところでございます。 次に、運転免許更新時の認知機能検査の結果、免許取り消し処分となった件数等についてですが、認知症のおそれがあると判定され、最終的に運転免許の取り消し処分となった方は、本年8月末現在117人で、停止処分の方はございません。 また、医師の診断が必要な高齢運転者の増加による支障の有無については、認知症の専門医以外の主治医などでも診断が可能であるほか、県警察において受診期間として設定した2カ月間で大半の方が受診されていることから、現在のところ、支障は生じていないものと考えております。 次に、改正法施行後の運転免許自主返納の件数は、本年8月末現在1万2,374件で、そのうち認知機能検査で認知症のおそれがあると判定された方による自主返納は658件でありました。 ○副議長(岩村良一君) 小島晋君の質問は終わりました。 15分間休憩いたします。  午後2時48分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後3時5分 開議 ○議長(沢野修君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、皆川雄二君の発言を許します。皆川雄二君。   〔皆川雄二君登壇〕(拍手) ◆皆川雄二君 自由民主党の皆川でございます。通告に従い、一般質問を行います。 本日、私からは、県政の諸課題、農業問題、防災・減災対策、スポーツ振興、そしてオリンピックに向けた対応につきまして、順次、質問してまいります。 私としては、6月に花角知事が激戦を制し、県民の信託を得て知事に就任して以降、初めての一般質問となります。県民の安全・安心、よりよい暮らしの実現に向け、協力すべきところは協力し、ただすべきことはただし、議会での議論などを通じて、立場は異なりますが、ともに県勢のより一層の発展を目指して質問してまいりますので、よろしくお願い申し上げます。 まず初めに、県政の諸課題についてであります。 ことしの2月に財政運営計画が改定され、毎年度100億円程度の財源対策的基金の取り崩しが必要と見込まれております。 厳しい財政状況が示された中、知事就任後、初めてとなる当初予算編成がスタートすることとなりますが、社会保障関係経費や県立病院に対する繰出金等の負担の増加、防災・減災対策などに要する社会資本の整備など、対応すべき課題が山積しており、持続的な県民サービスの提供を可能とする財政運営を実現しつつ、県勢発展につなげていくために、将来に希望の持てる予算を編成していただきたいと考えますが、来年度の予算編成に向けての知事の所見をお伺いいたします。 知事は、さきの6月定例会において、県政運営に当たっては、元気で活力ある新潟県を目指すことを表明されました。 一方、地盤沈下や停滞感を感じるとの県民の声を耳にしているとのことでありますが、元気で活力があり、県民が将来に希望を持てる新潟県とするためには、目の前の課題に即応する取り組みとともに、速効性はなくても将来的に効果が発揮される取り組みが必要であり、将来に向けた方策の一つとして、雇用や消費に結びつく県内産業を活性化させることが重要と考えます。 成長産業分野への参入や、大きく成長する可能性のある起業・創業に対して、入り口だけの支援ではなく、息の長い継続した支援が必要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 マイクロプラスチックによる海洋環境の問題については、これまでも環境保護団体などが警笛を鳴らしてきており、プラスチック製のストローが鼻に詰まったウミガメの動画をきっかけに、世界中で関心が高まっておりますが、コンビニやスーパーなどを初め、日常的に利用されているレジ袋の削減も環境の課題解決に効果が見込まれ、より一層推進することが必要と考えます。 本県では、レジ袋削減運動に参加を宣言した事業者数が伸び悩んでいる中、地球環境への影響を軽減し、豊かな自然を次世代に引き継ぐため、社会情勢の変化に的確に対応し、県と包括連携協定を結んでいる事業者とレジ袋削減を協議するなど、より一層削減に向けた取り組みを加速させる好機ではないかと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 また、次世代に引き継ぐべき豊かな自然の一つとして、私のふるさとに尾瀬国立公園があります。この時期は、草紅葉と呼ばれるもみじが湿原を金色に染め、来月にはブナの原生林が紅葉のピークを迎えるなど、四季折々の美しい姿を私たちに見せてくれています。それは、先人がこの貴重な自然を守るべく行ってきた多くの努力のたまものであります。 私たちには、この豊かな自然を後世に残していく責務があり、先日、知事が初めて参加した尾瀬サミットにおいても、みんなで守り、みんなで楽しむといった視点から、12年ぶりに尾瀬の目指す姿と方向性を示した尾瀬ビジョンの改定が報告されたとのことですが、新・尾瀬ビジョンに対する所見をお伺いいたします。 本年6月に実施された父親の育児に関する世論調査によれば、父親も母親と分担して積極的に育児参加すべきとの回答が53.9%、半数以上の方が、父親が育児に参加すべきだと考えています。 また、男性が育児参加をする割合が低いことについて理由を聞いたところ、仕事に追われて育児をする時間がとれないからとの回答が67.3%で最多となり、仕事の多忙さが男性の育児参加を阻んでいる様子が浮き彫りになりました。 本県の7月の有効求人倍率は、全国の1.63倍に対し1.74倍と、全国を上回る倍率となっており、人手不足感は全国よりも強い状況にあります。 企業の人手不足を解消するには、父親の育児参加を進め、子育てしやすい環境を整えるなど、働き方改革によるワーク・ライフ・バランスの実現を県内企業に働きかけるとともに、企業の生産性を高めるための取り組みを進めていく必要があると考えますが、知事の認識をお伺いするとともに、今後どのように取り組むのか、あわせてお伺いいたします。 知事が掲げる健康立県にいがたの実現に当たっては、全ての世代が生き生きと暮らせる社会、障害の有無にかかわらず、全ての県民が互いを尊重しながら、ともに生活できる環境を実現することも必要です。 世界に例を見ないスピードで高齢化が進む中、高齢化率の高い本県においては、視力の低下した高齢者の増加が見込まれるなど、視覚障害者等への支援の必要性が高まってくるものと考えます。特に人生の半ばで障害を有した中途視覚障害者は、これまでの生活との変化が大きく、大きな困難に直面することから、生活訓練や相談体制を充実させることが重要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、農業問題についてお伺いをいたします。 この夏は、北陸で初めて最高気温が40度以上になる地点が県内各地で観測されるなど記録的となる猛暑に加え、6月から7月にかけての総降水量が平年の3割以下となる少雨となるなど、大変厳しいものとなりました。 特に米については、稲に穂が出る時期に渇水となり、取水できない地域では水田に地割れが発生し、また、取水できたとしても、少ない水を順番に利用したり、消雪パイプ用井戸を活用して取水するなど、例年にない厳しい対応を強いられたと聞いております。 その後の降雨により、被害は最小限に抑えられていると考えられますが、米の生育に最も重要な時期である出穂期に用水が不足したことにより、米にどの程度の影響が見込まれるのかお伺いをするとともに、県の渇水対策の効果について、あわせてお伺いをいたします。 平成29年産の魚沼コシヒカリについては、平成元年以来、初めて特Aの評価を逃し、ブランド力の低下が懸念されておりました。 ことしの魚沼産コシヒカリの収穫は、無事ピークを過ぎようとしておりますが、今後とも異常気象が発生する可能性が否定できない中、魚沼コシヒカリを初めとした日本一おいしい新潟米を全国消費者に届けるため、今後とも天候に対応した栽培方法をしっかりと農家に寄り添って指導し、高品質の新潟米を提供し続けることを期待をしていますが、知事の決意をお伺いいたします。 本県では、平成6年の大規模な渇水被害を初め、平成22年の上越市を中心とした中山間地域での干ばつ、そしてことしの干ばつと、約10年に1度のペースで干ばつ被害が発生をしております。 その都度、県としてもポンプ購入に対する支援や経営資金借り入れに対する利子補給などで緊急的に対策を講じていますが、今後も渇水が発生することが考えられる中、水不足が想定される地域において、かんがい排水事業やため池等整備事業などの渇水などに備えたハード的な対策を平時から着実に進めていくことが重要と考えます。 土地改良事業は申請主義であり、県は、受け身的な立場にならざるを得ないと考えられますが、地域からの申請を待つのみだけではなく、天水や中小河川に水源が限られるなどの渇水が想定される地域に対し、県から積極的にため池などのかんがい施設の整備を働きかけていくべきではないかと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 また、今般の渇水では、県が保有する24台の応急ポンプの活用などにより、農業用水を取水したと聞いております。応急ポンプは、渇水対策として使用できるほか、田畑などが冠水した場合には、排水対策としても利用ができます。 本県には、海や川よりも低い土地があり、その多くは、水田や畑として利用されております。同様の条件の土地を有する愛知県では、湛水や干ばつなどの災害や県の行う土地改良事業などに備え、応急ポンプを170台保有し、被災した際の農地の復旧などに役立てているとのことですが、幾多の水害や干ばつによる農業被害を経験し、また、農業県である本県としても、災害が発生した場合に即応できるソフト的な対策の一環として、応急ポンプのさらなる整備を図る必要があるのではないかと考えますが、所見をお伺いいたします。 本県農業は、稲作が中心となっている中、県では農家の収益性の向上に向けて、大規模園芸産地の創出を目指して取り組んでいるところであります。平成28年の園芸産出額は581億円で、平成12年の627億円から46億円減少し、また、園芸作物の作付面積も平成12年の2万2,383ヘクタールが平成28年には4,997ヘクタール減少して1万7,386ヘクタールとなるなど、面積当たりの産出額はふえているものの、総産出額、面積ともに減少傾向にあります。 特に園芸作付面積については、平成12年から約22%減少しており、水稲作付面積の3.2%減と比較しても著しく減少しております。 大規模園芸産地の創出を目指すことも重要でありますが、その基盤となる園芸作物の作付面積を維持・拡大することも重要であることから、水稲に比べ園芸作付面積の減少割合が大きい要因を伺うとともに、減少を食いとめるための対策について、知事の所見をお伺いいたします。 これまで稲作主体で営農してきた農家にとって、園芸作物の導入は、新たな作物であるがゆえに作付のノウハウがなく、転換に不安を感じている方が多いと思われます。 また、今般の猛暑や渇水、さらには台風のような異常気象が生じた際に適正な管理ができなければ、収穫量や生産額が大きく変動するなど、水稲に比べ気象による影響が大きいことから、導入を踏み切りづらくしているのではないかと考えます。 稲作農家に園芸導入を決断してもらうためには、導入前の経営指導や、導入後の丁寧な営農指導が不可欠と考えますが、園芸への参入意欲を喚起するための課題と対応について、知事の所見をお伺いいたします。 稲作農家が園芸の導入や転換をする場合、水稲栽培とは異なる機械・設備等の初期投資が必要となり、農業者がそれら初期投資を決断するには、経営規模の拡大見込みとともに、稲作経営面積の減少による減収や園芸作物の生産による増収などを踏まえて、持続的な営農の可能性や投資額の回収可能性について広く深く考える必要があります。 その際に重要な要素となるのが、園芸作物作付による収入であります。一般的には、園芸作物のほうが米よりも価格の上下動が大きく、そのリスクも園芸導入をちゅうちょさせる一つの要因であると思います。 これまでは、農業共済などで収入減少に対するリスクに対応してきましたが、補填されるためには、自然災害によって一定規模以上の収量が減少することが必要であり、また、対象となる品目なども限定的でありました。 来年1月から導入される収入保険制度では、それらの要因も含め、経営努力では避けられない収入減少が補填されることとされております。 収入保険制度については、知事は前定例会で、多角化・複合化などによる担い手の経営発展に資する、加入促進に向け取り組むと答弁されております。収入保険制度は、価格の振れ幅が大きい園芸経営のリスクを軽減する効果があり、園芸作物を中心に営農している経営体により適した制度と考えられることから、園芸への参入を考えている農業者に対し、これまでより導入しやすい環境になったことを一層周知し、背中を押す必要があると考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、防災・減災対策についてお伺いをいたします。 古くから、善く国を治める者は、必ずまず水を治めると言われております。先ほど質問した内容にも通じることでありますが、干ばつや水害による被害は、経済発展と社会の安定にとって重大な影響を及ぼす自然災害であることから、これを防いで初めて農業収益の確保や生活の安定につなげることができるというものであります。 そのため、治水の技術は時代とともに進歩し、現代では相当程度まで高まっていると考えますが、いまだ水による被害は絶えることがありません。 自然の力を完全に管理下に置くことは不可能でありますが、7月に発生した西日本豪雨災害を初め、近年は、大規模な水害が毎年のように発生している現状を受け、予防的な取り組みに力を入れていくべきではないかと考えます。今後、治水対策をどのように進めていこうと考えているのか、知事の所見をお伺いいたします。 西日本を中心に猛威を振るった平成30年7月豪雨による被害が甚大なものとなったのは、さまざまな気象条件が重なり、長期にわたって大量の雨が継続したことはもちろんですが、避難が円滑に行われなかったことも一因ではないでしょうか。 大雨に警戒するようにとの気象庁からの繰り返しの呼びかけや、地元市町村からの避難指示などがあったにもかかわらず、直ちに避難しなかった住民が多く、報道によれば、ある地域では死亡した方の約8割に当たる方が屋内で発見されたとのことです。一方、自主防災組織が戸別訪問して避難を呼びかけた地域では、避難者が多かったとのことでした。 命を守るための速やかな避難に確実につなげるためには、避難行動につながる情報の発信、住民の危機意識の醸成、自主防災活動の活性化など、ソフト面での対策をこれまで以上に強化する必要があると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 昨年12月に国土交通省は、中小河川における水位観測の充実を図るため、洪水時に特化した低コストな水位計の機器開発を完了したとの発表がありました。2020年度を目途に、人家や重要な施設の浸水の危険性が高く、浸水の的確な避難判断のための水位観測が必要な約5,800カ所を対象に、初期コスト・維持管理コストを低減した水位計の設置を推進するということであります。 これにより、中小河川においても洪水時の避難判断の目安となる水位状況の把握がリアルタイムで可能となり、住民が避難を判断する材料になり得るものと考えますが、低コスト水位計の導入見込みについてお伺いするとともに、導入後の県民への的確な情報発信に向け、どのように取り組もうとしているのか、知事の所見をお伺いいたします。 西日本豪雨では、農業用水を確保するため池が32カ所決壊し、家屋や住民に被害が及んだ決壊は4カ所でありました。農業用水を確保し、農業収益を上げるべくつくられたため池が、平成29年の九州北部豪雨に引き続き、被害の一因になったことは残念でなりません。 8月に行われた全国ため池緊急点検では、本県で点検した1,215カ所のうち応急措置が必要と判断されたため池が1カ所で、応急対応も実施済みとのことであります。 他県で被害が発生した際に、同様の被害が発生するおそれがないか、緊急に点検することも重要でありますが、被害発生を防ぐ上で、日々の管理で異常の兆候を早期に把握することが何よりも重要であり、多面的機能支払交付金などの活用により、保全管理活動を強化することが必要と考えますが、所見をお伺いいたします。 また、今回の西日本豪雨による河川氾濫の一因として、流木の存在が指摘をされています。上流で発生した流木が橋脚等でせきとめられ、水位が急激に上昇したため、河川が氾濫し、被害が拡大したのではないかとのことであります。 河川管理上は、洪水発生時に速やかに水や土砂を下流に流すための河道設計がなされており、流木による河道閉塞を想定した設計となっていないため、上流部で流木の発生をいかに抑えるかが、被害を発生させないための重要なポイントとなります。 流木の発生を抑えるためには、間伐等による森林の貯水機能の向上や、上流部で流木を捕捉する施設の整備により、流木による被害の危険性を軽減する必要があります。 九州北部豪雨による流木被害を受け、国土交通省と林野庁が連携して緊急点検した結果によれば、本県で緊急的・集中的に流木対策が必要な箇所は、国土交通省関係で41渓流、林野庁関係で22地区あるとのことですが、現在の進捗状況についてお伺いするとともに、被害を事前に予防する砂防堰堤及び治山ダム等の整備について、知事の御認識をお伺いいたします。 次に、スポーツ振興についてお伺いをいたします。 先月21日に岡山市で行われた全国中学校体育大会の男子400メートルリレーにおいて、魚沼市立小出中学校が3位となり、表彰台に立ちました。報道によれば、一人一人に全国トップクラスの走力はないものの、小学校から一緒の4人がバトンワークを磨き、走力を補っての快挙とのことであります。 小さなころから友達と運動に親しみ、ともに競い合い、助け合って少しずつできることをふやし、さらに高いレベルを目指していく姿は、まさに成長というべき姿であり、実にすばらしいものであると感じます。 子供のころからスポーツに親しむことは、子供の心身の成長に大いに役立ち、豊かな人間性を育むことにつながることから、地域でのスポーツに取り組みやすい環境を整えることが重要と考えますが、知事の認識をお伺いいたします。 地域の子供たちがスポーツに取り組む場所としては、学校での運動部活動であることが一般的であり、そこでの経験が生涯にわたってスポーツを楽しめるかどうかにもかかわります。 一方で、学校現場では教員の多忙化などを背景に、働き方改革に取り組んでおり、5月の県教育委員会が公表した新潟県部活動の在り方に係る方針では、生徒にとっても教員にとっても魅力ある部活動の実現を基本方針に、部活動指導員の活用に触れられています。 さきの2月定例会では、部活動指導員の人材確保について質問したところ、教員免許状や公認スポーツ指導者資格を有するなど一定の条件を設けることを想定するとの御答弁がありました。どのような条件を設けることとしたのかお伺いをいたします。 また、来年度の文部科学省の概算要求では、本年度1,500校、4,500人であった公立中学校の部活動指導員を4,000校、1万2,000人に大きく拡充し、配置する案が盛り込まれておりますが、本県の公立中学校における運動部・文化部それぞれの部活動指導員の配置状況について伺うとともに、将来的にどのような配置になることが望ましいと考えているのか、所見をお伺いいたします。 運動部の部活動指導員は、運動競技に関する技術的な指導はもちろんのこと、大会等の引率や会計管理、部活動中の生徒指導などを職務としており、さらには学校教育に十分な理解を持つことが必要とされています。 また、校長から顧問を命じられた場合は、発達の段階に応じて生徒が自立して取り組む力を育成することや、総合的な人間形成の場になるような多様な面での指導力が求められることとなります。 一方で、運動部活動の指導に当たっては、指導員みずからが体を動かすことが多く、一般的には比較的体力のある方が適していると考えられますが、平日の午後や休日に指導を行うため、フルタイムで勤務する現役世代の任用は難しいと考えられます。 運動部の部活動指導員は、技術的な指導力や生徒の発達・成長段階に応じた指導力、学校教育への理解、日常的に学校へ行ける時間的余裕、体力など幅広い力が求められていることになりますが、それらを兼ね備えた人材の確保に向けて、今後どのように取り組むのか、所見をお伺いいたします。 全国的に少子化が進み、本県でも多くの中学校で生徒数が減少しております。そのため、野球を筆頭にバレーボールやサッカーなどの団体競技を単独校で行うことが難しくなり、日本中学校体育連盟の調査では、合同チームは年々ふえ続け、昨年6月時点で1,000を超える合同チームが活動しているということであります。 本県でも、今後、中学校における合同チームがふえていくものと考えられますが、本県の合同チームの活動状況を伺うとともに、県として今後どのように取り組んでいこうと考えているのか、所見をお伺いいたします。 次に、オリンピックに向けた対応についてお伺いをいたします。 2020年の東京オリンピック開催に向け、聖火リレーの出発地・日程が東京2020組織委員会から公表されました。本県では、2020年の6月5日、6日の2日間、富山県から聖火を引き継ぎ、山形県に渡す日程で行われることとなっております。先月末には、県内ルート等を検討するための県の実行委員会が開催されております。 本年内にルート案を組織委員会に提示をし、来年夏ごろに公表されるとのことでありますが、ルート案の作成に当たっては、どのような理念のもとで取り組むのか、知事の所見をお伺いいたします。 全国的に注目される聖火リレーの実施は、オリンピックに向けて県民の関心が高まることが期待されるとともに、国内外で本県の魅力を発信する絶好の機会でありますが、本県は県土が広く、本土側の海外線を見ただけでも330キロメートル以上の長さがあります。 2日間で全ての県内市町村を回り切ることが難しいとしても、オリンピック成功に向けた機運醸成や県内各地域の魅力の発信につなげるため、できるだけ県内の多くの地域や人々に参加していただく工夫が必要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 知事は、第1回聖火リレー実行委員会において、広く本県の魅力を発信し、県や地域の発展に結びつくように取り組むと意気込みを述べられたとのことですが、聖火リレーだけではなく、東京オリンピックパラリンピックの開催に向けても同様の取り組みが必要ではないでしょうか。 これまでも県議会では何度か取り上げられているとおり、東京オリンピックパラリンピックは、本県の魅力を世界に売り込む絶好の機会であり、県としても県産品を初め、美しい自然や豊かな食文化、特色ある産業などを積極的にアピールしていくものと思いますが、市町村や関係団体からは、県がどのようにこれらをアピールしていこうと考えているのか、県の考えや具体的な動きが見えないという声が聞こえております。 大会まで残された期間は2年を切っており、決して多くはありません。都道府県競争の中で埋没してしまわないために、東京オリンピックパラリンピックの開催に向けて、早急に県として独自の取り組みをまとめ、市町村や関係団体と協力して取り組みを開始する時期に来ているのではないかと考えますが、知事の所見をお伺いいたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 皆川議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、来年度の予算編成についてでありますが、佐藤純議員の代表質問にお答えしたとおり、来年度予算編成に当たっては、住んでよし、訪れてよしの新潟県の実現に向けて、これまでよりも一段加速した防災・減災対策や、健康寿命が全国トップクラスの健康立県の実現に向けた取り組み、新潟ブランドの構築などについて、部局横断的に議論を始めたところであります。 この議論を通じて、政策目的に対して、より効果的な事業を絞り込み、来年度予算に盛り込んでまいりたいと考えております。 なお、予算編成の前提となる本県の財政状況については、本年2月に改訂した財政運営計画において、厳しい財政状況が示されているところでありますが、その時点と比べて県税収入見込みが減少する見通しであること、普通交付税等の今後の算定ベースが約40億円程度減少する見通しであることなどを考慮しますと、より厳しい財政状況となることが想定されます。 来年度当初予算編成においては、こうした状況も踏まえていく必要があると考えております。 次に、成長産業分野への参入や起業・創業に対する支援についてでありますが、これまで経験のない分野への新規参入や、新たなビジネスでの起業においては、事業化から軌道に乗るまでに多くの障壁を乗り越えなければならないことから、単発的な支援にとどまらず、ニーズを踏まえながら、議員御指摘のように、継続した支援により成長を促すことは重要であると認識しております。 そのため、県といたしましては、金融機関を含む支援機関とも連携しながら、市場の知見やノウハウ、資金の提供など、事業構想や研究段階から事業化後のフォローまで、各段階におけるきめ細かな支援体制を構築し、事業化と成長の後押しを進めてまいりたいと考えております。 次に、レジ袋削減に向けた取り組みについてでありますが、県では、これまでもレジ袋削減県民運動において、レジ袋の有料化に取り組む事業者と県、消費者団体で協定を締結するなど、レジ袋削減の取り組みを進めてきたところであります。 議員御指摘のように、包括連携協定を結んでいる事業者とレジ袋削減などについて協議を行うことも、プラスチックの問題に関心が高まっている今日において、意義があることと考えており、より効果的な取り組みが進むよう協議してまいります。 次に、新・尾瀬ビジョンに対する所見についてでありますが、私は、学生時代から社会人になって数年の間、毎年のように尾瀬を訪れておりましたが、今回のサミットで三十数年ぶりに来訪し、改めて尾瀬の自然のすばらしさを認識したところであります。 一方で、平成29年度の入山者数は、ピーク時に比べて半数以下の約28万人となっており、尾瀬に対する関心が薄れてきているとも感じたところであります。 新・尾瀬ビジョンの実現に向けて、尾瀬にかかわる全ての関係者が連携して取り組むことにより、尾瀬に対する関心を引き上げるとともに、環境の保全と適正な利活用を進めることで、尾瀬のすばらしい自然を持続的に保全し、次世代につなげていきたいと考えております。 次に、企業の人手不足についての認識と、その解消に向けた取り組みについてでありますが、県内においては、人口減少を背景に、有効求人倍率が高い水準で推移する中、幅広い分野で人手不足感が高まっているものと認識しており、議員御指摘のとおり、働き方改革を進め、職場環境を改善し、企業の魅力を高めていくとともに、生産性向上の取り組みを進める必要があると考えております。 県といたしましては、県全体として働き方改革の機運を高めていくため、今年度から新たに10月と11月を働き方改革のキャンペーン期間とし、政労使一体となって働き方改革に積極的に取り組む企業のPRや、ワーク・ライフ・バランスに対する企業の理解促進に集中的に取り組むこととしております。 また、生産性向上につながる設備投資に対する積極的な支援のほか、AI・IoTの活用促進のためのシステム・機器の導入支援などにも取り組んでまいります。 次に、視覚障害者に対する支援についてでありますが、議員御指摘のとおり、中途視覚障害者が自立した生活を送るための訓練や、不安や悩みを解消するための相談体制の充実は、大変重要であると認識しており、これまでも歩行などの基本的な訓練を実施するとともに、生活相談等に応じてきたところであります。 今後とも関係者との意見交換などを通じ、中途視覚障害者の実態やニーズを的確に把握しながら、支援体制のさらなる充実に努めてまいりたいと考えております。 次に、農業問題についてお答えします。 まず、渇水による米への影響と対策についてでありますが、本年は、6月から7月にかけて過去30年間で最も少雨となり、約1万ヘクタールもの渇水被害が生じた平成6年並みの状況が想定されました。 このため、県といたしましては、農業用水のより一層の有効活用を周知するとともに、被害の拡大防止に向けた渇水対策として、今定例会にお諮りしている農業用水確保のためのポンプの借り上げ等への支援を行い、24市町村で活用の見込みとなっております。 具体的な米の収量や品質への影響は、収穫を待って見きわめる必要がありますが、8月30日の調査時点で、枯れ上がり等による被害は740ヘクタール程度にとどまる見込みであり、これは用水確保に尽力された農業者の皆様の御努力はもとより、市町村を初め、関係者の皆様の迅速な対応によるものと考えております。 次に、新潟米の食味・品質の確保についてですが、日本一おいしいと言われる魚沼コシヒカリを有する本県においては、今後ともトップブランドにふさわしい食味・品質を確保することが重要であると考えております。 このため、気候変動の中にあっても、食味重視の米づくりを基本に、高温対策技術の開発・普及や、生育状況に応じてきめ細かく管理対策を指導するなど、農業者の栽培管理を徹底することで、消費者の新潟米への期待にしっかりと応えてまいります。 次に、渇水が想定される地域におけるかんがい施設の整備についてでありますが、これまでも農業用水が不足する地域に対しては、地域の要望を踏まえ、ため池や井戸などのかんがい施設の整備を行ってきたところです。 しかしながら、本年も中山間地域を中心に干ばつ被害が発生していることから、このような地域に対して、今後も市町村や土地改良区と連携し、事業制度に関する情報提供を積極的に行い、ため池などのかんがい施設の整備を働きかけてまいります。 次に、園芸の作付面積の減少についてですが、農家の減少や農業従事者の高齢化が進む中、全国的にも園芸の作付面積は減少していますが、特に本県においては、機械化や共同利用施設の整備が進んでいる稲作に比べ、園芸は機械化が進まず、細かな作業や手間がかかっており、担い手への集積が進みづらいことなどから、減少割合が大きくなっているものと認識しております。 このため、県といたしましては、園芸の生産拡大に向け、大型機械化一貫体系の導入や集出荷体制の共同化などを進め、省力的で生産効率の高い産地を育成してまいりたいと考えております。 次に、園芸導入の課題と対応についてですが、稲作農家の多くが園芸導入に踏み切れずにいるのは、議員御指摘の園芸生産のノウハウに乏しいことに加え、稲作との作業競合や、初期投資への不安などが課題であると考えております。 このため、県といたしましては、稲作農家が導入しやすい品目選定や栽培技術のマニュアル化などを進めるとともに、初期投資を抑制するため、育苗ハウスなど既存の稲作経営資源の活用を推進しているところであります。 また、大型機械の導入や集出荷作業の共同化など、園芸に参入しやすい産地としての条件整備を支援し、稲作農家が園芸に取り組みやすい環境を整えることで、参入を促進してまいりたいと考えております。 次に、防災・減災対策についてお答えします。 まず、今後の治水対策の進め方についてでありますが、近年、全国各地で数十年に1度と言われるような大災害が頻発しており、特にことしの平成30年7月豪雨は、西日本の広範囲において200名を超えるとうとい命と多くの財産が奪われるなど、甚大な被害が発生しました。 本県でも過去に大災害を経験しており、近年の気候変動の状況を踏まえると、甚大な被害を未然に防止する予防的な取り組みは大変重要であると考えております。 このため、河川改修や土砂災害対策など、事前対応型のハード対策の着実な推進と、あわせて、ソフト対策の充実などにより、治水対策を加速・強化していかなければならないと考えております。 次に、避難対策についてですが、議員御指摘のとおり、平成30年7月豪雨において、避難指示等が発令されても、速やかな避難につながらない場合があったと承知しております。 県といたしましては、災害時の情報伝達や住民避難等に関する対策を住民目線で見直すなど、市町村や関係機関と連携し、防災・減災対策に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、低コスト水位計の導入と情報発信についてですが、洪水時において、住民の主体的な避難行動や早期の避難情報発令につながるよう、市町村や関係機関と連携し、県民の皆様に対し、的確に情報発信していくことは極めて重要であると認識しております。 本県では、今年度から3カ年で約180カ所に低コスト水位計を設置することとしております。既存の水位計を補完することで、よりきめ細かく河川の状況を把握し、県の河川防災情報システムなどにより的確に情報発信することにより、市町村による避難情報の発令や住民の避難行動に結びつくよう努めてまいります。 次に、砂防堰堤及び治山ダム等の整備についてでありますが、県民の生命・財産を一瞬にして奪う土砂災害への対策は大変重要であり、整備を着実に進めることが必要であると認識しております。 このため、県といたしましては、平成30年7月豪雨災害を受け、去る8月28日に土砂災害対策の強化について、国に対し、要望したところであります。 また、議員御指摘の流木対策についてでありますが、昨年度から透過型砂防堰堤や流木捕捉式治山ダム等の整備を国土交通省関係で34渓流、林野庁関係で14地区において実施しております。 次に、スポーツ振興についてお答えします。 スポーツに取り組みやすい環境整備についてですが、議員御指摘のとおり、子供のころからスポーツに親しむことは、生涯にわたり健康で活力に満ちた生活を送る上で大変重要であると考えております。 そのため、県といたしましては、今後とも県スポーツ協会と連携しながら、年齢に応じて複数の種目を楽しむことのできる総合型地域スポーツクラブの育成に努めるとともに、県民の誰もが幼児期に運動遊びを経験でき、適切な指導を受けられる環境づくりを進めてまいります。 次に、オリンピックに向けた対応についてお答えします。 まず、聖火リレールート案の理念についてでありますが、東京オリンピック聖火リレーのルート案については、組織委員会から、できるだけ多くの人々が見に行くことができるルート、安全かつ確実に聖火リレーが実施できる場所であり、さらにその上で、地域が国の内外に誇る場所や地域の新たな一面を気づかせる場所、聖火が通ることによって人々に新たな希望をもたらすことができる場所の基本的考え方が示されております。 本県のルート案については、この考え方に基づき、どのように新潟らしさを打ち出していけるか、検討してまいりたいと考えております。 次に、聖火リレーにおける東京オリンピックの機運醸成や本県の魅力発信についてですが、東京オリンピックの聖火リレーは、コンセプトイメージとして、日本全国を盛り上げるリレー、地域の特色を生かしたリレーが挙げられており、国の内外に日本や地域の魅力を再発見、再認識していただく機会にしていくことが求められております。 広い県土を有する本県にとって、全ての市町村を2日間でリレーすることは困難ですが、議員御指摘のとおり、できるだけ多くの人々から参加してもらえるよう、県内の魅力発信方法や聖火リレーでのボランティアの活用など、組織委員会とも調整を図りながら、工夫を凝らしてまいりたいと考えております。 次に、東京オリンピックパラリンピックに向けた取り組みについてですが、県では、これまでも市町村情報交換会や官民一体の新潟県活性化推進会議を開催し、東京オリンピックパラリンピックの開催効果が県内の発展につながるよう取り組みを進めてきたところであります。 特に、競技開催のない本県にとって、諸外国の事前キャンプを受け入れることは、今後の交流拡大等も期待されることから、事前キャンプ誘致の取り組み方針を定め、市町村や競技団体とも連携しながら取り組みを進めております。 また、東京オリンピックパラリンピックに向けた県産品の活用や火焔型土器の聖火台デザインへの採用など、本県の課題について活性化推進会議や庁内でも共有、議論しながら、オール新潟の体制で取り組みを進めてまいりました。 議員御指摘のとおり、東京オリンピックパラリンピック開催まで2年を切ったことから、オリンピック・パラリンピックの開催効果を最大限に享受できるよう取り組みをまとめてまいります。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) お答えいたします。 収入保険制度による園芸導入の促進についてですが、収入保険制度は、園芸品目の価格低下も含めた農業経営全体の収入減少を補填する制度であることから、園芸導入にチャレンジする農業者の経営安定に資するものと考えております。 このため、県といたしましては、収入保険制度のメリットの周知や加入の働きかけとあわせて、品目ごとの経営収支や各種支援制度の情報を提供するなど、稲作経営体等の園芸導入を支援してまいります。   〔農地部長緒方和之君登壇〕 ◎農地部長(緒方和之君) 2点についてお答えいたします。 まず、災害に備えた応急ポンプのさらなる整備についてですが、県では、災害時において県保有ポンプのほか、応援協定を締結している県建設業協会の会員が保有する約1,600台のポンプを活用し、農地・農業用施設の被害拡大防止を図っているところです。 県といたしましては、昨今の広範囲な大規模災害にも即応できるよう、必要な資機材の広域的な相互支援などの体制強化に向けて、引き続き県建設業協会や関係機関と連携して取り組んでまいりたいと考えております。 次に、ため池の保全管理活動の強化についてですが、議員御指摘のとおり、ため池の草刈り作業などを通じた日々の保全管理は、異常の早期発見に有効な手段と考えております。 そのため県では、農林水産省が策定したため池管理マニュアルの周知を図るとともに、多面的機能支払交付金を活用した、ため池の草刈りや大雨前後の見回り確認などを推進してきたところです。 今後も、多面的機能支払の取り組み拡大に努めるとともに、関係団体等と連携した、ため池点検指導を行うことにより保全管理活動を強化し、ため池被害の未然防止に取り組んでまいります。   〔教育長池田幸博君登壇〕 ◎教育長(池田幸博君) お答えいたします。 部活動指導員の任用条件についてですが、県立学校では、部活動指導員は大会引率や生徒の指導を単独で行うなど、その責任の重さを踏まえて、教員免許状や日本スポーツ協会公認スポーツ指導者資格などを有する者としております。 市町村教育委員会においては、地域の人材を活用したいとの要望を受け、県立学校の任用条件に加えて、一定期間の外部指導者の経験を有し、校長の推薦がある者に対して、部活動の教育的意義や安全の確保、事故発生後の適切な対応などの部活動指導員としての必要な研修を受けることにより、市町村教育長が許可した者も対象としたところです。 次に、本県の公立中学校における運動部・文化部の部活動指導員の配置状況等についてですが、今年度は、部活動顧問の多忙化解消に向け、市町村計画を踏まえて、市町村立中学校の運動部に29人、文化部に3人、中等教育学校前期課程には文化部に2人を配置したところです。 将来の部活動指導員の望ましい配置につきましては、教師の負担軽減や生徒への適切な指導の観点から、配置効果を検証するとともに、国の予算措置の状況や今後の人材確保の見通しなどを踏まえて、配置のあり方を検討していく必要があると考えております。 次に、部活動指導員の人材確保についてですが、今年度に配置した部活動指導員の中には、日本スポーツ協会公認スポーツ指導者資格を持つ外部指導者から移行している者もおり、来年度以降も外部指導者の部活動指導員への移行が見込まれます。また、教員退職者の中からも一定数の人材確保が期待されるところです。 今後は、競技団体等に働きかけを行うとともに、県からも部活動指導の養成のための資料や情報の提供をして、市町村が行う研修を支援するなど、部活動指導員の人材確保に努めてまいります。 次に、本県の中学校における複数校合同チームの活動状況についてですが、平成30年度は5競技に16チーム、33校が合同チームで大会に参加しております。 議員御指摘のとおり、少子化が進展する中、単一の学校では特定の競技の運動部を設けることが難しくなる中で、合同部活動の取り組みが増加しつつありますが、試合ごとに学校の組み合わせが変わることもあり、計画的な練習ができなかったり、学校間が離れていて活動が土日に限定されるといった課題があるところです。 県教育委員会といたしましては、学校規模に応じた適正な部活動数の設置を求めるとともに、生徒のスポーツの機会が損なわれることがないよう、中学校体育連盟と連携して、合同チームの実情や先進的な事例などの調査を行い、合同チームが活動しやすい方策について、部活動在り方検討委員会において検討してまいります。 ○議長(沢野修君) 皆川雄二君の質問は終わりました。 次に、青柳正司君の発言を許します。青柳正司君。   〔青柳正司君登壇〕(拍手) ◆青柳正司君 自由民主党の青柳正司であります。通告に従い、順次、質問いたしますので、よろしくお願いいたします。 改めまして、花角知事、御当選、御就任、おめでとうございます。祝意とともに、今後のますますの御活躍に御期待いたしております。 また、知事御就任以来、選挙戦の疲れを癒やす間もなく、精力的にトップセールス等を初めとしたさまざまな取り組みの行動に対しまして、心からの敬意を表したいと思います。さらなる県勢発展の一助として取り上げていただきたいとの思いから、お伺いさせていただきます。 まず最初は、エネルギー・環境政策についてであります。 西日本豪雨災害では、甚大な被害により亡くなられた方々や被害者の皆様方には、心からの御冥福とお見舞いを申し上げたいと思います。このような災害が続く中ですが、やはり近年の温暖化現象が大きな影響を及ぼしているとの説が有力ではないかとの思いから、お尋ねいたします。 温暖化現象の要因は言うまでもないわけですが、CO2、二酸化炭素が大きな要因の一つというところから、京都議定書等により世界中でCO2排出削減目標を掲げ、取り組みの強化に苦慮している中であります。エネルギーの安全保障問題は、いわゆるベストミックスの課題がありますが、脱化石燃料、脱炭素社会への取り組みは重要であります。 二酸化炭素を出さない脱炭素社会の実現に向け、他県の一部自治体では、脱炭素の計画策定や条例制定を行っています。再生可能エネルギーを扱う企業誘致など、世界で広がる脱炭素ビジネスをいち早く取り組み、自治体間競争を有利に進めて地域経済の活性化につなげることが背景にあると考えます。 本県も他県におくれることなく、脱炭素を目指す取り組みを一層進めるべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 加えて、脱炭素社会の実現を目指すためには、太陽光発電等の再生可能エネルギーの導入を促進していくことが不可欠であります。本県においては、電力系統接続に課題があることが導入促進の支障になっていると考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、知事の所見をお伺いいたします。 地球温暖化の進行に伴い、世界的な食糧不足が深刻化するおそれがある中、事業所から出る食品廃棄物は、食品リサイクル法で家畜の餌や肥料などに再利用することが義務づけられていますが、家庭から出る食品廃棄物には規制や指針がありません。 そこで、本年、食品ロスの削減に向け、政府の循環型社会形成推進基本計画の中で、家庭での食品ロスの量を2030年度までに2000年度比で半減させる目標が設定されました。 このことは、県の資源循環型社会推進計画で目指す、資源を大切にする循環型の地域社会づくりの実現を後押しするものであり、今後、県も食品ロスの削減に向けた取り組みを一層推進すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 人間の生産活動には多量のごみが発生するため、廃棄物の抑制は重要な課題であります。環境省によると、近年、我が国では年間1,100万トンから1,400万トン程度の産業廃棄物が最終処分場に排出され、このままでは今後、約15年で満杯になるため、排出の抑制が課題となっております。 一方、報道によれば、県内の企業が産業廃棄物の燃え殻を無害化する新技術を導入し、建設現場で利用できる無害化された資源の製造、販売を計画しているとのことです。 この取り組みは、県の資源循環型社会推進計画で推進する廃棄物の発生抑制、循環的利用の推進をまさに実践する取り組みであり、産業廃棄物の燃え殻を無害化する新技術を県内に広く普及すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 本県は2018年度、人工知能AIや、あらゆるものがネットにつながるIoTの導入促進に向けた補助事業の支援対象に5社を選びました。その中には、産業廃棄物処理の企業も含まれていました。県内の産業廃棄物処理企業が、最先端技術の導入に積極的に取り組んでいることに敬意を表したいと思います。また、さらに推進していただきたくお尋ねいたします。 県内の企業において、AI、IoTを活用して廃棄物の自動選別や分量を瞬時に把握するシステムの開発が始められ、人手不足が続く廃棄物処理業が注目していると聞いております。 このような技術開発や事業展開は、廃棄物処理の省力化・効率化が進むことで3R推進の基盤整備が図られる等、県の資源循環型社会推進計画で目指す資源を大切にする循環型の地域社会づくりの実現につながる重要な取り組みであるため、県として一層推進していくべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 ごみ処理の問題は、国内のみの課題だけでなく、今や地球規模の問題となっております。日本政府は、ロシア極東の経済だけでなく、社会の発展にも貢献できるパートナーとしてアピールを強めているようですが、本県がその先頭に立てるような取り組みも重要であります。 本県が古くから経済交流や教育分野などでの人的交流に取り組んできたロシア極東地域は、ごみ処理が大きな問題となっていますが、最近、他県の企業がウラジオストクのごみ処理について改善策を提案したり、廃車工場を建設するなどの動きがあります。 本県にも廃棄物の自動選別や固形燃料化、ごみ焼却発電などのすぐれた技術を持つ企業があることから、このような技術を輸出することでごみ処理問題の改善に貢献し、一層の経済交流の進展を図るべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 日本は列島であり、周りを海に囲まれておりますことから、洋上の風力を最大限に活用することは、重要なエネルギー対策の一つと思います。陸上風力や太陽光に比べ発電効率が高く、再生可能エネルギーの中で本命視されてきたようです。 一方、自然エネルギーのシステム上の弱点も指摘され、安定した電力供給に懸念があったとのことですが、近年、そのことは解決の可能性が高まってきたようです。 再生可能エネルギーの導入に積極的なヨーロッパでは、洋上風力発電が加速度的にふえています。また、再生可能エネルギーの弱点であった時間ごとの発電量の増減についても、蓄電池の技術開発の進展により、電力供給の制御が可能になるとの報道もあります。 平成28年度の洋上風力発電ポテンシャル調査で、本県沖に一定のポテンシャルがあることが確認されたことを踏まえれば、県として洋上風力発電の導入に積極的に取り組むべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 本県は、日本有数の地下資源が豊富な県で、石油の産出や天然ガスの活用技術にたけておりました。また、エネルギーにかかわる技術は、企業内技術として受け継がれてきていると聞いております。 一方、県内廃棄物処理業の企業が、省エネ技術の促進に積極的に取り組んだ結果、すばらしい開発技術の紹介がなされています。それは、本県の宝の一つではないかと思います。 報道によれば、廃棄物処理を手がける県内の企業が、ごみ焼却で発電された電力で自社工場の電力を賄うとともに、余剰電力を使って水素を製造し、自社の燃料電池フォークリフトの燃料にする新たな取り組みを開始します。 このような取り組みは、省エネ、地球温暖化防止や環境に優しい水素社会の実現など、資源を大切にする循環型の地域社会づくりの推進を加速させるモデル的な取り組みであり、県としても後押しすべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 一般論として、光合成を行う植物にとっては、豊富な太陽光が成長を促進し、良質な農作物の生産につながると思います。 一方、光量が少なくても栽培に支障が少ない農産物も存在していることを生かし、農地での太陽光発電を行いながら農業を行い、農産物の販売を進める取り組みに注目が集まっております。 農地で太陽光発電と農業を両立するソーラーシェアリングは、農業収入と売電収入による経営基盤の強化に加え、増加が懸念される耕作放棄地の解消や発生防止にもつながるものであり、県として推進すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 先回、2月定例会での私の一般質問で、米山前知事に、新潟県FCV・水素ステーション普及ビジョンの実現に向けての取り組みについて質問いたしました。花角知事には、この水素社会の実現に対してのお尋ねになりますが、本年3月に新潟県FCV・水素ステーション普及ビジョンが公表され、7月には県水素エネルギー普及研究会が設立、来年春には県内初の水素ステーションが稼働するなど、新潟県FCV・水素ステーション普及ビジョンの実現に向けた取り組みが着実に進んでいると思います。 今後、環境に優しい水素社会の実現を目指すためには、水素自体を県内企業で製造し、安定供給できる体制を構築することが重要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、県政の諸課題についてであります。 任期満了に伴う新潟市長選は、現職の篠田市長が7月下旬に5選不出馬を正式表明されました。不出馬決断の理由として、花角知事との協議の中で、新潟市拠点化構想案について同意が得られたとのことが大きな要因であるような報道がありました。 7月23日に開催された新潟県・新潟市調整会議において、新潟市中心部の拠点機能向上を目指す都市デザインが示され、篠田市長が拠点化について切り出し、空港や港、都市交通等の活性化を要望し、花角知事が同意したとのことです。 知事は、拠点化についてどのように考えているのか、所見をお伺いいたします。 花角知事は、冒頭に述べましたように、精力的に本県の魅力をアピールされてきたと感じます。「住んでよし、訪れてよし」のキャッチフレーズを、まさに体を前面に押し出すように取り組まれている姿に、県民の皆様は信頼を重ねておられるのではと思います。 知事のトップセールスの活動の中の一つとして、知事は、先月24日に中国大連市の政府関係者を訪問したほか、東北6県の知事とともに大連市の行政機関や観光関係団体等と懇談し、本県の魅力をアピールしてきたと承知しておりますが、手応えや成果についてお伺いいたします。 本県の最重要課題の一つであります人口減少問題は、解決策が多方面にわたり、難題でありますが、このたび吉報と言えるかどうかの判断は難しいところでありますが、8月の時事トピックについてお尋ねいたします。 総務省によると、平成29年度の県内への移住に関する相談件数は、前年度比1,643件増加の1万4,889件で、2年連続で全国2位とのことです。このたびの順位の結果について、知事の所見をお伺いするとともに、本県への移住者、定住者の確保に向け、どのように取り組んでいくのか、知事の所見をお伺いいたします。 人口減少により、若者の労働力が減少傾向として表面化する中、私の近辺においても、業種にかかわらず、人手不足の感があります。 一方、60歳の還暦を過ぎても、元気で雇用延長等で仕事に精を出している仲間たちがいます。まだまだ定年の年齢を迎えても、体力、気力は少し衰えても、培ってきた技術や能力は、企業においても社会においても貴重な財産となり得ると思います。 一方、仕事一筋で来られた方には、退職後の生活に不安や戸惑いを感じられる人も少なくないのではと思います。ますます高齢化が進む中、年齢構成が逆ピラミッド化し、社会生活の安定だけでなく、自己実現の理想に向かっての環境整備は、今後さらに重要な課題と考えます。 各地で労働力不足が大きな問題となっている中、埼玉県では現役世代の40から50歳代を対象に、定年後の再就職や起業、ボランティアや地域活動に関する情報を提供し、定年退職後も活躍できる意識を現役世代から高めてもらう取り組みを行っています。 今後、労働力不足が一層深刻化することが懸念される中、長年培ってきた技術や能力を持つ高齢者や定年退職者が企業や地域等で活躍できるよう、円滑な再就職やあっせんなどにつながる環境整備が重要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 県内企業等へ就業・就職する県内大学生をふやす取り組みは、本県の人口減少対策において重要な手段と考えます。また、留学生の地元定着に向けた取り組みは、単に外国人労働者の受け入れ施策として捉えるだけでなく、優秀な人材の確保や活用の点からも、有効な取り組みと思います。 そこで、静岡県では留学生の地元定着を目指し、産官学が連携した体制で企業との接点づくり等を行ってきた結果、一昨年は255人の留学生が県内企業へ就職しました。本県も環日本海経済研究所や県国際交流協会が就職フェアやセミナー等を行っていますが、一昨年に県内企業へ就職した留学生は62人であり、大学、行政、産業界の連携や協力体制が弱いと思います。 県内企業の人手不足が続く中、留学生の県内企業への就職を進めることも、人手不足を解消する有効な手段の一つと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 人手不足の解消を図る上で、AIやIoTの活用は有効な手段であります。そこで、単純作業を自動で操作するソフトウエアロボットに人間が行う業務の処理手順を操作画面上から登録しておくだけで、ソフトウエアはおろか、ブラウザやクラウドなど、さまざまなアプリケーションを横断して処理できるシステムの活用についてお尋ねいたします。 働き方改革の推進が叫ばれる中、県職員の長時間勤務の改善に向けた取り組みが必要と考えます。パソコンのデータ入力など単純作業を自動で操作するロボティック・プロセス・オートメーション、RPAを導入した企業や、一部業務で試験導入した茨城県つくば市では、業務削減効果があったと聞いております。 本県も新潟県庁働き方改革行動計画において、RPAを活用した業務の自動化の導入可能性を検証するとしておりますが、どのように導入可能性を検証していくのかお伺いいたします。 花角知事は、さきの知事選において、県勢発展のために力強い前向きな公約を訴えておられました。さまざまな政策の中で、やる気のある人の応援に力を注ぎたいと起業・創業に支援を高めようということには、心強く感じた次第であります。県内の起業・創業率は全国的に低いわけでありますが、決して技術面等では他県に負けていないと思います。 先月、新潟日報は、本県の県政再建を大テーマに、各分野の専門家や有識者から「処方箋を聞く」と題した連載を組み、その中で起業・創業について、さまざまな意見や指摘を提示していました。 知事は、公約で起業・創業に挑戦する人など新潟でチャレンジする人を応援として、また、開業率が全国46位の本県の状況を踏まえれば、参考となる意見や指摘もあると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 さて、先日、新農業戦略対策特別委員会の県内視察をさせていただきました。尾身委員長を初め、関係者の皆様に改めて感謝の意を表したいと思います。 十日町市では、若い女性1人だけで奮闘中のジビエ料理を中心としたおいしい食事を提供されている農家民宿や、上越市の大島区では、生産法人の生産活動を見聞きしてきました。棚田での説明の中で、イノシシ被害を防護することにもお話がありましたが、特定野生鳥獣の条例改正案が我が党中心に検討がなされている中、捕獲物の解体処理施設等の課題について、前向きな施策等を御期待したくお尋ねいたします。 本県の農業振興を図る上で、有害鳥獣への対応が大きな問題となっていますが、今後は、有害鳥獣の捕獲に加えて、鳥獣肉のジビエとしての活用を拡大することが必要と考えます。ジビエの活用を拡大するためには、捕獲場所の近くで解体処理等ができる移動式解体処理車の導入が効果的と考えますが、所見をお伺いいたします。 加えて、報道によれば、奈良県五條市では市立幼稚園や小中学校などで、市内で捕獲されたイノシシの肉を使ったギョーザを給食で提供し、好評を得たとのことです。本県においても、有害鳥獣肉の有効活用に向けた取り組みが必要と考えます。所見をお伺いいたします。 次に、社会を明るくするための取り組みの一つとして、障害や病気のため犯罪を繰り返す累犯障害者の立ち直りを支援する取り組みについてお尋ねいたします。 法務省の統計によりますと、2015年に刑務所を出所した人のうち、2年以内に罪を犯して再び刑務所に入った人の割合は18%、65歳以上に限ってみますと23.2%で、知的障害者は受刑者のうち62%が再入所しているとのデータもあり、罪を犯した高齢者や障害者への再犯対策は急務となっています。 累犯障害者等の社会復帰に向けた取り組みが重要と考えます。兵庫県では、勾留中から相談員が面談を行い、必要な支援や受け入れ先施設を探してあっせんすることで、障害者の再犯対策を進めているとのことですが、知事の所見をお伺いするとともに、本県における累犯障害者等の社会復帰に向けた取り組み状況についてお伺いいたします。 先ほど、特別委員会の視察について述べましたが、行程中に改めて中山間地域での棚田風景を通して、農家の方々の米生産の苦労等に思いをはせました。一方、景観の美しさも感じることができ、棚田の持つ魅力をアピールすることも重要ではないかと思いましたことから、お尋ねいたします。 栃木県は、JRグループのデスティネーションキャンペーンに合わせ、ダムカードと橋カードを作成し、山形県は、農村風景の象徴である棚田を広くPRする棚田カードを作成しました。近年、これらのカードが全国的に人気を集め、各地をめぐるコレクターらの観光誘客につながる機会となっています。 今後、交流人口の拡大に向け、さまざまなカードをツールとしたイベントや情報発信などを検討してはどうかと考えますが、所見をお伺いいたします。 今夏、農業関係者を初め、農業高校生等や実業高校生にとりましても勇気と感動を与えてくれました夏の甲子園球場においての高校野球の熱戦の中で、準優勝というすばらしい活躍を見せてくれた秋田県立金足農業高校の勇姿は、いまだに鮮明に目に焼きついております。実習教科の取り組みは、特徴のある実業高校ならばこそとの思いは、実業高校出身の私にとりましても、感を強く持った次第であります。 本県は、農業大県を標榜しておりますが、さらにその名を高める取り組みは重要でありますことは、論をまたないわけであります。 本県の農業高校の存在意義を改めて認識すると同時に、農業の専門家養成の教育の場についても、今後ますます論を重ねることは重要との視点から、お尋ねいたします。 国は、新たな価値を創造できる専門職業人材の養成が急務であるとして、教育法の改正の中で、職業専門大学の創設を制度化したところであります。静岡県は、県立農業大学校を2020年度に専門職大学へ移行する準備を進めています。 質の高い農産物の生産に加え、直売、加工品も手がけ、高付加価値化、販路拡大等を先導できる人材の育成等を図るため、本県の農業大学校も専門職大学へ移行してはどうかと考えますが、所見をお伺いいたします。 国の予算編成において、公共事業費の圧縮など厳しい状況にある中、本県への適切な予算配分に向けた当局の御尽力に敬意を表するところでありますが、まだまだ十分とは言いがたいと思います。そうした中、県内建設企業は、人手不足や景気の回復のおくれ等で厳しい経営環境を余儀なくされております。 本県は、県内では当面大きな建設工事の増加が見込めないとして、工事請負額だけでなく、県内の土木・建設企業が開発した新技術の売り込みを行っております。今後ますます需要が見込まれると思います。 県に登録された新技術は、コンクリートのかわりにロープなどを使う斜面崩壊防止策や、排水内部のさびや汚れを吸引によって除去する工法など、2018年4月現在で188件に上っているとの報道もありました。 県内の土木・建設企業が開発し、Made in 新潟新技術として登録された技術の昨年度の売り上げ総額が、過去最高の119億円となったとの報道がありました。これは、県と企業が連携して県内外にPRしたことで、活用が進んだ成果と考えています。 県内の土木・建設企業の高付加価値化と競争力の強化を進めていくため、Made in 新潟新技術を全国へより一層PRしていくべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 青柳議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、脱炭素を目指す取り組みについてですが、議員御指摘のとおり、一部の自治体で脱炭素化やCO2ゼロといった動きが始まっていることを承知しております。 本県におきましても、これまで地球温暖化対策地域推進計画を策定するとともに、再生可能エネルギーの導入促進や事業所における省エネルギーの推進など、脱炭素ビジネスにつながるさまざまな取り組みを進めてまいりました。 今後も脱炭素への取り組みを地域経済の活性化にもつなげるため、洋上風力発電の導入や燃料電池自動車の普及など、再生可能・次世代エネルギーの導入を促進する取り組みなどを積極的に推進してまいります。 次に、電力系統接続の課題についてですが、議員御指摘のとおり、本県においては、県内全域で発電設備の電力系統接続の制約が生じており、再生可能エネルギーの導入促進には、この課題解決が不可欠であると考えております。 県といたしましては、本県における早期の系統接続の課題解決が図られるよう、電力系統の強化や既存系統の最大限の活用について、引き続き国や電力会社へ要望してまいります。 次に、廃棄物分野におけるAI、IoTを活用した取り組みについてでありますが、県では、これまでも循環型社会ビジネスを促進するため、工業技術総合研究所との共同研究などによる先進的なリサイクル技術の開発や、波及効果の高いリサイクル施設等への補助や貸し付けにより、3R推進に取り組む事業者を支援してきたところであります。 議員御指摘のとおり、廃棄物分野においても人手不足が認められることから、AIやIoTを活用し、業務の省力化や効率化を図ることは重要なことと考えております。今後ともAIやIoTを活用した技術開発等への支援も含め、3R推進に取り組む事業者の育成強化に努めてまいります。 次に、環境対策技術等の輸出によるロシアとの経済交流についてですが、国レベルでは、快適・清潔な都市づくりも含む8項目の経済協力プランを進める方針のもと、相互交流を積極的に進めてきており、本県としても経済協力を進めることで、これらの地域の活力を取り込めるよう、取り組んでまいりたいと考えております。 県といたしましては、ERINAなど関係機関と協力し、環境対策技術の輸出に関心のある企業に対して、まずはロシア極東のニーズ等について情報提供してまいりたいと考えております。 次に、洋上風力発電の導入への取り組みについてでありますが、県では、平成28年度の洋上風力発電ポテンシャル調査により、本県沖に一定のポテンシャルがあることを確認し、この結果を踏まえ、平成29年度に風力発電導入促進フォーラムを開催するなど、風力発電の導入促進と県内産業振興に向けた機運醸成を図ってきたところであります。 今後は、洋上風力発電についての法律の成立・施行を見据え、洋上風力に対する受容性の向上などに向けた研究会の開催や、風力発電メンテナンス業務への参入支援等により、風力発電の受け入れ体制の整備に取り組むとともに、発電事業者に対し、洋上風力発電の本県への立地を働きかけてまいりたいと考えております。 次に、本県の水素供給体制の構築に向けた取り組みについてでありますが、水素は天然ガスや再生可能エネルギー等からの製造が可能であることから、原油、天然ガスの産地であり、LNG受け入れ設備が整っている本県は、水素の供給拠点としてのポテンシャルを有しているものと考えております。 水素の利活用の取り組みを中長期的に進めることは、新たな産業の創出や関連産業の振興などの効果が期待できることから、そのための第一歩として、今年度は水素ステーションの設置支援や燃料電池自動車の普及に取り組むとともに、今後さらなる水素の利活用策や水素供給体制の構築などについて、検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 まず、新潟市の拠点化についてでありますが、本州日本海側唯一の政令指定都市である新潟市が環日本海の拠点都市として発展していくことは、本県全体の発展にも大きく寄与するものと考えております。 そのためには、都市機能の向上に加え、港湾や空港の活性化等の取り組みが相互に結びつき、相乗効果を発揮していくことが重要と考えており、今後も新潟市と連携を図りながら、必要な取り組みを着実に進めてまいります。 次に、中国大連市を訪問した成果についてでありますが、大連市では、譚作鈞共産党委員会書記及び譚成旭市長と意見交換し、県大連経済事務所を活用し、さまざまな分野で交流がさらに活発になるように取り組んでいくことで意見が一致しました。 また、観光交流懇談会において本県観光のプロモーションを行い、来訪を呼びかけたほか、ウインタースポーツへの関心が高まっている中国に向けて、今後、関係者と連携し、本県のスキーをアピールしていくことを合意したところであり、大連市からのインバウンド誘客に向けた取り組みを進めてまいりたいと思います。 次に、総務省の移住相談件数に関する調査結果の受けとめと今後の取り組みについてでありますが、移住相談件数が全国上位を維持していることにつきましては、常設相談窓口の充実のほか、市町村による取り組みも含め、多様な情報発信活動の積み重ねのあらわれであると考えております。 一方で、自治体間競争の中で相談者から実際に本県を選んでもらうためには、働く場の確保と移住後の生活面の不安を少なくしていくことが重要であると考えております。 このため、U・Iターンコンシェルジュによる転職移住の促進や、これまで以上に市町村や各種団体との連携に力を入れていくことなどを通じて、相談者それぞれのニーズに応じた実用的な情報を提供していくことにより、移住の実現に至るまできめ細かく支援してまいりたいと考えております。 次に、高齢者が活躍できる環境整備についてですが、議員御指摘のとおり、今後、生産年齢人口の減少に伴い、人手不足の深刻化が懸念される中、健康で意欲のある高齢者が活躍できる環境を整備することは、社会を支える力を強化する観点からも重要であると考えております。 そのため、高齢者の就業促進を目的として、新潟県シルバー人材センター連合会が中心となって実施している国の委託事業に、県としても積極的に参画し、多様な社会参加の機会の紹介や就業への動機づけを行うとともに、ライフスタイルに応じた就業機会を創出し、企業等における高齢者の活用促進に取り組んでまいります。 次に、留学生の県内企業への就職促進についてでありますが、県内においては、幅広い業種で人手不足感が高まる中、留学生は高度外国人材として活躍が期待されることから、人手不足対策に資するだけでなく、海外展開に取り組む企業にとっても有用であると考えております。 県といたしましては、既に県内関係団体が実施している県内就職促進の事業に加え、新たに外国人材受入サポートセンターを設置し、大学や産業界とも連携しながら、留学生と県内企業との接点をふやし、マッチングにつなげるなど、県内企業の人材確保を支援してまいりたいと考えております。 次に、起業・創業に関する有識者の意見などについてでありますが、御指摘の報道記事では、起業支援はさまざまな機関が似たようなことをやっているものの断片的となっているといった点を初め、本県における学生の起業意識の醸成から起業支援の方策まで、学識者の立場から示唆に富んだ意見が提示されているものと受けとめています。 県といたしましては、そうした意見を含め、各界の関係者とも知恵を出し合う中で、より効果的な手法を取り入れながら、施策の精度を高め、起業・創業に挑戦したいという人が次々と立ち上がる環境づくりを進めていきたいと考えております。 次に、累犯障害者等の社会復帰についてでありますが、議員御指摘のとおり、累犯障害者等が地域社会において孤立し、新たな犯罪を重ねることがないように支援を行うことは重要であると認識しており、兵庫県の取り組みなどについても注視しながら、引き続き支援に取り組んでまいりたいと考えております。 本県における取り組み状況については、福祉保健部長から答弁いたします。 次に、Made in 新潟新技術についてでありますが、平成18年から県内建設企業の経営の健全化と技術力の向上を目的に制度化しており、平成25年度より県外の展示会に出展し、知名度の向上を図ってまいりました。 議員御指摘のとおり、県といたしましても企業の高付加価値化と競争力強化を進めるため、全国へのより一層のPRが必要と認識しております。そのため、引き続き大都市圏における知名度の定着を一層図るとともに、新たに民間需要に対応した展示会への出展や販売実績の少ない地域への出展を行い、全国へのより一層の知名度向上に努めてまいります。   〔総務管理部長佐久間寛道君登壇〕 ◎総務管理部長(佐久間寛道君) お答えいたします。 ロボティック・プロセス・オートメーション、RPAを活用した業務の自動化の導入可能性の検証についてですが、RPAは、一般的には定型的なデータ入力や集計業務において効果が期待できるとされており、まずは、県の業務において、RPAの導入に適した業務を選定することが必要であると考えております。 今月取りまとめた新潟県庁働き方改革行動計画において、AI・RPA技術の活用を掲げたところであり、今後、既に実証実験に取り組んでいる他の自治体の事例や、専門の民間事業者のアドバイスも参考にしながら、対象業務を選定し、庁内のワーキンググループにおいて業務削減効果や費用対効果などを見きわめた上で、導入可能性について検証を進めてまいりたいと考えております。   〔県民生活・環境部長本間由美子君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(本間由美子君) 3点についてお答えいたします。 食品ロスの削減に向けた取り組みについてですが、食品ロス削減に向けた取り組みは、本県にとっても重要であると考えており、第2次新潟県資源循環型社会推進計画において、重要施策の一つに位置づけ、残さず食べよう!にいがた県民運動を展開するなど、普及啓発に取り組んでおります。 今般の国の目標設定を踏まえ、県といたしましても、市町村や関係団体と連携しながら、食品ロス削減に向けた取り組みを一層推進してまいりたいと考えております。 次に、産業廃棄物を無害化する技術の普及についてですが、廃棄物の発生抑制及び循環的利用の推進は、重要な課題であると認識しており、県では、産業活動から発生する廃棄物をできる限り資源として活用する資源循環ビジネスの取り組みを促進しているところです。 今後とも廃棄物の循環的利用を推進するため、議員御指摘の燃え殻の無害化技術を含め、波及効果の高いリサイクル技術の開発動向を注視していきたいと考えております。 次に、ごみ焼却で発電された電力等の活用の取り組みについてですが、議員御指摘のごみ焼却施設における回収エネルギー等の有効活用については、省エネや地球温暖化防止、水素の利活用などを促進する観点からも意義あることと考えております。 今後とも、こうした取り組みが進むよう、県といたしましても先進的な取り組み事例の発信や国・県の補助事業の情報提供等により、廃棄物処理事業者の取り組みを促進してまいります。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) お答えいたします。 本県における累犯障害者等の社会復帰に向けた取り組み状況についてですが、県では、福祉的な支援を必要とする刑務所等矯正施設退所予定の高齢者や障害者を支援するため、新潟県地域生活定着支援センターを平成24年3月に設置し、矯正施設入所中から本人の希望も聞きながら、退所後直ちに社会福祉施設への入所などの福祉サービスを受けられるように関係機関との調整を行っているところであり、引き続き支援に取り組んでまいります。   〔産業労働観光部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働観光部長(橋本一浩君) お答えいたします。 交流人口の拡大についてですが、県内でも国や県、市町村等でダムカードやマンホールカードなど、さまざまなカードが配布されております。これらは、地域振興や社会基盤整備への理解促進など、発行者がそれぞれ目的を持って作成しているところですが、議員御指摘のとおり、カードを求めて本県を訪れることで、地域の魅力に触れるきっかけにもなっていると考えております。 県といたしましては、カード作成の目的を踏まえた上で、発行者などの関係機関が取り組むイベントと連携・協力を図るなど、さまざまな機会を捉えながら情報発信を行うことで、交流人口の拡大につなげてまいりたいと考えております。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) 4点についてお答えいたします。 農地でのソーラーシェアリングについてですが、議員御指摘のとおり、この取り組みは経営基盤の強化や耕作放棄地の発生防止等に資するものであり、県内でも各地で導入されております。 一方で、積雪時は農業・電力どちらの収入も見込めないこと、日照や作業効率の面から導入作物が限定されることに加え、売電単価が制度発足時から漸減していることなどから、今後の導入には課題もあるものと認識しております。 県といたしましては、志向する農業者の所得が確保できるよう、技術・経営の両面から的確にサポートしてまいりたいと考えております。 次に、野生鳥獣の移動式解体処理車の活用についてですが、捕獲頭数の少ない本県においてジビエを利活用するには、広域的に捕獲個体を収集する必要があり、議員御指摘のように、機動的に複数の猟場へ移動でき、迅速かつ衛生的に枝肉までの処理が行える移動式解体処理車の導入は、有効であると考えております。 このため、県といたしましては、ジビエの利活用拡大に向け、引き続き移動式解体処理車の導入を支援するとともに、研修会を通じてその有効性を周知してまいりたいと考えております。 次に、ジビエの有効活用に向けた取り組みについてですが、現在の本県のイノシシ等の捕獲頭数は、ジビエの利活用が進んでいる県に比べて少なく、まとまった量が流通している状況ではないと認識しております。 一方で、ジビエは、地域資源としての有効活用やさらなる捕獲意欲の向上等につながることから、野生鳥獣による被害防止対策を推進する手段の一つとして有効と考えております。 このため、県といたしましては、ジビエの処理に必要な施設等の整備を支援するとともに、市町村等関係者に対する活用事例の紹介等を通じ、ジビエ利活用のさらなる拡大を図ってまいりたいと考えております。 次に、県農業大学校の専門職大学への移行についてですが、専門職大学は今後の成長分野を見据え、新たに養成すべき専門職業人材の育成を目的としており、農業分野においても人材の確保・育成に寄与するものと考えております。 一方、農業大学校は、2年制の専門学校ではありますが、卒業後は本校研究科への進学や4年制大学への編入など、さらに学びたい学生の希望にも対応しているところです。 こういった農業大学校の現状を踏まえ、専門職大学への移行の必要性については、農業を志す若者や主な就職先である農業法人のニーズなど、関係者の意見をお聞きした上で見きわめる必要があると考えております。 ○議長(沢野修君) 青柳正司君の質問は終わりました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(沢野修君) これにて本日の一般質問は終了いたしました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(沢野修君) お諮りいたします。 次会は、明9月28日午前10時から開くことにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(沢野修君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(沢野修君) 本日の議事日程は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 △午後4時46分散会...